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光魔法で出来る事

 ケレーレンをベッドに座らせ、俺は対面にある椅子に座る。


「始める前に聞いておきたいんだけど、ケレーレンは得意魔法とかあるの?」

 エルフは全系統が扱えるので、得意不得意がありそうなので聞いてみる。


「得手不得手はないけど、好きなのは光魔法よ」

「てっきり回復魔法かと思ってた、それにしてもなんでまた光?」

 意外だ。やはり綺麗だから光なのだろうか。ケレーレンには光が似合う。


「昔、憧れていた人が光系統だったの、それで色々教えてもらってたからかな。回復魔法は一番お金になるからやってるだけ」

 何を色々教えてもらったのか。まあ光魔法についてだろうとは思うが。


「話はここまでにしてさっそく始めましょ、なにから練習する?」

 珍しくケレーレンが話を止めた。あまり触れて欲しくないところなのだろうか。


「じゃあ、光魔法でやってみて欲しいことがあるんだけど」

 風呂に入る前に思いついた内容で、自分で出来なかった事をやってもらうことにした。


 まずは光の集束だ。

 集束と言ってもケレーレンには伝わらないので、イメージを伝える。

 ケレーレンは「それならできるよ」といって、レーザーを出して見せてくれた。レーザーといってもレーザーポインターをちょっと強くした程度だが。練習あるのみか。


 次は光の操作だ。

 光の操作についてはうまく説明できなかった。説明がうまくないのでケレーレンも理解できない。今は諦める。

 ちなみにここで言っている操作とは光の波長を変えることや、偏光や屈折についてだ。

 正直、偏光を説明しろといわれても無理だ。だいたいこんなものだろうという知識しかなく、正しい保証もない。


 光の増幅。

 これも説明が下手なせいで理解してもらえなかった。

 説明を諦めて、暗闇でも明るく見えるようになる魔法があるか聞いてみる。どうやら闇系統にならあるらしい。残念。


 ふと、思いついたことがあるので、ケレーレンにやってもらう。

 何をやってもらうかというと、机の上に置いてあるコップを光らせることだ。

 ただ光らせる訳では無く、後ろの壁のイメージを光に映し出してもらう。

 俺の予想では、コップから壁の映像付きの光が出ることで、コップが消えた様に見えるはずだ。


 うん、ただコップが光るだけだった。

 よくよく考えると、もしそんな事が出来るなら、自分の考えてることを映像で見せれることになる。そんなすごいことできるのだろうか。

 

 考え事をしている俺を見て、ケレーレンが不思議そうな顔をしているのに気が付いた。

 予想していた結果を伝えると、意外な答えが返ってきた。

 どうやら、物を見えなくする光魔法はあるらしい。

 ケレーレンには使えないが、憧れていた人はそういう魔法を使っていて、よくからかわれていたらしい。

 それが、コップで試した方法なのか光の操作なのかは不明だが、少しは希望があるようだ。


 最後に触っているもの以外を光らせる事だが、これは可能なようだ。ケレーレンが目の前で実践してくれた。

 ただし、これは役割を決めないと出来ないらしい。出ました役割。

 ちなみに魔法薬の様に、物に魔法を封じ込めるのも役割を決めないと駄目らしい。


 そして衝撃の事実が判明した。

 魔法を封じ込めた物は、魔力を流して活性化しないと効果が出ないらしい。

 魔法を使えない時の俺にとっては、魔法薬は魔法薬じゃなくただの草汁だったのだ。

 魔法薬を使うほどの怪我はしていないので良かったが、魔法薬を持たせるなら早く教えておいて欲しかった。まあ過ぎた話か。


「リョーダさん、いらっしゃいますか」

 ミリーが扉をノックしている。


「いるよ、どうかした?」

「ケレーレンさんを探しているのですが、見なかったでしょうか」

 ミリーは扉を開けずに外から尋ねてくる。


「ここにいるわ、もしかしてお風呂?」

「はい、もう入れます」

「すぐに行くから、先に向かってて」

「わかりました、ではお先に向かってますね」

 どうやら従業員の女性がお風呂に入る時間になったようだ。役割について聞こうと思っていたが、時間切れだ。


「ミリーと一緒にお風呂に入る約束してたの、途中で悪いけど一旦休憩ね」

「ああ、ありがとう。いってらっしゃい」


「うん、いってくるね。あ、覗いちゃだめよ、三度目はないと思ってね」

「あ、ああ。わかった」

 わざと覗いたわけじゃないんだが、まだ根に持っていたのか。

 それにしても俺の記憶だと一回だけだったんだがな。

 まあ家の横の川で水浴びしてれば、気が付かずに横を通ったときに覗かれたと勘違いすることもあるかもしれない。


 ケレーレンが戻ってくれば夕食だと思うので、それまで魔法の練習を続ける。

 とりあえず、目標はレーザーだ。


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