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プロローグ
夕焼け小焼けの帰り道。
辿り着いた家人の居ない自宅は、しっかりと施錠されていた。
意義を失くした取っ手を握ったまま、厚さ五十ミリの堅牢な壁を睨む。
資格あるものだけを迎える、現代の簡易な結界。阻まれるものは、招かれざる異物という選別まで兼ねている。
その愚直な在り方には尊敬を超えて羨望まで抱きそうだった。
つまり、やってらんないって話。
あまりに融通が利かなくて感心してしまう。
いっそこじ開けてやれないものか。とは考えなくもないけれど、お生憎様。あたしは手段を選ぶ身の上だ。そもそも開ける手管はおろか、破る意志さえまだ持っていない。
そんなわけで、どうしたものかと途方に暮れる――のはわずか数秒のことだった。
訪れた違和感は唐突に。あたしの耳朶を、子供の大きな泣き声が震わせる。
しばらく待っても止む気配はない。
気づけば吸い寄せられるように、足は隣の小さな公園に向かっていた。
――――ああ、そうか。
どうやら放っておけない性質らしい。
なら助けに行こう。
些細なことから順番に、油断なく。
外堀なんて出来る限り、埋めておいた方がいいものだから。
第一章 Gals×Calling




