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倍率的問題でも運が必要

というかこれまでの話を読み返してましたが、下の空白デカくない?

「うーん!やっぱり美味しかったなぁ〜」


「うっ……私はもう……ムリ……」


ウサギとカメ(※常連の客から長いので略した呼び方で言われ続けられたので、もう店員はそれでわかるようになった。)以降、普通の料理やまたデザートを頼んだりしてようやくお腹が膨れたようだ。


もちろん鬼ノ城も多少手伝わされている。


「そういえば【────】の修理終わってる?」


「もうとっくに終わってるよ」


「さすが鬼ノ城ちゃん」


「だ・か・ら、昨日ソレを持ち出してくんじゃないかって心臓バクバク鳴ってたんだからね!?」


「さすがに壊れるかもしれないモノを持っていかないよぉ〜」


「あなたは持っていくでしょう!」


「持っていこうとしたんだけどね?鬼ノ城ちゃんが隠すから何処にあるか分からなかったんだよ……」


「ソレが理由(しんじつ)でしょ!隠しといて良かったぁー!」


「で?何処にあるの?」


「まだ言わない」


「ケチぃー」


「ケチじゃない」


「でもぉ」


フォークをもてあそびながら鬼ノ城を見据える。


「アレ、ボクしかあつかえない代物しろものだよ?」


「あなたの代物しろものだろうが得物えものだろうがむやみに振り回すモノじゃ無い」


「まあねぇ〜」


そう、アレはあなたしか扱えない、だからこそあなた以外誰にも制御出来ない、だから危険、あの兵器・・は。


まったく………、ヴェスター博士、貴方はとんでもない代物を遺して行きますよね………。


【ヴェスター】だってもう遺産オーパーツ、設計図がないと何も作れない、というか【本】を無理やり人体に落とし込むという技術をよく思い付いたなと、同じ科学者として思う。


そしてアノ兵器、【────】は使用者の意思や感情を【ヴェスター】を通じて送る事ができ、それにより機構やギアなどの────

と、まあ、よく考えられたなと思う。

ただ、よく見れば、この兵器は【ヴェスター】で暴走しない為の制御装置としての性能を持っており、コレと【ヴェスター】でついになっていると考える事が出来るが────


まあ、コイツはその性能を振り切ってぶっ壊したからなぁ───


そう、目の前で新たなデザートを頼もうとしているこの友人、【本】自体は元々はそこまで強くは無いと言っていたハズだが(※【本】の内容は教えてくれない)、コイツの場合、ソレを突き詰めた結果、普通の本などには比べ物にならない程の強さを身に付けたそうだ、その結果、アノ兵器(・・・・)ですら逆に飼い慣らすことの出来ないモノになってしまったのだ。

その為、【ヴェスター】とその兵器と一緒に感情がヒートアップし、過剰出力オーバーロードして、そのまま冷却機構クールダウンが壊れ、過労熱火により、壊れたのだった。

絶対ヴェスター博士この場を想定してなかっただろ。

逆に強化兵器・機構等はあるのにその逆の抑制機構が無い!

ヴェスター博士、ワンパクな子が今使ってます……。


まあ、最悪この人はちゃんと理解があるのでコレ以上の事はしないだろう…………と信じている。


というか────

コイツ、見た目華奢で小柄なのにこれだけ食べても太らないとか──

ソノ【本】、有能過ぎない?


「どしたぁ〜?」


つい1時間前くらいに私も食べたカルボナーラを食べなが聞いてくる。


「いや、あなたは常に飢えてるんだなーって」


「この【本】の特性というか代償というか、後遺症?的な?」


「後遺症では無いでしょう……言うなら副作用?」


「そんなもんかなぁ〜、でもこの【本】のおかげでボクは生きられてるし、これくらいの代償なら軽いもんだよ、しかもお腹がいっぱいになる事少ないから食べ比べとか出来るしね!」


「気楽ねぇ〜、でもいつか【飢餓の厄災】って呼ばれてるその【本】に自分が喰われるかもしれないのよ?」


「【飢餓の厄災】ねぇ〜、ソッチの方ではそんな呼ばれ方してんだ、【スペード】の方だったら【飢餓の権化】って呼ばれてるらしいw」


そう言いながら笑う


「【飢餓の】は変わんないのかぁ〜」


「でも実際【飢餓の】でしょう?」


「まあ半分当たって半分惜しいってとこかなぁ〜」


「なんの【本】か教えてよ」


「前も聞かれたけどさ、コレは教えられないなぁ〜」


「ケチはどっちよ」


「ボクは正義のケチだから」


「意味が分からない」



一通り談笑した後、一旦【READリード】に戻るべく会計をし、店から出た。


「というよりあなた達、そもそもが都市伝説化してるのよね」


「まあ実際ボクらの事知ってるのって鬼ノ城ちゃんとか【トランプ】の上層部しか知らないからねぇ〜」


「だから私の部活が本当に存在するのかって聞いてきた事があったのよね〜」


「なんて答えたの?」


「【亡霊】なんか追っても何も出ないよって」


「あはは!確かにボクらは【亡霊ファントム】だからね!」


談笑していると────


「あ、あの!」


後ろから追いかけて来たのか、息を切らした女の人が荒い呼吸を繰り返していた。


「お聞きしたい事があります!」


─────────────────────

【ニネの会社ぁ】(※正式にはニネのでは無いが)


会社のエントランスに着き、エレベーターを目指す。


「昨日来たけどさ、デカイね」


「黎斗は昨日逃げる様に出ていったからな」


「逃げる様にというか実際逃げてたけどな」


「だって目覚めたら知らん部屋に知らん人達が俺のバッグ漁ってるとかもう拉致でしょ」


「身分がわかる物探してただけだよ」


「それだけで犯罪成り立つよ!」


「そうかぁ?」


エレベーターを待っていると、チンッと目の前のエレベーターの扉が開く、そこには──


見た事ある美男が居た。


「あ、お久しぶりです、渋川さん」


「あっ、ども」


うん、会った事も話した事もある、だが、名前が分からない!


【トランプ】の会議室で確かに話している、が、肝心な名前を聞き忘れているぅ!


すると、美男さん(暫定)が察したのか。


「この前はまだ名乗っていませんでしたね、申し訳ございません、わたくしの名前は灰空はいそら うすくです」


「あ、改めてどうも……、今日はなぜこちらへ?」


「ニネ穣のお父上に【READリード】の今後の予定を伝えに参り、今しがた終わったところでございます」


めっちゃ丁寧な人だな


「そちらの方々がチームなのですね?」


うすくさんが鱗樹と黎斗の方へ向き直る。


「あ、はい、コイツらがこれから手伝ってくれるヤツらですね」


当の二人は完全にうすくさんのオーラに負けて、喋れない様だ。


「では、失礼します」


その場で綺麗なお辞儀をし、スタスタと出口へ向かって行った。


やべー完璧超人かよ………


とりあえず2人を引きずって行かなきゃな、コレ


まるで金魚が餌を待つように口をパクパクしている2人だった。


───────────────〜

【ニネ宅】


───に帰ってきたがニネの姿が見えない。


どこ行ったんだアイツ。

すると───


『ぬぉぉぉぉぉおうんぅ?』


ニネ部屋からとてつもない声が響いた。


まるで野生動物の雄叫びか──いや、最期を悟った狼か───はたまた負け犬の遠吠えか。


ニネの部屋を開け、覗くと、そこにはベッドにうずくまり、プルプルと震えているニネの姿があった。


前回チラッとしか見えなかったが、ニネの部屋には、勉強机とは別に、デカイモニターの机もある、モニターの数は3台だ。


そのうち1台はVTuberがライブをやっているのか配信が動いていて、なんか高いスパチャが飛び交っている。


2台目はゲーム画面か、ガチャ結果か、10連のうち爆死したのか虹色は無い。


そして3台目は何かのホームページ?いや、結果?そこにはデカデカと赤い枠と黒い文字で【『落選』】と表示されていた。


……………………………。


どれ?


というか3台フル稼働って………。


「また…………落ちた……………倍率………………高い……」


カタカタと震えながら言葉を紡ぐ。


どうやら何かの抽選が落ちたらしい、

なので【『落選』】の方が本元だろう。


すると、俺らに気づいたのか────


「あ……おかえりなさい………………」


弱々しかった。



リビングに行き、皆でニネの買ったアイスを食いながら何があったか聞く。


「あの、ね?私も趣味とかある訳ですよ、でね?つい3ヶ月前くらいから始まったライブの抽選に申し込んで今日がその結果だったんですよ……」


「それで落選、と」


「うぅぅぅぅ……」


こればっかりはしょうがないとしか言えない、そんな世の中にはそれこそガチ勢と呼ばれる方々がおらっしゃられるのだから。


「それで、なんのライブに落選したの?」


黎斗が聞く。


「【フェアスト】」


ブッと吹き出す。


マジかよ…………、よりによって………


「【フェアスト】って……、【FAIRYフェアリーSTORYsストーリーズ】の事?」


「ソウデスネ」


「まああそこはガチ勢が多いって言うし……」


「今回は見送ろうや」


黎斗と鱗樹がフォローする。


「くっ、財力を持ってしてもダメでしたか……」


ニネよ、財力と運が大切だぞ?


「そういえばそのライブっていつやるんだ?」


俺が聞くと、ニネがスマホを開き、確認する。


まあ、いつやるかは知ってるんだが……


「えっと、来月の末ですね」


じゃあやっぱりあのライブか(・・・・・・)


「でも、まあお二人の言うようにまた次のライブを狙ってみますよ………」


この悲しみよう、さては───


「お前の推しってもしかして霜月ヒヨナ?」


すると、ニネが驚く


「っ!なんで分かったんですか?」


「いや、だって、次のライブって霜月ヒヨナの誕生日バースデーライブだろ?」


「なんで知ってるんですか!?もしや春兄も【フェアスト】の───」


「ちげーよ、たまたま知ってたんだよ」


そう、たまたま知っていた。


だけだ。


さて、この先俺がとる行動は2パターンだ。


まあ、ニネには助けられてる(本当にそうか?)ハズだから、まあ、ね。


─────────────────

READリード


いやー思わぬ収穫があったなぁ〜、

コレで春八くんの秘密が色々と分かる────ハズ!


鬼ノ城は不敵な笑みを浮かべ、スマホを握るのだった────。


──────────────────

【ニネ宅】


「まあ、今日は俺は帰ろうかな〜」


「え?黎斗泊まっていかないの?」


「いや、親にも連絡してないし、」


「それ言うと昨日から今日にかけてどうなんだよ」


「うっ」


「連絡入れて泊まっていけよ」


黎斗は迷いに迷い、


「分かった、今日は泊まっていくよ」


まだ昼だがな


「じゃあなんか昼ごはんと夜ご飯の材料でも買いに行く?」


「そうだな────」


どうしよう、俺と鱗樹は今【アクセス】出来ない、その状態でニネを出していいものか──?


いや、黎斗が居る、でも黎斗1人に買い物任せるのもなぁ。


「おい、鱗樹、一回【アクセス】してみろ」


「なんで?」


「いや、外に出るなら、な」


「ああ、そういう事か」


察したのか鱗樹が地面に手を着く。


「アクセス!」【アクセス:【エラー】】


「まだ【エラー】か、」


そう、俺達は地球という情報庫に【アクセス】して力を得ている。


だが、その受け止めるからだが疲労などで使えなくなると【アクセス】してもからだが持たないので【アクセス】を拒否する為に【エラー】が起きると鬼ノ城さん。


「これじゃあニネが襲われた時に戦えないな。」


「いや、まだ黎斗がいるんだが、まだ黎斗は戦闘に慣れてないからなぁ」


「しかも昨日みたいに巨大化したら元も子も無いからな」


でも今日黎斗も泊まるなら食材は必要……!

さあ、どうする────!















ちなみにニネちゃんの部屋にあったモニターの中のデーム、この会社が造ってるゲームで、ニネちゃんは今春出た新しいガチャと新しく出たキャラとの桜衣装(※桜柄の着物衣装)を求めて現在130連で爆死している。


こういう時ってあるよね…………。(経験済み)

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