4話
「アロウ・ガード様準備をお願いします」
教会の係りの人より声がかかる
「はい!ありがとうございます」
遂に僕の順番が来た様だ。緊張していたので大きな声で返事とお礼を伝えた。
教会のシスターに案内され。
ステンドグラスの後光が差した部屋に案内された。
部屋の両側には椅子が置かれそこには貴族達が前方で後方にこの王都で大商人と言われる人達が座っていた。
中心部に大きな水晶と司祭なのか枢機卿なのか分からない身分の高そうな年配の男性が本を片手に立っていた。
部屋の中央部分に敷いてある赤いカーペットの上を歩き中心部に向かい年配の男性の前に立ち。
片膝を付く。
一拍をおいて荘厳な雰囲気の中声が響き渡る。
「アロウ・ガードよ、汝にスキル授与を行う。水晶に手を当て汝の研鑽を女神テラスに見せよ」
俺は言われるがまま水晶に手を置くと水晶が光出した。
【心力】
と水晶に文字が浮かんでいた。
「は?」
俺はわけもわからず素っ頓狂な声を出してしまっていた。スキルは基本的にわかりやすい物が多い。
こういった意味のわからないスキルは使い方が分からず、がらくたスキルやゴミスキル・はずれスキルと呼ばれる。
会場がざわついている最中、壇上の男性が空気を変える為に声を出す
「んんっ。コホンお主が授与されたスキルは【心力】<しんりき>じゃ。女神テラス様に感謝する様に」
「ありがたき幸せ……」
何とか振り絞って出した形式上のお礼を言ったが、か細い声だった
何とか立ち上がりその場を後にしようとした時だった。
『クスクス心力だって。何に使うんだよこんなスキルあいつ終わったな』
そんな嘲笑を周りから受けつつ。俺は横目に父を見たが。
顔が真っ赤で憤ってるのが良く分かる。
一言で言うなら終わったなだった。
とぼとぼ廊下を歩いていると先ほど出た部屋から歓声が上がった。
『流石、殿下! スキル【聖】とは!!』
なんて大げさな程大きな声が響き渡っていた。
第3王女殿下はスキル【聖】を得たらしい。
これは、癒しや聖属性魔術の特化型スキルで。
このスキルを得た人は聖者や聖女と言われる。
羨ましいな、なんて考えていると……
「おい!アロウ貴様よくも儂に恥をかかせたな」
怒声と共に近づいて来たのは顔を真っ赤にした父ルドルフだった。
俺は即座に謝った。
「大変申し訳ございません。父上」
「うるさい、黙れ!何が神童だ。貴様が産まれた時にミサを失いそして今日は恥をかかされた。貴様は疫病神では無いかっ!」
そんな心のない言葉を浴びせられ、奥歯をギリッと音がなる程噛み締めた。
俺はどこで間違えたんだろうか。
父は俺に優しく接してた様に見えてやはり母を失ったことをかなり気にしていたんだな。
全ての景色から色が消え褪せていくような感覚に陥っていると
「先に帰ってろ馬車は用意してある」
冷たい声で父ルドルフは言葉を投げかけ何処かに行ってしまった。
俺の心の中は転生して温かい家庭に生まれ喜んでたのにスキル1つでこれだ。今まで何だったんだろうなぁ
と絶望していた。
馬車に乗り家に戻るとそこに
義母サマンサと次男バルクが居た。
「ふん、これで終わりだなお前も。神童神童って持て囃されて目障りだったんだよ」
と言った瞬間バルクの姿がいきなり目の前に現れ蹴飛ばされた。
「うわぁぁ。何をするのですかバルク兄様」
俺は起き上がろうとすると頭に足を乗せられ起き上がれなかった。
すると今度はサマンサがニタニタしながら
「何を?あなたみたいなはずれスキル持ちにガード家に居場所があると思って? ルドルフが戻ってきたら追放よ」
追放…? 何言ってんだこのおばさん、たかが9歳の子供をスキルがダメだった位で追放?
「サマンサ様それはどういうことですか? 僕はまだ何も聞いてませんよ」
俺は義母を刺激しないように精いっぱい小さめの声で問い詰める
「ガード家は由緒正しい家系なの。あなたみたいなはずれスキル持ちの落伍者は要らないのよ。部屋に戻って沙汰を待ちなさい。憎たらしいクソガキが」
そう言うとサマンサとバルクはニタニタ笑い始め
「ふふふっ、」「くくく、ギャハハ」
大笑いをしていた。
俺はその背を眺めながら呆然とした。
そして涙を堪えながら部屋に戻ったのであった……
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