↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地味顔の短期雇用専門メイドは、実は美人です。しかもワケあり、養母は最強。  作者: 小田ゆなこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/600

女三人寄りませば

ジャクソン氏のお屋敷へは、後日訪ねることになった。


 レオンが、ロージーをジャクソン氏へ推薦してくれたので、商会で働かせてもらえることになった。

時期をみてロージーは、ジャクソン邸の使用人宿舎に移ることになる。



 ルナはといえば、レオンが来年この地方に赴任するのにあわせて、拠点となる部屋の留守番を兼ねて、住み込みのメイドをすることになった。


 年長者が二人抜けると子供達のお世話が大変だとシスターが言うので、通いで教会の手伝いは今まで通りだ。

 

ルナはいっそシスターになってもいいと思ったが、「いつでもなれる」と、揃って反対された。



 レオンは地方全体で仕事がある予定で、留守がちになるという。レオンが不在の間は、ルナには大してすることがない。

 その間、今まで同様ちょっとした女手やメイドが必要となったお宅に短期間行く仕事を請け負うことにした。


 まだ半年以上も先のことだし、シスターとも教会とも変わらないお付き合いができる。

ルナはハリーとレオンに感謝した。






 しばしの別れの挨拶にきたレオンとハリーは、去り際にフォーチュンカードを引いていった。



「急いては事を仕損じる」

 ハリーは、カードとルナの顔を交互に見ながら、なるほどなるほど・と呟き、ルナの瞳を覗きこんだ。


 ルナとしては、あまりに見られると落ち着かない気持ちになる。頬まで撫でられそうで少し距離を取るルナに、ハリーはさも面白そうに笑った。

どうやらからかわれたらしい。ハリーは意地悪だ。


 レオンのカードには

「迷ったら進め」

とあり、なぜかシスターリリーに微笑を向けていた。

対してシスターは、いつもの慈しみ深いほほえみだった。



「見送りはいいから」と留められ、「また近々」と口にし二人一緒に出ていくのを、ルナはシスターやロージー共々、礼拝堂内から見送った。


「……なんだか寂しくなっちゃうわね。ここ数日、楽しかったのに」

閉まった扉に向かい、心から残念そうにロージーが言う。


「そうね……」


 ジャクソン家のパーティーでレオンに出会い、翌日教会でハリーに会い町を案内した。


 その翌日、墓地でレオンとハリーを見て、悪い夢のように過去を思い出して、倒れた。


 次の日にレイクサイド荘へ三人で行き、オスカーを実感を持って思い出し、ブレスレットを見つけ出した。


 こんなに目まぐるしい五日間は初めてで、まだ昔の記憶も整理が出来ておらず、曖昧だ。シスターリリーは、四歳の記憶なんて普通だれも残っていませんよと言ってくれるけれど。



 オスカーの殺された理由も、賊の正体も、ママの生死も、賊が探していた物の行方も不明のままで、何一つ解決していない。



 それでもレオンとハリーは清々しい表情をしていたと、ルナは思う。二人の力になれることが嬉しい。


 ハリーは、定期的に来られるよう、この地方に商品の取り扱い量を増やすと宣言し、レオンは部屋を探す為に近々再訪する予定になっている。



それまでに頭も気持ちも整理しなければ、二人の役に立てない。



「そんな不安そうな顔をしなくていいのですよ」

いつの間にか、ルナの隣にシスターリリーが来ていた。


「あの方達は、ルナに何かをして欲しいと思っているのではありません。親友のためにも、あなたの役に立ちたいと思っているのです。だから」


 そこで一旦言葉を切って、クスリと笑う。

シスターリリーがこんな笑顔を見せるのは、珍しい。


「頑張るのは、あなたではなく、彼らなのです」

目を細めた。

「フォーチュンカードを引かずとも、私がルナに一枚差し上げましょう。『待つものは、どんなことでも叶えられる』焦らずにいきましょうね」



 何もかも見透かされたようでも、嫌な気持ちはなく、暖かく穏やかな雰囲気にルナは知らずに硬くなっていた頬をゆるめた。


「ありがとうございます。シスターリリー」


「私は何もしていませんよ。全ては御導きのままに」


 シスターリリーの視線の先は、英知の使徒像ではなく、フォーチュンカードだ。



「なにしろウチの稼ぎ頭だものね!」

後ろから割って入ったロージーが、ルナに腕を絡めて来る。


 ふと思い付いたようにシスターリリーが提案する。

「今までは角形だったけれど、丸形はどうでしょうね? 形を変えたら目新しさに、引く方が増えるかもしれません」


「それ、いいわ! 絵も変えてみる?」

ロージーが全力で乗っかるのに、戸惑う。

「そんな勝手に……?」


「神様は、そんな小さなことに文句をつけたりしないわよ。ね? シスターリリー?」

「もちろんですとも」



……ハリーさんの商売っ気が伝染したのかもしれない。


 シスターとロージーは早速検討し始める。星形とか、花形とか……虫形!?

恐ろしいものが出来そうになっている。どうやら、一番常識的なのはルナのようだ。ふたりを、どこかで止めなくては。



シスターリリーが下さったフォーチュンカード


『待つ者はどんなことでも叶えられる』

というならば、待つ私達の願いがどうかかなえられますように。


 レオンとハリーに、次に会うときに見せる新作が楽しみだと、ルナも会話に飛び込んだ。



ここまでで「レイクサイド荘」編は終了です

お読み下さいましてありがとうございます

次からは「収穫祭と騎士と姫君」編となります


「続けて読むね」と思ってくださる方

よろしければブックマークなどの分かりやすい形での応援をお願いしてもいいでしょうか

お楽しみ頂けているかが、気になっております


☆またお目にかかれますように☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。