その壱 出会いの春
実質処女作。仕事中になんか思い浮かんだので書いてます。
パッシブスキル『おふざけ』が発動して変な文が出てきますが笑ってください
春
僕の名前は『藍葉 ねず』無事高校受験に合格し、春からここ、私立音無学園に通う高校一年生だ。
ねずという名前は盆栽が好きな父が名付けてくれた。どうやら杜松という針葉樹から来ているらしい。
この学園は、街中から少し距離の離れた青い木々が生い茂る山に位置し、学園の窓からは山をおりた先の街並み、その先にある真っ青な海までもが一望できる。親の反対を押し切り、一人暮らしを始めたのもこの景色に一目惚れしたからだ。
入学式は午後から行われた。ちょっとした野球場程の広さがありそうな講堂に、新入生約300人、在校生約600人、教職員2.30人が集まり、学園長や理事長のただただ長い話を聞かされ、暖かい春の陽気に包まれ首をカクカクさせている生徒もしばしば居た。
入学式が終わった後はそのまま部活動紹介に移っていく。
この学園はそこそこ部活動が活発な学園らしく、気合いの入った部活動紹介が次々と行われるが、あいにく僕は部活動に興味が無いため聞き流した。
部活動紹介も終わり、それぞれの教室で入学後の説明や自己紹介が行われ、何事もなく放課後になった。
終業のチャイムの後、足早に部活動見学に向かう生徒や早速グループのようなものを形成しているものまでも居た。知り合いも居らず、部活にも興味のない僕は下駄箱に向かう。
1年生の教室は2.3年生とは別の棟の2階にあり、正門までの距離がそれなりにあるのが面倒である。
ちょうど階段に差し掛かった時、気持ちの良いビートが僕の耳に入る。
音楽経験のない僕にも分かるほど正確なリズムが、僕の歩みを止める。
帰宅し、荷解きをしようと思っていた僕だが、この音の正体を知りたい衝動から、僕の足は階段を降りる方向ではなく登る方向へと伸びて行った。
腕時計を一瞥し予定より早く終わり、時間に余裕があることを知った僕はそのまま歩みを進めた。
階段を2つ上り4階。音の正体がすぐそこの所までやってきた。美術室、情報処理室、第1第2第3音楽室と書かれたプレートが伸びている。
絵を描いている学生やパソコンで何かをしている学生、それを見学している生徒もちらほら居る。どうやらこの辺りは部活動で使われる場所らしい。
そして突き当たり、プレートには第3音楽室の文字。先程から鳴り響いている音がドアの先から聞こえる。
入っていいのかという不安が出る前に僕の手はドアノブに伸びて行った。
防音室特有の少し重たいドアを開けた。
空いた窓から入る風になびく真っ白のカーテン。
餅のように白い肌、海の底のように青い瞳。窓の外から覗く青空が透けるほどに綺麗で長い銀の髪をした美少女。
彼女の前に置かれた1台のドラムセット。
ここで一言。
「Wow,Spring is coming」




