表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生赤子の人間観察記  作者: 青風ぱふぃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/3

転生(生誕)

 ごぽり。


 母なる海が我を包む。


 陸の勇者に倒された海の魔王の我は、ただ深く海に沈む。


 もう上も下も分からない。


 温かく、ぼんやりとした光の中、ただ沈む。


 ゴポゴポとした水の感触。一定のリズムで平衡胞みみをザアザアと鳴らす海流。


『イイコネ』

『ハヤクデテオイデ』

『カワイイ』

『カワイイ』

 水妖の嘲笑か、たまに意味のわからないふしゃふしゃとした柔らかい音が混じる。


 沈む。沈む。


 無数にあった長い触手も、そこにびっしりと付いた強靭な吸盤も、勇者に切られてほとんど失った。我は身体を固定する術もなく、ただ流されるままに漂い続ける。


 水圧だろうか、ぎゅうと全身に力がかかり、縮こまったまま身動きが取れなくなる。


 これが、死……か……。


 …………。


 ………………。


 いや苦しいな!?

 なんだ? なぜこんなにギュッと押し付けられる?


 ううっ。狭い!


 出せ! ここから出せ!


 どばっ、と言う音と共に、我は空中に放り出された。


 ……空中?


 沈み続けていると思っていたが、浮かび上がっていたのか?

 まずい、水の外では息が出来ん。


 魔王が命ずる! 海よ、出でよ! 我を包め!

 眷属よ! 海の同胞はらからたちよ! 我を助けよ!


 我は海を揺らす咆哮を上げる。


「オギャァ! オギャァ!」


 息が……吸えた?

 ひとまず生き延びた……のか?


「おめでとうございます、元気な女の子ですよ!」


 ホッとする間もなくただ息を吸って吐いてを必死で繰り返す我の頭の上で、少しクリアなふしゃふしゃとした音がした。



   *   *   *


 お産は大変です。母親も、赤子も。

 こんなの、母も子も生きてるのが奇跡だよ。いやマジで。

 日本の医療はすごいねえ。関係者の方々に心よりの感謝を。


 まあ、私見てただけだけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ