「ロクロクビ花子の生涯」の巻
「我こそはロクロクビ花子。安眠を妨害するのは誰じゃ?!」
お化け学校として有名な、廃校に突入した番組スタッフは、
「わあ、出た!」
「本物だ、凄い!」
などと驚きながらも、
「カメラ! カメラ!」
と叫んでいる。
「手が震えてブレブレです、チーフ!」
「迫力が出て良い! 撮り続けろ!」
夏のおなじみ、怪奇番組のクルーたちであった。
「なは?! 出演後、お化け屋敷に就職を保証するとな?」
「御意!」
と、クルーたち。
「なは?! 美しい着物が着替え放題とな?」
「御意、御意!」
「なは?! 三時のおやつは、みたらし団子が食べ放題とな?」
「御意! 御意! 御意!」
「むむむ。そ、その程度の事で、天下の物の怪が懐柔出来ると思うたかっ!」
一喝するロクロクビ花子さん。
しかし、ひょろひょろと伸びた長い首は、何度も縦に揺れていた。
嫌と頭を縦に振る、シャイな花子さんであった。
(名乗るのな)なのるのな!
(なびく首な)なびく、くびな!
(花子なは)はなこ、なは?!
お読みくださった方、ありがとうございます。
いい加減な回文も、集まると作品? に出来るという無理技、いかがだったでしょうか?
明日も、「続・のほほん」を適当に投稿します。
回文ショートショート童話「のほほん」全111話。
世紀末を歩く者「風骨仙人の旅路」全4話。
漂流者の職業なのか?「異物狩り」全4話。
以上が完結しています。
よかったら、読んでみて下さい。
ではまた明日、続・のほほん、で。