庶民には広すぎるお家
今回の話は春八とニネちゃんがただイチャイチャ(お互いの正義を貫いてバトル)してるだけの話になります、続投!!
深見さんを追いかけてエレベーターに乗る。
そいえば
「そう言えばここの会社って何の会社なんです?」
「んー?お前聞いてねぇのか」
深見さんがガリガリと頭を搔く
「ココはな、まあ大雑把に言うとスマホゲームの会社だ」
え、そうなん?
「なんてゲームリリースしてるんですか?」
「社長かニネに聞け」
その時、ちょうど目的の階に着いたようだ。
「あ、」
ここあれか、俺がハエ男と戦ったフロアか、って事は──
角の右の通路を見るとやっぱり非常用階段の扉が見える、なんか………なんか感慨深いな
んで何も無かった所には立派な社長室があった。
ここにいきなり車投げられたのか………ヤベーな
コンコンコンと深見さんがノックをすると中から
『どうぞ』
と声が聞こえる
「っちーす」
「そんなラーメン屋入るみたいな!?」
扉を開けると深見さんは行きつけの店に入るみたいな雰囲気で入る。
うーん、いいのかぁ?
「いらっしゃい春八君、ここが私の部屋だ」
うん、分かってたよ、社長だから凄いんだろうなーって思ってたけど、うん、本当に社長なんだなって、ザ・社長な感じの机に向かってる姿、めっちゃ様になってるな、様というかまさになんだけどね?なんかね?分かる?
頭の中が中々に文字で埋めつくされる時、社長さんが
「そう言えばニネの所には行ったかい?」
「いえ、まだです、まずは社長さんに挨拶してからと思いまして」
「私なんかに時間は使わんでいい、とりあえず待ってると思うから行ってきてもらえるかな?」
「あ、はい、分かりました、失礼します」
そのまま社長室を出る
えーっとニネちゃんの部屋は…………
上のフロア?
って事で来ました上の階、短距離エレベーター使うのなんか申し訳ないから非常用階段で登りました。
俺庶民やぞ、何上のフロア全部部屋て、怖いわ!!でも造りは下の社長室のフロアと似てるような………でも廊下は少し短い感じがするな、
角を曲がると、うん、扉の上に金のプレートで『社長令嬢の部屋』て、
あの子…………
とりあえずノックしてみる
すると中から『はーい』と言う声が────
数秒後、ガチャっと扉の鍵が外れた音が鳴る、
そしてもうパジャマ姿のニネちゃんが顔を覗かせる
「あ、春兄やっと着いたんだ」
「うーん、春兄って呼び方慣れないな」
嬉しいがな!嬉しいんだがなんかな!嬉しいけど───なんかな!
なんだこの葛藤、しょーもな
「お邪魔しマース」
「どうぞどうぞ」
なんかホテルの時と逆だな
部屋に入った感想は──────
高級マンション(入った事無いけど)の部屋だ
なんか、うん、何あのデカイテレビ、とその前にあるソファ、デカくね?
「あ、後春兄、ココ、住んでもらっていいから」
????????
「部屋は空き部屋が数室あるし、何より身近にいないと秘書でも護衛でもなんか知らないど居た方がいいでしょ?」
何を言ってるんだこの子は…………
「ちゃんとお父さんには許可貰ってるし!住むっきゃないでしょ!」
ビシィ!と親指を立てるニネちゃん
社長さん……………何許可しちゃってんすか…………
「とにかく、今日は帰らせてもらうよ………家に連絡も入れてないし………」
そう言えばあの時から家に何も言ってないな────
「あ、その事だったらお父さんが連絡は入れて、あっちからも許可もらったって言ってたよ」
か……母さん………?
というかどこから俺の個人情報を!
「って事でこの部屋を使ってね!」
そう言われ1つの空き部屋に案内された、中々に、というか部屋1つでデカイんだが。
「あ、お風呂は部屋出て廊下まっすぐ行った所でねー、トイレはその隣!」
うん、広いわ
庶民には心が落ち着かない………
というか社長さん!何故ほぼ何も知らない俺を娘さんの所で住まわせようとするんですか!
「って事で私はもう寝ますおやすみなさい」
何故か急いでいるような感じでスッと自分の部屋に籠る、そして急いで鍵をかける、内側から
そして何故こんなにも急いでいるんだろぉーと考えておよそ2秒、
俺もスタスタとニネちゃんの部屋の前に立ち───
「出てこいニネェェェ!宿題だろ!その様子は!」
『嫌だぁぁぁぁ!認めたくない!認めたくないぞ私はぁぁぁ!』
「燃えてないんならやれ!成績に関わるぞ!高校行けなくなるぞ!」
『本当に燃えて欲しかったですよ!成績なんてほとんどテストに反映されてるでしょ!しかも私は中高一貫の学校なんですぅー別に上に行けますぅー!』
「くっ!お嬢様が!」
『なので私はこの忌々しい宿・題!を無かったことにするんですよ!』
「何故今宿題を真ん中で切ったんだコイツ……」
『ソコに突っ込まなくていいでしょ!』
「ええい!とにかく出て来やがれ!」
『それが私の秘書ですか!そんな態度でいいと思ってるんですか!』
「うるせぇ!秘書だからこそだろ!」
『くっ!ま、まあ?私が部屋の鍵を開けなきゃ入ってこれな────』
──────────
【ニネの部屋の内】
ま……待て、確か玄関の靴棚の上にある棚の中に予備の鍵があったはず…………!
でも春兄がその事に気がつくことは無い!
そう考えていると───
『ふーん、出てこないんだ』
「あ、当たり前でしょ!」
すると扉の前が静かになる
うん?
『アクセス!』【アクセス:迦楼羅】!!!!
!?!?!?!?
『さあ、コレで力ずくでも扉は開けられるぞ』
「くっ!」
その手があったか!
ヤバい、このままでは部屋の扉を無理やり開けられる!
というか────────
「ズルくないですか!?というかその力、こんなしょーもない事に使う必要あります?!」
『ふっ、俺はただ単にニネちゃんに宿題をやって欲しいと思い、君を護る力で君を将来から護ろうとしてるんだよ!』
「うっ!」
心のダメージが辛い……………
『さあ早くこの扉を開けるのだ!』
「い、嫌だぁー!」
明後日、そう、学校が始まるのは明後日だ、しかしこの家に春兄を住まわすという事は最終日の明日まで逃げ切れるか分からないという事だ、
どうしよう、宿題やりたくないよぉぉぉぉ!
あ、そうだ
───────────────
【ニネの部屋の外】
くっ!ニネ…………中々しぶといな…………アイツ…と同じくらいやっかいだな!
所でニネちゃんの部屋の中が急に静かになったな………
どうして────
その時、火災報知器が鳴る
うん、凄く理解した
バキィ!とドアノブを握り、無理やり回して部屋に入る、
そこで中腰になりながら後ろを向き、何かやっているニネ、
そしてその音で後ろを振り返るニネ、
その顔は─────
勝利の笑顔だった──────
「全く………何をやっているんだニネ……」
「はい、スミマセンデシタ」
現在社長室、あの後ニネちゃんを強制連行、多少バタついたが迦楼羅になった俺からすれば軽かった。
んで、社長直々のお叱りを受けている最中だ
「まさか本当に燃やすなんて………」
「これが私の覚悟ですよ春兄」
ニヤリと笑いこちらを見る、というか今の状況でこっち見んな、
どんな覚悟や、いらん覚悟はやらせないようにしよう……
「まあ、燃えてしまった物はしょうがない………この事はちゃんと先生方にに伝えておくよ」
「ちゃんとそうしてやってくだいね社長」
「ええーー!」
何ショック受けてんだコイツ…………
そして社長室を出てニネの部屋に戻る、
「もう今日は疲れました、もう寝ます」
「おお、おやすみ」
ニネはフラフラと自分の部屋に戻って行ったのだった────
いや、今回は100アイツが悪いだろ!
宿題……………燃やせる覚悟があるニネちゃん強いですね…………