第九話 発電所開拓編 配属
ナナ(18)=本作での主人公、黄色と白のオッドアイ、銀髪のサイドテールで左半身にはやけど跡
みたいなものが付いており、左手は火傷跡に装甲に覆われたような皮膚をしている。
記憶喪失でイロディアンを蹴散らし、ハンターズに出会う。
茶色と緑が混ざったような左腕を変形させ、不死身に等しいイロディアンを倒す能力を持つ。
イロディアン=ウイルス、イロードに感染し発症した人間の末路、慎重は2m近くあり爬虫類と人間を
組み合わせたような見た目、鋭い歯に爪が備えられており、人間を食らう、食らうとウイルスが広がり、
イロディアンになってしまう、9割損傷しないとすぐ蘇るため、現時点ではナナ以外倒すのは難しい。
ハンターズ=イロディアンを殲滅するため結成された特殊部隊。
現在は25人が配属しており、専用武器、氷結弾を使い、地上の開拓を主に目的としている。
専用のエンブレムがあり、銀色のトカゲの顔にHと爪で引き裂いたエフェクトが備えられている。
メインメンバー
ブレス・ワンスモア(35)=ハンターズの隊長、黒い肌のオールバックのパーマが特徴。
仲間思いであり、戦闘力も高く、数々の戦いを生き残ってきた。
マリア・フリッシュ(32)=ハンターズ配属の博士、イロディアン用の武器を主に発明している。
黒髪ロングで大人っぽいが、研究にはロマンを感じるなど
子供らしい一面がある。ナナの能力を気にしているらしい。
クラシア・バハムート(20)=ハンターズに新しく入った女の子、
故郷をイロードにより奪われ、力を得るためにハンターズに入った。
ショウ・カラキッサ(20)=新人隊員、子供っぽいが戦闘になると冷徹に行動する。
ドレイク・モーガン(25)=衛生隊員
ロバート・うぃるす(26)=ブレイン担当だが力は強い。
マラシイ・スフィンガー(26)=ハンターズのリーダーの男勝りな女性。
カリナ・アジール(8)=ナナに出会った幼い少女。病気を抱え、死ぬ前に太陽を拝みたいという
願望を持つ。
第九話 配属
pm19:35 コンコルド ハンターズの寮
「ここがあなたの部屋。」
視線の先には部屋番号が表記されているステンレス製のドアがある。ここが私の新しい部屋らしい。
私はハンターズに配属された。自分の意志で、戦う理由を見出し、志願した。
今はハンターズの隊員、マラシイさんに部屋を案内させてもらっている。階級は少佐。チームのリーダー的立場らしい。
ここはハンターズの本部にある寮。森に囲まれた研究所とは裏腹に、都市のど真ん中にある。
「ありがとうございます。」
私は頭を下げた。
「別にいいよ。隊長の命令だからな。それにしても、あんたが入るなんてびっくりだね。」
とマラシイさんは特徴的なハスキーな声でそう言った。
白い髪に青いつり目の女性、頬には二本の傷跡がある。きっとイロディアンと戦った跡だろう。
タンクトップからはみでる褐色の腕はとても引き締まっている。軍人の威厳を感じた。
そんな人に、私は笑顔で答える。
「はい、私が戦って、みんなを助けるのです。」
そう言うと、マラシイさんは面倒くさそうに頭をかき、
「あのね、それあんたが入った時みんなにもいってたけど、そんな浅い綺麗事じゃ、すぐ折れるよ!!」
と指を指され強い口調で言われた。
浅い・・・心に刃物が刺さるような感覚に陥った。まるで今の自分の気持ちを全否定されているみたいで・・・
・・・そんなことない。
「・・・そんなこと、ないです!」
私はうやむやな気持ちを無視して、強く告げる。すると少佐はふっと鼻で笑い、
「どうだろうね。ここにいる連中は軍人だけじゃなく、元犯罪者や貧困層がいてな、そしてそいつらは
自分の免罪や給料の為に必死に戦っているんだ。」
「・・・・・・」
「確かにあんたのイロディアンの不死身を無視出来る能力は凄い。でも問題は心だ。」
私の胸の間を指でどつく。
指が皮膚を超えて、骨に直にあたり痛く、退き、壁に当たった。
「果たしてあんたに、地を這いつくばっていくほどの胆力があるのかね。」
マラシイさんに詰め寄られ、まっすぐな視線で見降ろされた。
私はその威圧に押され、俯き黙っていた。確かにそうかも・・・、この人の言う通りかもしれない・・・・。
「よく考えな。あんたは遭難者と言う口実でコンコルドに暮らせるんだ。無理に
目標立ててイロディアンと戦わなくてもいいんだよ。」
とズボンから鍵を出し、私に無理矢理渡し立ち去っていた。
私は刺された気分で棒立ちしていた。
綺麗事か・・・・、ハハッ・・
乾いた笑い、暗い考えに浸りつつ、鍵を開け、部屋に入る。
部屋のスイッチを付けるとそこには簡素なベット、小さいテレビに冷蔵庫があった。
綺麗な白い壁に、白い照明。まぁここで一人で住むには少し狭いが充分な部屋だ。
スリッパがあるがそのまま部屋に入りエアコンを付け、ブーツをぬいでベットに寝そべった。
はぁ・・・、溜息がこぼれる。そう言えば、この部屋・・・
天井を見上げ、頭によぎる。あの子の病室を思い出す。カリナの病室を・・・。
・・・・思い出す。
(私が死ぬ前に光を浴びたい。太陽をいっぱい浴びてたくさん生きるの!!)
(私は生きたい、たくさん生きて知らない世界を自分で知りたいの!!)
と泣いて訴えるあの子の姿が。そう・・・綺麗事じゃない、浅くない。
強く思った・・・。
・・・・・・・
考えにふけっているとふと景色が見たくなり、窓に向かい、開けた。
夜のように光る、ビルやレンガの建物が佇む街、この世界・・・果たして守り切れるのだろうか。
もしかしたら、綺麗事で終わるかもしれない・・・そんなの・・・・・
そう思うと、本部の入り口から、一人入って来るのが見えた。
その人は暑そうなメットとジャケットを着て、
大きなリュックを抱えて、今にも倒れそうによたよたと歩きながらこっちの建物に向かってきた。
軍人の女性かな?、体つき的に・・・
その人の体の二倍はあるだろう、リュックを抱えて、もう本当にふらふらでこっちが心配になるほどだ。
「大丈夫かな?」
不安になって見つめていると、その人は膝をつき、倒れた。
まずい・・ええと、助けにいった方がいいかな?
飲み物、持って行った方がいいよね・・・。
冷蔵庫にある水を持っていき、下に向かった。
「大丈夫ですか?」
私は駆け寄る。四つん這いになり、汗が落ち、息を荒げている。
「あの、水を・・」
座り、水を渡そうとすると女性はこっちを虚ろな目で見つめる。
「いいです、・・大丈夫よ。」
ボーイッシュな女性はペットボトルを押しのけた。
「こんなにまでするなんて・・・、体壊すよ・・」
女性は膝を支え、立ち上がる。
「これぐらい平気です。軍隊の訓練では普通の事、30キロのリュックを背負って、一日歩くなんて。
・・・・あなた、ナナでしょ。・・新しくハンターズに入るって。」
息の荒い声で話しかけた。
「ええ・・・」
「・・なら、自分を強くしたほうがですよ。。少なくとも使えるくらいには・・・」
そう言って、彼女は荷物を担ぎ、よたよたと寮に戻った。
それを呆然と見ていた私。
確かあの人は、クラシアだっけ。ハンターズの名前に載っていた気がする。
・・・強くなる・・か・・・
イロディアンを倒して、発電所を開拓し、この地下都市にゲートを開けさせる。それが私の強くなる理由。
明日はマリアさんが私の実力試しをするって言ってたっけ・・・
私も寮に戻り、その日を終えることにした。
Am10:49 体育館
それから翌日、私はマリアさんに体育館に来るように言われ、行くことにした。
誰もいない。
ただっ広い体育館は陰湿に感じるほど薄暗い・・・・。
マリアさんは・・・。辺りを見渡してもいない。
なんか少し体が重い気がする。けだるげだ・・・。
外は相変わらず暗い、朝なにも関わらず。
地上は確か明るかったはず。時間の感覚が狂いそうだ・・・。そう思っていると、
「待たせたわね。」
冷ややかなマリアさんの声と同時に何かガシャ、ガシャと機械音がした。
振り向くと博士状態の白衣をきた彼女・・・。腕にはタブレットを抱えていた。
「マリアさん・・それはなに?」
後ろには白く、のっぺらぼうでマネキンみたいなのが三体立っている。
「これはイロディアンの動きをインプットしたロボット。ハンターズの訓練として実際に使われているものよ。」
マリアさんはメガネを上げて答えた。
「あなたはハンターズの一員として訓練を受けてもらいます。このロボットと戦ってみて。」
「・・戦うの?」
「当然よ、あなたは不死身を貫通する能力はあっても、肝心のスペックがひよっこじゃどうしようもないわ。」
マリアさんは持っていたタブレットを操作した。すると三体のロボットの顔が赤く光り、私の前に前屈みにじりじりと迫ってくる。
ああ・・・この動き、思い出す・・。イロディアンだ。私は半歩退く。右腕をえぐられた痛みを思い出し、恐怖が・・、
嫌な感覚が腹の下から湧き上がる・・まるで大量に腹の中で蠢いているようなそんな感覚・・・
「あなたも構えなさい、訓練とはいえ甘く見ないで。別に壊しても構わないわ。」
彼女は強い口調で声高らかに言う。・・・やろう・・いや・・やるんだ。
強くなるんだ・・。私はその発破に答え、私は左腕を前に出す。そうだ、ひよっこじゃ駄目だ。
「わかりました・・・」
この恐怖に負けてたまるか・・・。私はパーカーを脱ぎ捨てインナーだけの状態。
右手で左腕を抑え、三本の触手に変形させた。
「では始めます・・」
私は黙って頷き、マリアさんがタブレットで入力をした瞬間、ロボットが素早く散らばった。
なんて速さ、一瞬目が追いつかなかった。
速い、、、マネキンロボットは機械音をあげ、体育館を縦横無尽にトカゲのように這い、一体が上斜めから襲い掛かる。
勢いを付け、腕を伸ばし攻撃するが、速さに追いつかず突き上げた触手をくぐり抜けて、ロボットの腹のダイブをくらった。
全身に攻撃をくらい、体が地べたで回転し何度もぶつかる。
「うっ!!。」重い一撃に悶えていた私に、
「ただ棒立ちで攻撃するだけではだめ、その触手でなら起動力も活かせるはずよ。」
奥で見ていたマリアさんがアドバイスする。
起動力・・・。そうか、そう言えば、柵を絡ませて素早く移動出来た。
私は痛みを堪え、立ち上がった。
「もう一度よ!!」
「・・ッ・・ハイッ!!」
制止していたロボットが動きだし、動き回る。この力を・・活かすんだ。
絡める場所・・・あれだ!!
今度は横から素早く腕を振りかざす。私はそれを予測し、上の柵に素早く絡ませ、高速で引っ込める。
「やった!!」
地上の時のように壁を蹴り、衝撃を減らし、間一髪で相手の攻撃を避けた。
「浮かれてないで、!!周りをみなさい!!」
マリアさんの厳しい声が耳に入る。
上に這っているのが攻撃の体制に・・・、息を整え、絡めた触手を更に引っ込ませ、空中で反転し、二階の床に着地する。
ロボットの攻撃は柵に当たり、轟音を鳴らし、柵をくぼませる。
飛び上がり、床に着地する寸前。
「今だッ!」
着地を狙い、バックステップで位置調整し、触手を飛ばす。その勢いで強風が起きる。
高速回転させた三本の触手はロボットに命中した。
顔、体、足へと当たり、ロボットは吹っ飛ぶ。同時に硬さで触手が弾き、自分もよろめいた。
奥のドアまで吹っ飛んだロボットはダウンし、煙をあげ、小さいひびが入っていた。
「いいじゃないっ!その調子よっ!」
マリアさんは嬉しそうに言ってきた。私は嬉しさに彼女に向かい、微笑む。
「今度は一斉に攻めるようにするわ。いいわねッ。」
私は静かに頷く、倒れたロボットは赤く光りがれきをどかし迫る。他のも・・・負けてたまるか、やるんだ。
「私は、強くなるんだ!!」
私は思いっきり触手を放った。
12:15分 監視室
「ブレス、あの子の事どう思う。」
モニター室には、監視員のスプリッドとブレスが眺めている。
密かに体育館で特訓しているナナを二人で見ていた。非番でコーヒーを飲んでいたブレス。
「そうだな・・・、配属が決まった時びっくりしたよ。凄く。」
静かな空間で急にナナのことを聞かれ、少しぎこちなく答えた。
スプリッドは椅子に寄りかかり、肥えたお腹を叩き、話しを続けた。
「そうだな。でもいいのか?、いくらなんでも急すぎないか?」
「大丈夫だろう。マリア博士作成のあのロボット。あいつと戦えば嫌でもイロディアンに追いつくはずさ。」
「それではなくて、もっと選択の期間を有したほうが良かったんじゃないか、?
いくらなんでも彼女には負担が大きいと思うんだ。」
ブレスは飲み終わったコーヒーを机におき、真っ直ぐな瞳で答えた。
「ナナ、あいつが配属するから俺たちを召集した時、みんなの前で言ったんだ。
(私がみんなを救いたい。)とな・・。俺は、悪くないと思ったぜ。あの顔はうやむやな気持ちが抜けた顔だった。」
スプリッドはニヤリとし、
「ハハッ、お前が好きな奴じゃないか。」
と笑った。
「ま、他の奴ら、マラシイとかは駄目だろうな。」
とやれやれと腕を振るったブレス。
「まぁ、いずれにしろこれでカードは揃った。理由はどうであれ、これが発電所の開拓・・
いや、人類の発展に繋がるのなら。」
ブレスは髪をかき上げ、
「俺は全力で彼女を援護するつもりだぜ。スプリッド。」
と涼しげにスプリッドに告げた。
「・・・そうか、やっと仲間の敵が取れるようになるんだな。」
「ああ、そうだといいな。」
二人はこの後もお互いコーヒーを飲み、監視を続けた。
ーーー5時間後ーーー
「今日はここまでよ、よく頑張ったわ。」
マリアさんが微笑み、壁でへばり、へとへとの私に手を差し伸べた。
でも、もう力が入らない・・手をつかんだが、途中でまた倒れてしまった・・
尻餅をつき、痛い・・。
「大丈夫?、何か飲み物買って来るわ。」
「えへへ、ありがとう・・・」
彼女は飲み物を買いに、体育館をでた。
体育館の周りは壁が割れ、がれきが出来上がり、外が?き出し、煙を上げていた。
止まっているロボットは戦闘の体制のまま制止している。体は私の攻撃で貫通し、アーマーはひび割れ、中の配線がむき出しだ。
それからは・・・マリアさんがコーラを持ってきたとこまではお覚えてて・・・、えっと・・マリアさんに部屋に運ばれたと
思ったら、いつの間にか私の部屋だった。
はぁ・・・ぼやけた目を擦り、起き上がると体に痛みがはしった。
「いてててて・・」
思えば、あざだらけだ。服も汚れまみれだ。ベットにはすながついていた。
「風呂・・・」
スマホを見ると三時間も寝てたのね。運んでくれたマリアさんには感謝しないと。
私は訓練と眠気で重たい体をあげ、お風呂に向かうことにした。
誰もいないただっぴろいお風呂、体を洗い、お湯に浸かると全身に温もりが染み渡り、昇天しそうなくらい気持ち良かった。
はぁ・・気持ちいい・・・、誰もいない、私だけの風呂・・・、水音と温かさに浸っていると、ドアの向こうから影が見えた。
黒髪の短髪の人が入ってきた、たれ目で可愛らしい顔だがどこか疲れきっている感じがした。
「・・・あれ、あなた、ナナ?、奇遇ですね。」
あ、確かこの人リュックを背負って倒れていた人だ・・・、
クラシアさんだ。
シャワーを浴び黙って見てた私。洗っているクラシアさんの腕がちらりと見える。
なんか、いくつもの傷跡がついてる。体を洗いおわると私の所に入っていき、私の横にきた。
「あなたはハンターズの人?」
私は座り直し、彼女と面と向き合う事にした。
「ええ、そうよ、ハンターズに入ってまだ日は浅いけど。あなたもハンターズに入ったんでしょ。
みんなを救うっていって。」
「あ、もしかして、あの時にいた・・」
「そう、私も呼ばれたから。そんなかしこまんないで。私とあなた、そんなに配属期間の差ないし。」
そう言われ、垂れた髪をあげる。かきあげた腕には傷があった。
「その傷は?」
「これ?、まぁ、自傷行為。」
ええ・・・、自分で?、痛そう。両腕に刃物で切ったような跡が数本、赤く傷ついた跡があった。
白い肌だから尚更目立って痛そうだった。
「自分でやったの?痛くないの。」
「大丈夫よ。それよりもあなた、髪が風呂に浸かったままだね。やってあげる。」
話しを置かれ、彼女は風呂に入ったまま、私の後ろで髪を丸めてくれる。私は後ろを結ぶのが苦手なのだ。
「ありがとう・・」
左腕がデカく、なかなか後ろに縛れないからだ。
私は髪結びを彼女に任せ、彼女に話すことにした。
「いつもやってるの?、リュックを背負う奴・・・」
「今日はやってない・・。今日は水発射装置の調整をしていたの。」
「それって・・・」
確かブレス隊長も言ってた。
「マリア博士が考案した武装よ。氷結弾も・・・、あれでイロディアンと戦うの。」
マリアさんが、凄い・・・
「はい、終わったよ。」
そう言って、私の背中をぽんと叩く。髪を丸く綺麗にしてくれた。
「クラシア・・だよね、どうなの?、ハンターズは?」
「え、それは大変だよ。私はまだ戦闘は浅くて・・しまいには私をかばって死人も出てしまった。」
「死人って、私を救出した時に?」
「・・ええ・・その時、背後に気付かず」
そう言えば、マリアさんが言ってたっけ。地上で私を助けるために死んだって。
私のせいで、人が・・・
「そんな・・・・・ごめんなさい。私のせいで・・・」
私は湯船に顔が入るほどに頭を下げた。
なんて言えばいいのかわからなかった。いや、わかっている。こんなんで死んだ人に償えるはずがない・・・
クラシアは横に振り向き、私の肩を叩いた。
「いや、あなたのせいじゃない。これは私のせいなの、私がもっと注意深く見ていればガルスさんは・・・。
・・私がもっと力があれば。」
クラシアは歯を食いしばり、声は震えていた。
「・・・だから、非番の日は基本的に訓練をしているの・・」
そうか、だから、荷物を担いで・・・
「だから、昨日みたいに大きい荷物を担いで一日中歩いてたのね。」
「そう、明日もやるつもり。もっと力をつけて・・いずれは私の街を取り戻すの・・・」
「街?・・」
そう話していると、他の人が風呂に入ってきた。
クラシアがお互いの肩が当たるほど寄り、
「ここでは話せない。またいつか話しましょう。お互い頑張ろうね。」
そう言ってクラシアは微笑み、先に出た。
リストカットしてるから危ない人かと思ったけど、以外といい人で良かった。
話した感じそんな印象を受けた。
「自分も強くならないと・・・」
そうだ、頑張っているのは私だけではない、自分も目標達成するために頑張らないと・・・
ーーーー3週間後ーーーー
「次、左から来るよ!!」
インカムからマリアさんの通信が入る。
薄暗い森の中、回転し、木に乗っかった私。
マリアさんが言う通り左からマネキンロボットが木を蹴り、こっちに振りかざす。
触手を上の枝に絡ませ、引っ込ませ、攻撃をかわし、上空で回転する。空中で再度絡ませ、
ブランコのような軌道の間に、木に這る周りのロボットを確認する。奥左2に前右に1いる・・・
前右からロボットが飛びかかってきた。
それを触手ごと体をねじり、紙一重で避け、同時に地面に受け身を取り、着地をする。
同時にロボットも地面についたがゴロゴロと転がる、背中ががら空きだ。
「よしッ!!」
チャンス、手を引っ込ませ弾丸のように触手を発射、捻りを加えた三本の触手はロボットの背中に命中した。
硬さで弾き、痺れるような衝撃を足で踏ん張り、耐え、ひびの入ったロボットは傾斜へと吹っ飛んだ。
すぐに後ろを振り向き、二体が上から襲い掛かる。
それを横に飛び越え、回避し、触手を変形、さっきよりも大きく刀のように尖らせ、後ろに走り
体をコマのように回転し力を足し、
二体のロボットに向かい、薙ぎ払った。一体に命中し、空中で回り、後ろの奴を巻き込み、ダウンした。
ロボットは煙を上げ、電気をむき出しにし、倒れた。
はぁ、はぁ、やったぁ!!、よし、、三体とも倒した。
殺していた息を一気に吸出し、体の力が抜け、膝をついた・・・。
「撃破のマークが出たわ。すごいじゃない、ナナ。」
はぁ、、、はぁ、、、
マリアさんの喜ばしい声が通信越しから聞こえてきた。私は自分が強くなっていることに高揚し、拳を強く握った。
その後、森の外れで操作していたマリアさんと合流した。
私は疲れて、地面にへばる。
「いいじゃない。よく頑張ったね。」
「うん、ありがとう。」
マリアさんのおかげで強くなれた。後は・・・
「じゃあ、今度、わかっているね。一週間後、あなたは・・・」
マリアさんが上を見上げ、目一杯深く呼吸する。
「・・ハンターズと共に、地上の発電所の開拓に参加させます。イロディアンと戦って、凄惨な光景を見るかもしれない。
・・・・けど。私はナナを信じます。あなたが人類を救う鍵になることを・・・、必ず諦めず、立ち上がってくれることを。」
私は疲れ切った顔を戻し、頷いた。
そうだ、私が、人類を、カリナを、苦しんでる人を救うんだ。
負の連鎖を断ち切るために・・・・。
----1週間後ーーー
陰湿な鉄製の廊下、私は決意を固め、歩く。黒のインナーに
赤のラインが入った漆黒のマントを纏っている。マントの中央にはハンターズのエンブレムがついている。
ついに私もハンターズの一員なのだと、そして後少しで・・戦うのだと、身をもって感じた。
廊下を出ると、駅に出た。ちかちかと壊れかけの照明が駅一帯を照らす。コンクリートの重圧に身が少し震える・・・
その景色の前に銃を持った集団が待っていた。ハンターズの隊・・・
その中には、水発射装置をつけたマラシイさんやクラシアがいた。
みんな笑みひとつせず、眉を尖らせている。
「来たな、開拓の鍵が。」
その中で赤髪の人がそうつぶやくのが聞こえた。確か、ドレイクさんだっけ。ハンターズに長くいる古株で
衛生隊員のはず。
「待っていたぞ、ナナ。」
20人ほどの隊の中でブレス隊長がこっちに歩み寄る。
「はい、ブレス隊長。」
「覚悟はいいんだな、?」
「私は決めました。大丈夫です。」
隊長はわかったと振り向き、奥にある地下鉄に向かった。
隊長は息を吸い、
「よし、みんな!!」
ハンターズは一斉に並ぶ、私は棒立ちのままで自然にセンターにいた。
ブレス隊長は冷静な口調でハンターズに呼びかける。
「これから俺たちはナナの力を使い、発電所を復活させ、コンコルドに電力を供給し、
ゲートを開かせに行く。これまで何度も出撃を交わしたが、その度に、
多くの隊員が犠牲になった。発電所の中には元仲間がイロディアンになって襲いかかってくる・・・・」
隊長はまゆを潜め、悔しさをにじみだしていた。
「俺はそれを何度も見た、いくたびに
見覚えのある服、そして顔の奴が牙を向いて我々に襲い掛かってきた。
そしてその度に思った。この悪夢はいつまで続くんだと。仲間が襲い掛かる・・・。
こんな残酷なことはないッ!」
悔しさを露呈した隊長は高ぶった感情を抑えるように息をのむ。
「・・・・だが、今日でそれも終わりにしたい。
ナナの不死身を無効化する能力を使い。この負の連鎖を断ち切らせ。日の光をコンコルドに
注がせる。いいな!!」
私含めハンターズは、強く、敬礼した。
「ハンターズ、出動する。」
隊長の号令は終わり、一斉に地下鉄に入った。
これから起こる惨劇、正直言って怖い。これから向かうのは、戦いの場・・・・。
でも、私は負けない、ナナとして、出来ることをやるんだ。
カリナや病人、苦しんでいる人の為に・・・・
列車はライトを照らし、発車した。
ーー第十話 発電所に続くーー
視点は基本的にはナナ視点です。
でも、ナナがいなかったり、他の人に注力させるときは神様視点で行います。




