前へ目次 次へ 45/114 最寄駅 由紀とおれの最寄駅は、同じだった。 「ねえ、勇希。あのね……」 「ん?」 「やっぱ、なんでもない。追試、頑張ってね」 「……うん」 なんて言おうとしたんだろうか。 でも、学年ビリを取ったことのあるおれにかける言葉なんて、そんなにないと思うけど。 そんなことを思いながら、自転車にまたがって、ペダルを漕いだ。 雪が顔に当たって少し痛い。 けど、早く帰って。 しっかりと、寝なきゃ。 追試に受からなきゃ、留年しちゃうから。 おれは、スピードアップして帰った。