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国際救助隊を作ってみよう

前回とある意味セットネタです


 「ワンダーバード、ゴー!」

 本体に不釣合いな小さな羽で、巨大な噴射の力で飛び立つ飛行機。

 やっぱ、ロマンだよな、こういうの!

 趣味の塊に俺は久々にウキウキしていた。




 海難救助の仕組をマロと作ったら東部伯こと大魔王が襲来し「海以外も色々とあるんじゃがのう(チラッ)」とのたまい、北部伯こと熊親父まで「ウチも山で色々あるからなぁ(チラッ)」とかウザいったらありゃしない。


 まあ、それが出来る奴が居て、声かければやってもらえる可能性があるなら、しかも人の命に関わることなら駄目元でってのは分かる。

 上に立つ人間としては間違っちゃいねえわな。


 こういうめんどいことになるから引き篭もってるのになぁ・・・。

 でも、頭の中でマロのことやってる内に思いついちゃったことがあるから、渡りに船って言えば言えるんだよな。


 思いついちゃったこと・・・それは、あの勇壮なテーマソングの人形劇の組織「今の俺なら作れちゃうんじゃね?」ってことだ。


 ゴルテックスや博士やタカさんたちも乗ってくるだろう。

 俺としては秘密基地というのにも憧れがある。


 元々はアジトが秘密基地作るノリでやってたんだが、目立ち過ぎる建物を建てちゃったこともあって、ちっとも秘密にならなかったしな。

 西部は少しずつ豊かになりつつあるが、それでも大部分は荒野だし、土地はいくらでも余ってる。

 西都とアジトの中間の適当な町とかからも離れたトコに秘密基地を作って、平和の弊害として余ってる軍人系貴族とかの仕事にしてしまえば、運用で俺が忙しくなることもないだろう。



 

 「やっぱプールが割れて巨大ロボだろう!」

 「地面がスライドして巨大メカ発進というのも美学だと聞いていますよ、ちなみに・・・・・・」

 「やっぱドリルだろ! こう、巨大なドリルで地面を掘り進むのはいいな!」

 な? やっぱりノリノリだ、みんな。


 土地の選定はあっさりとノード伯との間の話し合いでついた。

 表向きは兵士の訓練所とノード伯の別邸という形になる。

 ウチと西都で巡回してる兵士たちの本拠地を「ついで」で整備してしまおうというノード伯も結構セコい。


 「俺なら簡単に、それも金をかけて作るよりいいものが作れてしまう」ってことを知ってるってのもあるだろう。

 訓練所にはアジトのフィールドアスレチックをベースにより訓練向けに改良した施設と、陸上トラック、兵舎、倉庫、そして「プール」がある。


 プールは当然「割れる」が事故を避けるための安全対策もしっかりしているので、緊急発進でも問題無い。


 ノード伯の別邸は現状はノード伯のものとなっているが、この組織の責任者が王国の人事できっちりと決まった場合、その人間の住居となる。

 地上部分は地下への移動用シュートやエレベーターを除けばごく普通の邸宅だが、地下はここの本領である秘密基地の司令部となっている。


 これらの地上施設は西都-アジト間をつなぐ街道に面している。街道に接していない側の土地は見た目は周囲と変わらない荒地だが、スライドして滑走路が出てきたり、直接機体を発信させたりする。


 肝心の救助メカ。

 博士とゴルテックスがそれはもう楽しそうにいじりまくり、タカさんが口を挟みまくって趣味とロマンの塊となった。


 1号は緊急救助用の高速VTOLだが、変形してロボットになる。

 パイロットは一人だが、サブシートが二つ、更にはちょっとした収納スペースもあり、収納式のシートもあってそこに人を乗せることも出来る。子どもなら6人くらいは座れるだろう。

 プールから発進するのはコイツだ。

 ロボット型でプールを割って現れ、空中に浮かび上がってから飛行形態に変形して飛んでいく。


 2号は支援、輸送用大型飛行機。

 訓練所にもある倉庫と同じ倉庫をそのまま格納し運搬出来る。

 ともかくデカいがこれもVTOLなので、その大きさの割には着陸の場所は選ばない。

 直接飛行する能力の無いメカはこの2号で運搬される。


 宇宙空間に関してはこの星の人間は出て行ってない上にパンの本体が居るので必要無いため、3号はゴルテックスの趣味の塊、巨大なドリルと本体収納型アームが付いたドリルタンクだ。

 工兵型ガーディアンが搭載されていて、大きく3号が突っ込んで人命救助にはガーディアンが当たることになる。

 ドリル部分が展開してそこからガーディアンが出るという、生き物では絶対無理な収納のされ方をしている(高速回転しまくる部分だからなぁ)。


 4号は水中作業用。

 深度2千までは対応(てか何があっても自由に動けて平気な深度がそこだってだけで、潜るだけなら倍でも平気)。

 アームも付いている上に、短時間なら飛行も出来る。

 同タイプのメカはマロの所にも送られる予定だ。

 4号は主に河川湖沼で用いられることになる。

 潜水機能をオミットしたタイプが東部伯の所に配備されるらしい。


 5号は汎用作業車。

 上部にスライド延長するフレームが付いていて、はしご車や高所作業車の役割を果たすだけでなく、プレートを追加して臨時の橋にもなるし、車体+プレートで簡易のダム的な役割も果たすことが出来る。

 ポンプ+放水機能もあるので消防車としても使える。


 6号は巨大な犬型ガーディアンと猿型ガーディアンのペア。

 犬の背中に猿が乗る形でワンセットである。

 犬では行けない地形は猿が動くという形になる。

 山での遭難救助に用いられ、サイズを若干小さくしたものが北部伯の元でも運用される。

 6号は中に人を収納できるが、小型タイプは乗せることは出来ても中に入れるスペースは無い。

 ただ、風の結界を魔術的に付与しているので、人に寄り添って凍死を防ぐことは出来る。

 巨大なモフモフなのでシモーヌさんのお気に入りだ。

 城の子、特に女の子たちからも圧倒的な一番人気。


 こうしたメカに加えて更に人命救助用着ぐるみ型ガーディアンが人とタッグを組む形で運用される。

 ちなみに着ぐるみのデザインは城の子どもたちも巻き込んだ議論の末、黄色い作業用ヘルメットとオレンジの安全ベストを着用したパンダとなった。

 二足歩行で直立して人間と同じ様に動けるが、四足で走ることも出来る。

 動いている姿はどこかコミカルで、それでいてその大きくフワフワな姿は安心感がある。

 無骨なメカメカしい通常のガーディアンより、災害救助という目的に向いているだろう。




 「いやぁ、この司令官席はいいな! 『発進!』とかやりたくなるな!」

 「こちらの分析設備は一部パンデモニウムやスパイ衛星ユニット、サーチャーなどのデータも用いられていますので、この国どころか人間の国家すべてで最高のものとなっています、ちなみにタイさんの建築魔術を使わずにまともに建設しようとしたら二~三十年はかかるでしょうね!」

 「この脱出システムは凄いぞ! 自爆の爆発力を推進力に転用してるからな、実に無駄が無い!」


 ゴルテックスぇ・・・ここにも自爆スイッチ付けたのかよ!

 とか言いつつ、俺も執務室からの移動シュート、何回も試しちゃったんだけどな?

 発進ワンダバシーンはやっぱ盛り上がるだろ!?



 

 後日、王様と東部伯、北部伯そろい踏みでお礼を言われた。

 なんか勲章も貰った。

 王国への多大な貢献に対するものだとか。

 これと名誉爵位合わせてけっこうな額の年金が貰えるらしい。


 勲章の理由はこの組織が出来て、貴族の役職がらみのゴタゴタが少しマシになったからだそうだ。

 うん、下手な軍組織やら官僚組織の階級より偉そうだからな。新設の組織ではあっても自尊心は満たされるだろう。


 東部伯の遠縁に当たる長官職に着いた貴族のおっさんが、目をキラキラさせて屋敷と秘密基地を見ていたのを覚えている。

 シュートの着地に失敗してお尻を打っていたが、それでもすぐにもう一回やりに行ったし。

 世界が違おうが、幾つになろうが、男の子は男の子ってこったな!



なまじ伏字にするより一文字変えてしまった方が色々問題が起きない・・・不思議!

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