表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/28

冬 その二

 ノーマルタイヤでは危なくて走れない。

 が、そうなりそうな気配はない。

 もしかしたら、雪は降るには降っても、積もるほどでもないのかもしれない。

 それでも、見上げる山は雪をかぶって白く雪化粧をしている。道端や家屋にも白いものがちらほらと見える。

 寒いのは苦手だが、雪化粧を見るのは好きだった。

 しばらく走って、信号のある交差点を右に渡れば橋になって、それを渡る。国道は川沿いに走って、その川の対岸に鉄道の駅があった。

 ちょっとのお出かけでよく寄る駅だった。

 木造の平屋一階建てで、ぱっとみ駅には見えず民家と勘違いしてしまうかもしれないが。駅の向こうにはホームやレール。向こうのホームに行くための陸橋がある。

 地面には雪はまだ少ないが。駅の屋根や山の木々はうっすらと白く雪化粧をしている。

 邪魔にならない適当なところに車を停めて。駅前の自動販売機で、ホットの缶コーヒーを買い求める。

 雪はちらちらと舞い降っている。

 雪が降るくらいだから、空気は完全に冬モードの冷たさだ。服を突き抜け肌に張り付くようだ。

 それでも、雪化粧をした景色を眺めるために、オレはホット缶コーヒーをカイロがわりに手にもって。しばらく眺める。

 川のせせらぎや、国道をゆく車たちの音が寒さに交じって耳に触れる。

 とことこ歩いて橋まで行って、川を見下ろす。水は水音を立てながら流れてとどまるところを知らず。そこに雪がちらちら落ちてゆき、とけてゆく。川原や岩がうっすらと白くなっている。

 暖かいうちに缶コーヒーを飲んだ。

 飲み終えると、缶はすっかり冷たくなって。手も冷える。駅前まで戻って、備え付けのボックスに缶を放り込む。

「さむっ」

 身体は冷えてしまった。

 ミライースのエンジンをかけ、暖房を効かしながら、発進させる。

「山越えは無理だな」

 ぽそりとつぶやく。

 標高が高い地域は必ず絶対積雪するので、タイヤ規制どころか冬季通行止め措置が執られる。それでも行くやつは行くけど。もちろん完全自己責任でだ。完全武装して雪道を走り、凍った滝を撮ってウェブにアップしている人がいるけど。

 すごいなあと感心させられる。

 オレはそこまでしないライトドライバー……。

 今いるところは降ってるだけ状態だが、もっと奥地はもう積もっているのは想像に難くない。

「帰ってうどん食って寝よ」

 オレは自宅向けてミライースをとことこと走らせた。

 雪はちらちら舞っている。


 冬のある日。

 雨だった。朝起きると、雨がしとしと降っていた。

「雨か……」

 ふと、山の方に行こうと思った。冬は平地の海岸線を主にドライブしてるんだが。

 雨が降っている。雨で雪が解けて、ある程度のところまで行けるかもしれない、とオレはミライースに乗り込んで、発進させた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ