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蛇仙女の足跡

姿を消した狐仙女は、数日程帰ってこなかった。

私は、図書館に連日通って、ようやくヒントを見つけた。


「圭太!!これじゃない?」

「えっどれどれ・・・。」

「側室史華伝」

「これ?物語みたいじゃないのか?」

「うーん。でも、中身を読むと日記みたいな感じで良く残ってたなって思う。あの時代かなって思うところが有るんだよね。しかも、この物語の主人公は、小さな頃に側室として城内に入ったって書いてあるから。」

「あっ、ここ。ここ、光栄15年、わずか5歳で由利姫様は、康栄様の側室として城内に入るって!ほんとだ!!やったな。」


『光栄15年。父母の元を離れて、城に来た由利姫様を康栄様は、父の様に優しく膝にのせて、話を聞いたり毬をついて遊んだりしてそれはそれは、可愛がっておられました。幼い由利姫様がさみしくならない様に我々御付きの者たちにも遊び相手になるように言いつけるほどでございました。そんなある日のこと康栄様が怪我をした女人を抱えて城に帰って来られました。康栄様は、とてもその女人を大事にして、奥の間をお与えになり、由利姫様だけがその奥の間に遊びに行くことを許されていました。由利姫様は、その女人と仲良くなったとお言いなり、女人には名がないと言うので、丁度庭先に咲いていた梅の花に似ていると言って、梅と呼ばれておりました。』


「この梅って人が、蛇仙女さんだよ。それで、その後、なんて書いてあったんだ?」「うん。梅に子供が出来て、毎日おなかを触って、ドキドキしたこととか書いてあるね。生まれるのが楽しみだと侍女たちにも言ってたみたい。…でも、梅が急に姿を消したとしか書いていない。その後は、大雨で城下町が洪水に合って、病気が流行ったり、康栄様もその病気で亡くなったこととか書いてあるぐらいかな。もうちょっと読み進めてみるね。」


その後、由利姫は、実家に戻されて、新しい嫁ぎ先に行くことになる予定だったけどどこにも行かずに龍泉寺に出家したとあった。龍泉寺での生活は、質素で姫には辛いと思われたが姫には、見えないものが見えるらしく、城での生活よりも生き生きと過ごされ、僧侶も良く驚かされことなどが書いてある。かなり、いい線に来たと思えた私は、三橋くんにこの本を借りて、龍泉寺に行こうと提案した。


「圭太!!龍泉寺に行ってこの本の由利姫様の事を聞きに行こう。」

「今からか?城跡のその奥の院だから日が暮れると帰るのも大変だよ。」

「そっか~。そうだよね。いくらまだ昼過ぎって言ってもあそこは、山奥だしね。準備していかないとね。」

「うん。」


私たちは、次の日曜日に備えて、図書館を後にした。


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