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各種補足

            〜〜 登場人物紹介 〜〜

先手改めQ:オッペケペッポー ペッポッポー


後手改めA:トコトンヤレ トンヤレナ


             ※※ 前提 その一 ※※


『チート』には大きく分けて、


<A>……まるでTVゲームにおけるチートコードを使った"ような"圧倒的力量、     優位性を持っている事。厳密には『不正チート』を働いている訳ではない。


<B>……『不正チート』の原義通り、何らかの『不正行為』を働いた結果得られた力や     立場、その他優位性の事。


 ……の二つの意味が用いられている。

 本文は主に<B>の『不正行為』を主眼に置くものとする。


             ※※ 前提 その二 ※※


 個人の趣味嗜好に関する点、個人の感情に起因する点、及び該当する作品そのものの評価については、

『お前がそう思うんならそうなんだろう。お前ん中(・・・・)ではな』

 ……の姿勢を筆者、読者問わず標準のものとする。


 上記前提にご納得の上、お読み下さい。


         ※       ※      ※


Q:んで、今回は一体何すんのよ?


A:本編内容の補足だ。読者からの質問なども反映しつつ、説明の足りなかった部分、新たに触れておいた方が良いと思った事、本編で入れようと思ってたけど入れる隙間がなかった事などに対して、俺が答えよう。


 じゃあ、早速始めようか。



Q:法律とかルールとか言ってるけど、それらに抵触しなきゃ卑怯じゃないって、極端過ぎない?


A:俺が『法律やルール』を持ち出したのは、それらが『客観的根拠』を示す適切な手段だと考えるからだ。『努力しないで強くなるのは不正チートだから卑怯』と言う以上、『不正行為に当たる』根拠、つまりは法的論拠を問うのはごく真っ当な発想であると考える。


 一方で、法やルールに触れていなくても、望ましくない行為と言うものは存在する。例えば、『お年寄りに席を譲らない』とか、『夜中に大騒ぎする』……などと言った行為だ。それらは法律の上では別に禁止されていないが、それぞれ『お年寄りを立たせっぱなしにさせるのは体力的に負担が大きい』、『近所迷惑になる』

……と言った問題がある。従って、これら行為を止めさせるのは妥当な事だ。


 そして、『○○な理由で新たな法律、ルールを作るべき』と言うのも、『○○な理由があるからこの法律、ルールはなくすべき』と言うのも妥当だ。きちんと理由が示されている訳だからな。


 俺は何も、杓子定規に法的論拠のみを要求している訳じゃない。一番重要なのは『客観的に納得出来る理由』だ。客観的に納得の行く理由であれば、必ずしも法

律、ルールの話題である必要はない。


 ついでを言えば、本編の内容は寄せられるだけ理屈に寄せてはいるが、それは

"考察"と言う目的のためだ。俺は何も『一切の矛盾や論理的誤謬(ごびゅう)を許さない』……と主張したい訳じゃないし、『日常生活で理由もなく"卑怯"や"普通"と言った単語を使うな』……と言いたい訳でもない。『一〇〇点満点でなければ全て落第』……なんて言う、無茶苦茶な基準を要求するつもりも一切ない。


 大事なのは『十分納得出来る水準の』『客観的な理由』、ただそれだけだ。


 まとめ。

 必ずしも法的、ルール的根拠でなくても良い。客観的な理由こそが大事。


 普段からガチガチな理屈に凝り固まる必要はない。日常会話と議論とでは、要求される厳密さが違う。また、例え議論であっても、完璧である必要はない。



Q例えば、スポーツに"サイボーグ化"した選手送り込むってどうなのよ? それとか、"超能力"駆使して勝ちに行くとか。


A:現行のスポーツのルールは、『人体のサイボーグ化』や『超能力の存在』などを想定していない。仮にそれらの実在が確認されれば、相応のルールが新たに設けられる可能性が高いだろう。


 何故か? スポーツはただ勝てばそれで良し、と言うものではない。一例とし

て、文部科学省のホームページ、"スポーツ基本法"の前文から一部を抜粋しよう。


『スポーツは、次代を担う青少年の体力を向上させるとともに、他者を尊重しこれと協同する精神、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培い、実践的な思考力や判断力を育む等人格の形成に大きな影響を及ぼすものである』


 ……このように、スポーツは単純な勝敗だけが目的ではない。『どんな手段を用いてでも勝利を目指す』とはたまに聞かれるが、それは暗黙の前提として『ルールは守る』と言うものが存在している。いちいち言うのも面倒だから、省略しているだけだ。


 "ドーピング"が禁止されているのも、『薬使ってまで勝ちに行くとか、そもそもスポーツの目的から離れるじゃん』……と言う理由からだ。他にも『副作用から選手を守る』『薬物乱用は反社会的行為と見なされる』……と言った理由もある。


 つまりスポーツにおいて、"サイボーグ"だの"超能力"だのを用いて勝利しても、『そもそもの目的から外れている』と考えられるんだ。従って、それらがルールで規制されるのは妥当であると言える。逆に、それらが一般化した社会であれば、

『サイボーグ枠』の設立とか、『超能力の使用可能ルール』の設定とかもあり得るかも知れん。


 ……で、チート主人公。彼らの目的は『魔王の討伐』であったり、『ダンジョンの踏破』であったり、『内政』であったり、『スローライフ』であったり、『ハーレム』であったり、『俺SUGEEEE!』であったり、『俺TUEEEE!』であったり……だ。彼らにとって『努力しないで力を得る』行為は――個人の思想次第だろうが――特に目的には反していないと考えられる。


 異世界の側から見れば、『魔王を討伐してくれる人材』や、『ダンジョンを踏破出来る人材』や、『国を建て直してくれる人材』がやって来てくれる事となる。引き替えに、『一人の男に嫁を大勢持って行かれる(男性主人公の場合)』可能性もあるが……それが一夫多妻制社会ってもんだ。制定されたルールに従っている以

上、文句は言えないだろう。ちなみに俺は、この辺りの話題についてこれ以上議論する気は一切ない。話がズレる可能性大だから。


 閑話休題。上記能力を持った、つまりは"目的を果たしてくれる人材"に対し、異世界側はルールによって制限を加える必要性などないだろう。しかもこれは、『異世界側の人々が、"チート主人公"と言う他の世界からやって来た存在を認識している』……と言う前提で語った事だ。その事実に気付いていない場合、そもそもルールうんぬんの話など気に掛けられる事すらないだろう。


 まとめ。


 スポーツにおいて、サイボーグや超能力が規制される可能性は十分にあり得る。

 しかしそれは、あくまで"スポーツ"での話であって、大半のチート主人公には関係ない。



Q:つーかさ、フィクションに現実の法律とかルールとか持ち込むのってどうよ?


A:最高に身も蓋もない事を言ってしまおう。


『フィクションの人物の行動に、本気で現実の法律やルールを当てはめても仕方がない』。


 だって、"フィクション"なんだから。フィクション内で犯罪が行われても、現実世界の誰に対しても被害が及ばないんだから。そもそも、フィクションにおいて

"法律違反"が描かれるのはむしろ当たり前の事だし、"表現の自由"で保証されるべき当然の権利でもあるんだから(犯罪、差別の助長などは当然NG)。


『ドラえもん』ののび太が、どこでもドアで海外に行く事があるけど、あれ『不法入国』だから。でも、そこに突っ込みを入れたって意味があるとは思えない(ネタとしてイジる行為や、真面目な考察を否定するものではない)。


 じゃあ、そもそもこの文章自体が無意味なんじゃないのかって? そうじゃな

い。土台をひっくり返す目的で言ってる訳じゃないから、落ち着いて聞いてくれ。


『努力しないで強くなる、チート主人公は卑怯だ!』……と言葉を発する(掲示板への書き込みなども含む)のは、『現実の読者』だ。その言葉は、一体誰に対して向けられているのか? 恐らく大半は、『現実の他の読者』や『現実の作者』に向けてだろう。


 つまり、『現実の人間』が『現実の人間』に対して言っている事になる。それならば、『現実の法律』を持ち出して語るのは別段おかしな行為ではないと考える。もちろん、『作中の法律、常識』を持ち出して議論するのも的外れではない。


 一番駄目なのは、その時々の都合に合わせて前提を好き勝手に入れ替える事だ。ついさっきまで『現実』を基準にした話をしていたにも関わらず、議論で"負けそう"になったら、いきなり『フィクションは現実と違うんだよ!』……と言い始めるとか、大変に格好悪いぞ。


 ちなみに、議論の目的は『相手を言い負かす事』ではなく、『新たな知見を得る事』だ。議論の勝利とは『今まで知らなかった、新しい知識や考え方を知る事』であり、敗北とは『何の知見も得られない事』だ。反論って言うのは『言い負かす』目的ではなく、『話の掘り下げや軌道修正』のために行うものだ。


 つまり、本気で『議論に負けそうだ! 何とか巻き返して、相手をギャフンと言わせねば!』……なんて発想を持ち出している時点で、既に"大敗"していると言える。だってそれ、『新しい知見を得るつもりがない』姿勢だから。……つまり、ぶっちゃけて言おう。本編での俺は、新たな知見を得られなかったために『議論に負けている』。まあそれは、作劇上の都合なんかが大きいんだけど。


 まとめ。


 真面目な議論の場において、フィクションに現実の法律、ルールを持ち込むのは別におかしな事じゃない。


 もちろん、純粋にフィクションを楽しんでいる人に向かって、現実うんぬんを言い始めるのは流石に無粋。そこは気を付けよう。



Q:『法の抜け穴』的な手段で力を得るのってどうよ?


A:本編中に『正当業務行為』に触れたな。あれは要するに、『"表面上"は同じだけど、"中身"は別物』って事だ。


 一方、『法の抜け穴』と呼ばれる行為は『"表面上"は違うけど、"中身"は同じ』と言う事になる。


 例えば、『立ち読み禁止』の店内で、『座って読むならセーフだよね!』……と言うようなケースだな。店側が立ち読みを禁止しているのは、『商品を勝手に読まれては困る』『通路が塞がる』……と言った理由からだろう。断じて"立って"いるのか"座って"いるのかと言う、姿勢を問題視している訳じゃない。


 こう言う表面的な概念だけで『法律やルールに違反していないからセーフ!』と言った主張には、『実際の行動、中身に問題がある』と指摘するべきだ。法律やルールは"目的"があって作られる。ならば、『その"目的"に適っているか?』こそを問うべきだ。


 余談ながら、これとは逆に『形式的には法に触れているけど、咎める程に重大ではない』場合、例え法律違反であったとしても、一切の罪に問われないケースがある(可罰的違法性(かばつてきいほうせい))。例えば、『道に落ちている十円玉を拾って自分のものにす

る』行為は、法的には『逸失物横領罪』に当たる。が、現実にそれが原因で捕ま

る、罪に問われる……などと言う事は絶対にない。たまーに、鬼の首を取ったように『例え一円でも、ネコババは犯罪なんだぜ!』……と言う人がいるが、実際には間違いだ。一円ぽっちのネコババで犯罪となる事は『あり得ない』。


 まとめ。


 形式的に法に触れているかどうか? も大事だが、それ以上に中身が大事。



Q:主観的価値観で"卑怯"って絶対に思っちゃいかんの?


A:それは本人の自由だ。心の中でなら何を思おうが、それに一切の根拠がなかろうが文句を言う筋合いは

ない。


 ただ、言葉にせよ文章にせよ、その意見を"表に出した"以上、他人はその意見に反論や突っ込みを入れる権利が生じる、と考える。


 では何故、本文において客観的な論拠を求めているのか? 何故わざわざ、前提その二で『主観的な価値観、感情で卑怯だと主張する意見は取り合わない(意

訳)』……と断りを入れているのか?


 答えは簡単、『不毛だから』。


 主観的な価値観で『卑怯だ』と言う意見に対しては、主観的な価値観で『卑怯ではない』と返せば相殺される。話はそれで終わりだ。それ以上、何の発展もない。それでもなお『卑怯だ』と言い続けたとしても、根拠がない以上それは論理学上の誤った理屈である『人身攻撃、人格批判』でしかない。相手からスルーされるどころか、『まともな反論材料がない証拠』と受け取られるのがオチだ。


 何より、主観的な価値観だけの意見は、『全く同じ価値観を持つ相手』にしか理解されない。別の言い方をすれば、最初から意見が『YES』の相手に『YES』と言わせる事しか出来ない。そんなもん、わざわざ自分が言わなくても相手は勝手に『YES』と言うだろう。そして、『NO』の相手には一切何の影響も及ぼさない。


 一方、客観的な根拠を元にした主張は、意見が『YES』の人物に『NO』と言わせる事が出来る可能性がある。そこまで行かなくとも、『NOと言う意見にも一理ある』と理解される――つまりは、自分と異なる意見の持ち主に影響を与える事が出来る。そこから、互いに新たな意見へと発展するかも知れないし、何より新しい知識、考え方を知る事が出来る。実に有意義な事だ。


 仮に主観的価値観で語るにしても、極力自分の価値観を客観的に伝えるように努める方が建設的だ。


 単に『私は犬が好きだ』……で終わるより、『諸君、私は犬が好きだ。諸君、私は犬が大好きだ。喉元のもふもふ毛が好きだ、嬉しそうにパタパタ振られる尻尾が好きだ、ピンと立った耳が好きだ、タレ耳が好きだ、『ねえねえ、ご主人様。そろそろ散歩の時間だよ!』……と言わんばかりに見上げるつぶらな瞳が好きだ』……と言った方が、より気持ちも伝わる事だろう(『猫良いよね……』『良い……』と言った、玄人同士の会話を否定するものではない)。


 まとめ。


 思うだけなら本人の自由。

 だけど表に出したらそうは行かない。


 主観的な意見は相手に伝わらない。

 客観的な意見は相手に伝わる可能性がある。

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[気になる点]  一方で、法やルールに触れていなくても、望ましくない行為と言うものは存在する。例えば、『お年寄りに席を譲らない』とか、『夜中に大騒ぎする』……などと言った行為だ。それらは法律の上では別…
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