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閑話*モンスターペアレントとはきっとこの人達の事だ。2

ブックマークありがとうございます(o´艸`)

モンスターペアレントって大変そうですよね。

まだ見た事ないんですけど……私は多分、モンスターペアレントではないと思います。

 


「い、ま……なんと言った……?」

「第一王子殿下がシンシア・ミルナイト嬢に婚約破棄を突きつけ、とある令嬢を害したと竜の谷へ追放なさいました……」

「ーー我が国は終わりか? 余が最後の王、か……」

「そんな! いくらミルナイト公爵家と言えど陛下に何かするのならば反逆者です! そんな愚かな事するわけがございません。いくら力があるとは言っても爵位があってこそです! 」


 長年、停戦状態出会った隣国との和平交渉……。

 戦争を知る者共は、苦渋をのまされ、思う事もあってだろうが『開戦を! 』と口にする者が多くいた。

 しかし、年寄りが減り、若い世代が増えた今……和平交渉に賛成する者が増え、今回行動に移す事になった。


 我が国にとっての防波堤は、遠い国にまで轟くミルナイト公爵の名だ。

 将軍を怒らせてはならない、血濡れの天使の逆鱗に触れてはいけない。

 そんな事がまことしやかに囁かれ、その証明にミルナイト公爵が出た戦では敵の生き残りがいない。


 余は出来た王ではなかった。

 将来、共に歩み、生涯隣に並び立とうと誓った婚約者がいた。

 余は優秀と呼ばれるには少し足りない、そんな王子で王太子ではあったが、いつも自信がなかった。

 そんな余を支え叱咤し続けてくれたのが国で一番優秀と謳われる余の婚約者であった。


 兄妹で、親友で、戦友で、愛する人。


 余にとって全てが彼女だった。

 将来、王となる余と、将来王妃となる彼女。

 二人にしか分からない重みや辛さがあったのだ……。


 しかし、婚姻まで後半年と言う頃……彼女の家が不正をしていたと内部告発があった。


 彼女の父は、潔癖すぎる程、実直で裏のない人格者だった。

 ありえない! そう叫んだが、前国王であった父上は『証拠があるのだから仕方なかろう? 』と笑った。


 一国の王が……国の未来よりも目先の金に狂っていたのだ。


 どうにか連座だけは避け、余は親戚で唯一信頼出来る友人に彼女とその妹と母親を逃がしてくれと頼むことしか出来なかった。


 彼女の後釜は、婚約者候補であったが……彼女より全てが劣る侯爵家の令嬢だった。


 彼女に負け、彼女がどれだけ努力してるかも知らずに努力もしない無能が勝手に劣等感を抱き、その父親が権力を欲し、国王が汚い金に国を売った。


 腐っていた。


 余は彼女を守るために、抵抗せずに婚姻した。


 煩わしい王妃を黙らせる為に側室を狙う貴族の企みに乗ってみせた。


 側室が懐妊、出産……数年遅れで王妃が懐妊、出産。


 あいつらは知らないのだろうな……。


 婚姻する前日の夜、余は優秀すぎる友人に頼み薬で無理に行為をできる状態にしてもらってる事や子種を残せないように呪いをかけてもらったことを……。


 母親である側室と王妃に似ていて余に似ていない王子達。どれだけ進言されても決めなかった王太子。余の唯一にして本当の息子に譲れるのであれば、これ以上に幸せな事はないが……

 こんな腐った場所に招きたくないのも事実。


 この世界で唯一の愛する存在を近くに置けない苦しさは全てを憎める程にツラいものだった。


「お前は何も分かっていないのだな。この国の宰相のくせに……」

「へ、いか? 」

「ヴォルフに国も爵位も必要としない。ヴォルフが見限った時点でこの国は終わりだ……。その終わりが戦か、それとも経済か……一つ言えるのは、この国は孤立し滅びる」

「ーーまさか」


 親戚と言うにはミルナイト公爵家は王家との婚姻を遠ざけていた。

 建国の王の弟が始祖であり、一度も直系が途絶えること無く……。

 権力、地位に驕ること無く実力を示し上位にあり続けた一族ーーそれがミルナイト公爵家だ。

 その歴代の猛者の中でもずば抜けて最強で優秀だとされるのが今代のミルナイト公爵とその弟である。

 二人は真逆な才を持ち、それぞれにそれを発揮し意図していないだろうが国に貢献し続けてくれた。

 兄は戦神として国を守り、弟は商会を盛り立て貿易を主に経済を回していた。


 その二人が国を捨てたら想像は容易く、諦めるしかないだろう。


「やぁ、ロナウド。僕の可愛い娘……どこか知らない? 出迎えがなかったんだ。産まれて初めて出迎えがなかったんだ……僕が長く家を空けて帰ったら必ず泣きそうな笑顔で出迎えてくれてたのに……出迎えがないんだ。リュコスがね? おかしな事を言うんだ……僕の可愛い娘が竜の谷に追放されたって……ねぇ、誰を殺せばいい? あっそうだ。あの屑は何処? 」

「ッ!? ヴォルフ……」

「貴様ッ! 不敬だぞッ!! 「止めろッ!! 」」

「邪魔…… 」


 空間が歪むような感覚がした瞬間、目の前に話題の本人であるヴォルフが立っていた。

 いつも笑顔を絶やさないその笑顔が見たこともない……凍ってしまいそうな冷たい笑顔だ。口調もいつもの間延びするような話し方ではなく……壊れたように娘がいない、何処か知らない?と繰り返し、最後に殺す事は決まってるから娘に手を出した奴を差し出せと遠回し口にした。

 宰相が『不敬』だと怒鳴り、慌てて止めるが遅かった……瞬間にして宰相は離れた壁に飛ばされ糸が切れた操り人形のようにパタンと地面に崩れ落ちた。


「すまない……ヴォルフ。余が発表を遅らせるように頼んだから……すまない」

「そう、だね。でも、それについては僕も頷いたからね? 君の事は責めないよ。憎くないかって言われると憎いけどね? それで屑は何処? 君の子じゃないんだから処分してもいいでしょ? 大丈夫だよ、ついでに側室も処分してあげるから」

「ーーそれは、もうこの国に残るつもりは無いって事か? 」

「うーん。そうだね……リュコスが既に準備済みでね? 王都の家には何も無くなってたよ。本当、優秀だよね? 我が子ながら感心しちゃったよ」


 謝る余にヴォルフは、責めないと口にした。余がこの場で余を殺す事は無いと言う事だ。しかし、第一王子は許されないらしい……あたりまえか、ついでに側室もとニコニコするヴォルフ。

 確かに、余の子ではないし、その事実を知るのは余とヴォルフのみ。本当の息子を跡継ぎにしたいと考えてはいたが、直系でない者が後継になる場合、立太子の儀式が失敗する。その失敗を避ける準備が必要だったりする。

 だから、立太子は決めなかった……。

 第一王子、第二王子共に立太子の儀式は出来ない。


 第一王子と一応、形式的には余の妃の側室を殺すと言う事はこの国に残らないと言う事だ。いくらミルナイト公爵家でも王族を害して何もないわけでは済まない。最低限を始末して終わらせようとしてるヴォルフだが、そのヴォルフやミルナイト家に手を出したら国内での戦争になる。


 余としては、そちらの方が好ましい結果になりそうだが、国主としては選んではいけない方法だな。


『案内しよう……』余はヴォルフを案内すると第一王子と側室のいる部屋へと足を進めた。






「陛下? ミルナイト公爵閣下? どうして後宮に……」

「お前達は道を間違えた……」

「陛下? 何を……」

「レオナルド……シンシアを竜の谷に追いやったそうだな? お前は気づいてなかったのか? 側室のお前は息子である第一王子にそんな事も説明していなかったのか? 」


 後宮内で二番目に豪華な扉を開くと中には側室と第一王子、第一王子の側近と見知らぬ少女がいた。

 余とヴォルフの来訪にキョトンとする側室に最後通告をする。


 間違えた……。

 本当にそれしか言いようがない……。


「え? ど、ういう事なのですか? 第一王子のレオナルドが一貴族の……それも権力を振りかざし素行の悪い娘を処罰して何が悪いのですか? 陛下? レオナルドは正しい事を「黙れッ!」

「ち、ちうえ?」

「父上、な……。もう真実を教えてやろう。お前は余の子ではない。余は子が出来ないように術をかけてある。愛した女以外と子を成すなど虫唾が走るだろう? 余の最後の足掻きだよ。まぁ、それは本題ではないな……。シンシア・ミルナイトはお前を守るための時間稼ぎで婚約者と言う役に名を貸していただけだ。側室であるお前には話してあっただろう? 故に正式に発表もしてないし、正式な書面にも残していない。正式な婚約ではないからだ……レオナルド、お前は王妃派の一部の過激派から暗殺されかけていた。それを阻止する為の仮の婚約だったんだ……それも先日無効になっていた。お前は、命の恩人を殺したんだ。この件でミルナイト公爵家が何をしても罪には問わない。それが国王としての余の決定だ」

「そ、んな……なぜ……は、はうえ?」


 側室はこんな状況に至っても悪びれる様子はなくレオナルドの行為は間違いではないと口にする、それも正しい事と言おうとしたのを怒鳴って遮った。

 何をしようが声を荒らげるような事のなかった余の怒鳴り声にレオナルドがビクリと肩を揺らし、戸惑った様子で余を見てくる。

 どんな理由があれ、レオナルドはもう死ぬだろう。

 故に真実を伝えてやろう……本当の息子ではない事を、お前が邪魔だと排除した存在こそがお前を守る最後の防波堤だったことを。


 ミルナイトには何があっても手を出してはならない。

 眠れる(ドラゴン)を起こしてはならない。

 それは我が国での暗黙の了解である。



 その尾を踏み、ドラゴンが一番大切にしていたモノを奪い去った。


 ドラゴンに蹂躙されても文句は言えない。


 眠ってるから……害がないから……そんなのは関係ない。


 眠ってくれている……そう考えないといけなかった。


 これから起こるだろう事に頭痛がして目を閉じ、眉間を押さえているとなんとも鈴の音がなるような可憐な声がしたと同時に悪寒がした。


「お待ち下さい! あの方は私を虐めていたのです! 私が殿下と親しくし、殿下のお心があの方から去ってしまったから……殿下は悪くありません! それに本当の子ではないなど、そんな残酷な嘘をつかないで下さい!」



 この相反する自分の感覚に理解が出来ずに呆然と声の主を見た。


 声の主は見知らぬ少女で、レオナルドを庇うように前に出てヴォルフと少し後ろに立つ余を見上げていた。


 ふと、そこで思い出した。

『最近、殿下には想い人が出来たようです』と報告があったな……。

 そうか……。

 側室とレオナルドも当たり前に非はあるが……その全てがこの小娘を発端としてるのか?












「父様、何故ミルナイトはドラゴンに例えられるのですか? 何かドラゴンと関係あるのです?」

「ん〜? どうだろうねぇ。ミルナイトも歴史が長いから御先祖様にドラゴン退治した人もいそうだけど……。なんかね? 何処かの国に『ドラゴンの尾を踏む』って言う言葉があるらしいんだ。意味は非常に危険な事をするっていう意味の例えなんだけど……それを聞いた貴族がミルナイトをそう例えるようになって、意味よりミルナイト=ドラゴンみたいな言葉だけ残ったって聞いたよ?」

「そうなのですか……。私てっきり何処かでドラゴンの血でも入ってるのかと思いました。少しガッカリです」

「う〜ん? ドラゴンの血は分からないけど、似たモノなら何処かで混ざってもおかしくはないかもね?」

「そうなのですか。少し夢が膨らみますね!」



ドラゴンの尾を踏むって……虎の尾を踏むって事だよね? 意味まんまだし?

何、転生or転移者が過去に居たのかな?



.............................



次回は8月11日頃に*˙︶˙*)ノ"

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