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[現代語訳]夢酔独言  作者: 雪邑基
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大病・押込めにあう

 金を勝手に湧く物のように使った翌年の二月から、気分が悪くなったと思えば大病に罹っていた。

 色々治療をしたら、八月末に少し良くなる。調子にのって騒いで歩くと、とうとう十二月の始めから大病がぶり返した。

 体がむくんで寝返りも打てない有様で、そこへ来ておれが大層威張って振舞っていたのが頭に露見した。

 その月の二十二日。虎ノ門の内の保科栄次郎という相支配の所へで家族もろとも押込め(注1)となった。


 大病だから保科の所へは駕籠で訪れ、翌年の夏頃になったようやく全快した。

 本所でおれが貸した道具や金は四十両ばかりだったろうが、みんな何にもよこさないようになっていた。おれは不意に保科の所へ来る事になったから、金の算段などは普段通りしないでいたので、この貧乏は困る。

 しかし今の貧乏も仕方がないと、渋々諦めた。


【注釈】

注1 … 刑罰の一つ。一定期間屋敷内に設けた座敷牢などで謹慎すること。


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