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ニネ、初めての【ホワイトBOX】

この中に『離:アクセス』読んだ人どれくらいいるんでしょうかね

気になります。

「えーっと?あの騒ぎで学校がしばらく休校……と?」


「そうなんですよねぇー」


駐車場に戻り、鱗樹と帰ろうとした時にコチラに走って向かってくる小さな人影を見たので目を凝らして見るとニネだった。


「まあ崩壊してるとこもあるし、生徒全員を帰して正解だな」


「だな、でも俺らに休みなんてねぇよ」


「え!無いの!?」


「おい、鱗樹、お前が驚いちゃダメだろ」


えーっと、とりあえずここの事は【READリード】に全部押し付けてぇー、とりま家に帰る!


あ、


そうじゃん………薬?みたいなカプセル、【READリード】に預けなきゃじゃん………。


「んでニネ、いつまで学校は休校なんだ?」


「えーっとですね………」


そう言い、スマホを開き、少し弄っていると……


「1週間らしいらしいです、少なぁ……」


コイツ学校に文句しかねぇよ………


「じゃあとりま家直行じゃなくて1回【READリード】寄るね」


「はーい、なぜ?」


「ちょっと急用が出来てな」


────────────────

READリード


「やあやあ!よく来たね!」


「なんかご機嫌ッスね鬼ノ城さん」


「やっと仕事が終わったし、ちょうど君達に見せたいものがあったんだ!」


そういえば8連勤だっけ?

鬼ノ城さんの目の下のクマが凄いし………


チラリと鬼ノ城さんのデスクを見る


エナドリ多!

もうゴミ箱とか溢れてるじゃん………


「じゃあ行こうか!」



して連れてこられたは以前鱗樹が入った剥離場。


「監視室から見るとこんな感じなんだ〜」


「というよりあのオッサンが【アクセッサー】?」


剥離場の拘束器具には少し禿げたオッサンが暴れている。


「そそ、本は【プロペラ】………だったっけ?」


「はい、【プロペラ】ですね」


ふーちゃんさんがパッドを持ち答える


「なんか弱そうだな」


「ええ、まだ力が不安定なのと、体がまだ慣れていないとの事で特集部隊が捕らえました」


「まあ【進化】とかしたら強くなりそうだよねーこういう本って」


「【進化】?」


「【進化】はね───あっ!始まるよ!」


視線を剥離場に向けると、【ホワイトBOX】が顕現していた。


「あ、【ホワイトBOX】」


「アレが【ホワイトBOX】って言うのなんですね」


「そっか、ニネって見た事無かったか」


「そなんですよねー」


「そういえば前に【ホワイトBOX】に吸収されないで回収出来る方法があるって言ってましたよね?」


「そうなんだよー、我なが褒めて欲しいよね、あ、胃が痛い、でもあの人達・・が協力してくれて良かったよ〜」


「あの人達・・?」


「まあ見てて」


すると、剥離場に黒いフードとマントを被り、顔などを完全に隠している人が入ってきた。


「何アレ………」


「なんかのコスプレ?」


「違うよー、ただ、あの人は存在自体が極秘だからね」


「え?」


「あの人の腕見てみ?」


黒い人の腕───関節から下が────


重厚な機械の籠手?の様なモノを付けていた

動く度に少し音が鳴る


『ぅがァァァァ!』


部屋全体にプラズマが走り、オッサンの胸から蒼色の長方形の塊───【本】が顕現した。


そのまま本が体を抜け、もの凄い速さで【ホワイトBOX】に迫る。


「このままだったら【ホワイトBOX】に吸収されちゃうんだけどね」


【ホワイトBOX】に届く瞬間────


ガッっと黒い機械の腕が本を掴む


「アレ────【ヴェスター】があれば本を直に触ってもそんなに影響は出ないんだよ」


そうなのか───というか本って直に触るとダメなのか、っていうかそんな事よりも──────


「フィジカルゥゥゥゥゥ!」


めっさフィジカルゥゥ!


「うわぁ!ビックリしたぁ!」


え?【ホワイトBOX】に吸収させない方法ってそれぇ!?


すると剥離場にふーちゃんさんが何やらアタッシュケースの様な黒い物を持って入って行った


「なんですか?アレ」


「アレ?【ブックカバー】」


「ネーミングセンス………」


「アレに本を入れて保管するんだ」


黒い人がふーちゃんさんの持っている【ブックカバー】に本を入れる。


というかあの黒い人、性別分からんなー


「まあこんな風に君の本も回収する手はずだったんだけどねぇ〜」


「【ナーガ】な、というか俺の【迦楼羅カルラ】は回収しないんですか?」


「回収しちゃったら誰がニネ穣守るのさ」


「え……///そんなニネ穣だなんて……///」


「照れんな」


というか────


「ん?なんですか?」


「いや、なんでもない」


今ニネのの色───気のせいか



「とまあ、こんな感じなんだ〜ってのを見て欲しかったんだよね〜」


部屋を出て、廊下の端のワンスペースの休憩所を目指す。


「あの黒い人って強いんですか?」


「HAHAHA、あの人はね………強いよ、権力もフィジカルな力も」


「権力も?」


「権力も、まあ、あの人達の言葉は【トランプ】よりも優先せよって事だし」


「【トランプ】よりもって………、アレか?【READリード】創立させた4人位の権力?」


「まあそんなとこだね〜」


「よくそんな人が協力してくれましたね……」


「そうなんだよね〜、でも立場上一応【トランプ】の下なんだよね」


「???、じゃあなんで──」


「まあいらない詮索はするなって事よ」


チャリンと自販機に硬貨を入れて飲み物を1人づつ買っていく。

鬼ノ城さん、もうエナドリに指が動いちゃってるよ………


すると、後ろのエレベーターから拘束されて、目隠しをされている女性が警護と降りてきた。


その時に女性が足がふらついたのかニネに少しぶつかる。


「あっ、すいません!」


警護の男性がニネに謝る。


「あ、いえ、大丈夫───デス」


そのまま女性を連行して行った。


「彼女も【アクセッサー】だよ」


「本はどんな───」


遠ざかって行く背中を見ながら鬼ノ城さんに聞くが───


「あー、【扇風機】………ですって……」


「【プロペラ】と言い、【扇風機】って、回るもの多いな───ん?」


ん?


「なんでニネ、そんな事知ってんだ────」


ん?



「あーーー、いや、なんでですかね………ははは」


ニネを見るとその手には─────


「【本】?」


剥離場で遠目に見た事はあるが、いざ現物が目の前にあると、それはまさしく【本】だった、

形は長方形で、蒼色、そして【本】たらしめる表紙、題名が書かれていた。


いや、なんでニネが───


「それって───」


ほら鬼ノ城さんも驚いてる


「あはは、今の人にぶつかった時に手に暖かい感じが広がって────」


ニネは自分の感覚を確かめるように手を閉じたり開いたりする


「そしたら手にコレが」


ニネの中の【ホワイトBOX】が反応した?いや、なんでこんな時に─────


あ、


鬼ノ城さんを見ると同じように何かに思考が届いたかのように驚いた表情をしている。


「鬼ノ城さん、もしかして?」


「春八くん、そのもしかしてだと思うよ?」


「すまん、春八、鬼ノ城さん、話見えん」


でも説明するには─────


ニネに【ホワイトBOX】の事話さなくちゃな


ガシガシと頭を搔き、鬼ノ城さんがニネに向き直る。


「あー、実はニネ穣、貴女には────先程見た【ホワイトBOX】が何らかの要因で貴女の身体にあるんですよ…………」


「えっ…………くすしゅん!」

「えっ!?」


なぜ今くしゃみ

しかも繋げてみたらXエックス───………なぜ?

それでお前も驚くんかい!


「あー、だからニネ、お前の護衛してるんだよ」


「ちょ、春八くん、要約しすぎ」


「え、なんで【ホワイトBOX】が……え?つまり?え?」


「ほらこんがらがってる」


「まあかくかくしかじかなんだが───」




〜〜かくかくしかじか〜〜




「だから、お前の護衛兼秘書?してるってワケ、おわかり?」


「はぁ…………はぁ?」


ダメだ、今コイツに何言ってもハテナがコイツの頭上に見える。


「とりあえずその手に持ってる【本】、回収するつもりだったヤツだよな?」


「あ、そうだ!あの子たちに言ってこなきゃ!」


そう言い、鬼ノ城さんが研究室に戻って行く


「えーっと?つまり?私の身体には【ホワイトBOX】があって?ソレは悪い人たちが狙ってるから春兄と鱗樹が守ってくれてるって事?」


「Exactly!そう!ニネにしてはよく分かったな!飲み込みが早くて助かる!」


「私の事バカにしてますぅ!?」


「つまり、俺も護衛の1人っと」


「おう、あれ?お前に話してなかったっけ?」


「話したような話してくれなかったような………」


するとバタバタと鬼ノ城さんが戻って来た。


「あの子たち、困惑してたけど、その顔可愛かったな〜、あ、【ブックカバー】持ってきたよ」


「そんな報告いらないっす、ちゃんと持ってきたんだ……」


「えーいいじゃぁん、あ、そういえば、前から聞こうと思ってたんだけどさ」


「なんですか?」


カシュッと鬼ノ城さんがエナドリの缶の蓋を開ける。


「君達ってよく【アクセス】して自我・・保ってられるね」


「「え?」」


「いや、普通【アクセス】なんてしたら情緒不安定になったり、暴走したり、だから犯罪とかが多いいんだけどね?でも普通の【本】ですら自我無くなるのに果や【神話クラス】の【本】を【アクセス】して、自我無くさないなんて………」


あ、だから蝿男とかムカデとか無茶苦茶だったのか、というか、え?自我無くなるの?


隣を見ると鱗樹はポカーンとしていた


というか俺にはそんな感覚は無かった、鱗樹でさえ最初の時は「殺す」くらいしか言わなかった………、今思えばアレも自我を失った状態なのか。

だが、俺はどうだ?初めて【アクセス】した時から自我はあった、どうしてだ?


「そこで私は考えた、もしかしたら、【ホワイトBOX】のお陰で暴走しなかったんじゃないかって」


あ、


「そうか!俺が【アクセス】した時にはニネが近くにいた────、でもなんで【ホワイトBOX】が?」


「んー、まだ【ホワイトBOX】の全貌は分からないんだけどね、でも確実的に【ホワイトBOX】の恩恵おんけいのお陰だと思うよ」


「じゃあ俺の場合はなんで自我保てたんですかね?」


「鱗樹くんの場合は─────、【本】とシンクロしたから………かな?」


「シンクロ?」


「多分その本って元々君の彼女さんに入ってた本でしょ」


「え!そうなんですか!?…………あ、天使もそんな事言ってたような………」


「だから天使を前にした時にお互いがかたきって認識して使いこなせたんだと思うよ、まあ、それ以降も使えてるって事は認めて貰えたんだね」


「はぁー」


鱗樹はしみじみと自分の胸を見る


「まあだから剥離も出来なかったんだろうね」


「ああ、適正値が高かったんだっけ」


「うん、異常に高かったからね」


あ、話し込んでるうちに忘れる所だった


「ニネ、それ保管するらしいから貸してくれ」


「あ、うん」


ニネから本を受け取り────


「うぉ!熱っ!」


持った手から


ドサッと本を落とす


「え!熱い?」


「ニネよくこんな熱い物持てるな………」


実体が曖昧な為か、本が落ちても床は焦げたりしていない。


「え?私持ってたけど暑くなんて無かったよ?」


「え?」


というよりこの話の根本的な事が忘れてる様な──

まあそんな事はどうでもいい!


「アクセス!」【アクセス:迦楼羅カルラ】!!!!


「え!?」


「ふんぬぅ!」


そのまま本を持ち上げる


「うわ!この人無理やり持ってるよ!」


でも、熱ぅぅぅぅ!


「ほらね?言ったでしょ?情報───概念の塊だって」


「そんな事より鬼ノ城さん!早く【ブックカバー】!」


「あ!そうだった!」


鬼ノ城さんから【ブックカバー】を受け取り、中に本をしまう。


「コレで良しっと」


「でもなんでだろうなー」


「何が?」


「いや、俺ら忘れてたけどさ、なんでニネの【ホワイトBOX】はこの【本】を吸収しなかったんだろうなって」


「あ、そういえば」


「【ホワイトBOX】が拒否ったんじゃね?知らんけど」


「鱗樹………雑だな、よくそんな性格で彼女出来たな〜」


「うるせぇ!」


まあ、んか事はいいんだが………

実際問題どうしてニネの【ホワイトBOX】は吸収しなかったんだろ。

アレか?そこまで強くない本だからか?

でも─────あーー、分からん!

考えても分からんから違う話題に強制的に逸らす!


「鬼ノ城さんや、さっきの黒い人の腕にしてた機械って何ぞや?」


「何その喋り方………、あの籠手こてはね、この【READリード】を創った4人の内の一人、天才科学者のヴェスター博士が創った機械ダヨ」


「あ、だから【ヴェスター】か、単純だな!」


「その【ヴェスター】ってどんな性能を持ってるんですか?」


「えっとねぇ、私も詳しくは知らないんだけど、身体強化、五感の強化に、脳が鮮明になったり……」


「え、ナニソレ、怖ァ、麻薬か何か?」


「違う!これらの能力は表面的な能力の1つなんだからね!」


「じゃあ本元の能力は?」


「それは機密事項デス」


「んだよ、ここまで来たら教えてくれてもいいじゃんかよ!」


「これは規則なんですぅー!」


「チッ、口が軽いのか固いのか……」


「まあ言うと………、【アクセス】に関しちゃ君達よりも強いよ?って事位しか話せないかな」


「ケチ」


「ケチじゃないやい!」


「あ、そういえば、ここに来た目的忘れる所だった!」


「あ、そういえばそんな事言ってたような」


「はい、コレ、鬼ノ城さん」


ポケットに入れていた紫色の薬のカプセルを鬼ノ城さんに手渡す。


「ナニコレ」


「コレ、怪しい人が落としてったんですけど、この薬、アレですよ」


「アレ?」


「あのムカデが巨大化した理由です」


「巨大化した理由?」


「はい、この薬をムカデが飲んだら巨大化したんですよね」


「マジか…………、まあこっちで調べてみるよ」


「よろしくお願いします」


「うん、じゃあ早速取り掛かるからここらでバイバイだね」


「鬼ノ城さん、身体壊さないようにね………」


「ありがとう、ニネ穣、じゃあもうひと頑張りしてきますかぁ〜、お姉さん、本気だすよ〜」


そのまま腕まくりしながら実験室に戻って行った。


「じゃあ俺らも帰るか」


「だな」


「なんか鬼ノ城さん張り切ってるね………」


そのまま俺らは家に帰るのだった─────


鬼ノ城さん、本当に大丈夫かな?























『離:アクセス』は作者のマイページから読めると思いますよ〜。


まあちょいこの先のネタバレ含むんで、そこんところ自己責任でお願いします。


そしてぇ〜、久しぶりのこのコーナー!

【ミニ情報】

鱗樹が東京湾で出した大きな水の蛇は、鱗樹自身のボルテージが【ナーガ】を上回った結果、【ナーガ】の力を一時的に底上げし、本来の【ナーガ】に近い力を発現させた結果。

まあ、この先あれ以上の感情が湧かないと出せませんけどね〜

後、本人は無自覚ですが、【ナーガ】は自分が使役しえきさせられた事に少々怒っています



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