シトラの献身の秘密
ミリー「シトラ、私の影武者している時は相当忙しかったはずなのに、どうしてこんなに肌つやがいいの???」
こんな疑問から始まるホラー?コメディ。
それはある夏の暑い日のことであった。
「ねえ、シトラ。私の身代わりは大変だったと思うのだけど、どうしてここまで献身してくれるの?」
ミリーは、シトラの献身には感謝していたし、契約後まで付いてきてくれた時には驚いたものだった。
だからこそ、確かに幼少期に命を救ったといえども、あの大戦で命がけで演じてくれた事で十分以上だと伝えていた。
それでもなお、シトラはミリーの傍で仕えたいと言ってくれたのだった。
いつもは途中で話題をそらしたりお茶を濁したりしていたシトラだったが、ミリーの真剣な表情をみて諦めたように話し始めたのであった。
「私は幼少期の頃、お嬢様に命を救って頂きました」
「ええ、そうね。でも、その後の働きぶりやあの大戦での活躍でそれ以上に努めてくれたわ」
ここまではいつもの遣り取り。
ここからはいつもと違う遣り取り。
「・・・恥ずかしく思いましたので今まで黙っておりましたが、お話しさせて頂きます」
そう言ってシトラはまっすぐにミリーの目を見つめた。
シトラの態度を受け取ったミリーも姿勢を正し、その視線を受け止めた。
「私がお嬢様のこと大好きなのは、ご存じですよね」
「ええ、それはもうとても・・・」
そう返事したミリーの声は、少し浮かないものだった。
それは、ミリーがアレクサンドリアで会った頃、その頃のシトラの様子を少し思い出したからであった。
「シトラは何かにつけて、私のお世話をしたがったものだったからね。あそこまで好意を向けられたら流石に、ね」
シトラはアレクサンドリアの影武者として、時には侍女として傍に仕えていた。
特に洗濯や部屋の掃除となれば、率先して行っていたものである。
「はい、そしてお嬢様の影武者として、アレクサンドリアとして振る舞っていた日々ですが、あれは私にとっては幸せな日々だったのです。だからこそ、その日々のお礼を今、致しているのです」
「いやいやいや、あれはそんな物じゃ無かったでしょ!?」
シトラの発言にミリーは驚いた。
正直な所、当時は影で動いていただけのミリーも相当に忙しかったのだ。
アレクサンドリアの影武者となれば、それ以上に忙しかったはずなのだ。
なにせ日中は授業を受け、朝夕に時間のある限りアレクサンドリアの仕事をこなし、夜には各方面との調整や社交が行われていた。
授業の無い土日は、土曜早朝から地方に出かけて各地を巡礼して名を売りつつ慣れない治療を行い、戻ってくるのは日曜の深夜だったのだ。
王太子妃候補として小さい頃から教育を受けていたミリーでも忙しさで倒れかねない日程。
それをシトラは『幸せな日々』と言ったのだ!
「期間限定とはいえ、朝どころか未明から深夜まで休みなしだったのよ!?」
「ええ、だからこそより幸せを感じることが出来たのです」
そう言いながら手を頬に当ててはにかむシトラ。
ミリーは驚きすぎて、口を開けたまま固まってしまっていた。
「だって、お嬢様が着ておられた洋服を、装飾品を、ずっと身につけることが出来たのですから・・・」
そう言って頬を赤く染めて照れ始めるシトラ。
最初は言葉の意味が分からずぼーっとしていたミリーだったが、その意味が分かり出すと、少しずつ顔を赤らめていった。
「・・・え、・・・え? そ、それって・・・」
「どういうこと?」とミリーはこの言葉を続ける勇気が無かった。
だから言わなかったというのに、シトラは平然と続きを言い始めた。
「大好きなお嬢様のネックレスを付けて、ドレスを着て、下着を履いて、そしてお嬢様が寝ておられたベッドでぐっすりと眠る。それから「あああああああああああああ」」
どんどんと熱が籠もっていくシトラの語りを必死の大声で遮ろうとするミリー!
突然の大声に我に返ったシトラは、改めて頬を赤く染め照れ照れとしているだけ。
ミリーは「これは聞きたくなかったわ・・・」とやや青ざめた顔でぐったりとしているだけ。
そんな二人を、ミリーの大声で急いで戻ってきたハリスが発見し、
「いったい、何をやらかしたんだお前達・・・」
呆れられてしまった。
もちろん、この話は二人だけの秘密だ。
何があっても墓場まで持って行ってやる!
そう決意したミリーだった。
シトラ「あの時(大戦)もお嬢様の下着をお守りに仕込んでおりました!」
ミリー「シトラの命が助かってなかったら、アレクサンドリアは自分の下着をお守りに入れていた変態にされていたの!?!? 聖女から一気に恥さらし性女だ!!!」
みりーのたいおんが5どさがった!




