第2章 - 隙間
「もう寝なさい。今夜はローザおばさんが見回り当番だからね」エマおばさんは寝室のドアを閉める前に、すべての子どもたちにそう言った。
暗闇のなかでしばらく待つ。足音が遠ざかり、静けさが戻ったのを確かめてから、布団からそっと顔を出した。本当に安全だとわかると、ベッドからゆっくり降りて、部屋を抜け出した。
ドアのきしむ音が、ちょっとした厄介な敵になる。音を立てないように、ほんの少しずつ、少しずつ開ける。私たちの寝室は書斎と向かい合っていた。そこから右に曲がり、短い廊下を通って、食堂がある階へ続く螺旋階段へ向かう。
階下に着くと、慎重に周りを見回した。今夜はローザおばさんが見回り当番だから、いつも以上に気をつけなければならない。目的はただひとつ。談話室、あるいは寮母さんたちの部屋――あの地主からの手紙がしまってありそうな場所だ。
今日の午後、あの男たちが持ってきた手紙が談話室の机の上に置かれたとき、もう少しで読めそうになったのに、ローザおばさんに見つかってすぐに叱られ、大切な手紙に触ることを禁じられてしまった。どうしても中身が知りたかった。特に、なぜこの孤児院をからっぽにしなければならないのか、その理由を。ここにはまだたくさんの子どもたちが住んでいるのに。
「エリ! こんな時間に何をしているの!」後ろから突然、ローザおばさんの鋭い声がして、はっとした。
遅かった。まさかこんなに早く見つかるとは思わなかった。
「と、トイレ……」私は無邪気な顔を作ろうと、どもりながら言った。
「寝る前に必ずトイレを済ませなさいって、いつも言ってるでしょう?! 早く済ませて、すぐにベッドに戻りなさい」
私はうなずくことしかできず、ローザおばさんに見張られながらトイレへ歩いた。この状況は、元の世界でよくあったことを思い出させた。夜、暗いのが怖くて、母がいつもトイレに付き添ってくれたこと。ローザおばさんは厳しいけれど、こんなふうに気を配ってくれるところは、なんだか……優しいと思った。
トイレのドアの向こうから、ローザおばさんの声がまた聞こえた。今度はずっと柔らかい声だった。「眠れないの? ミルクを温めようか?」
私ははいと答えた。それから間もなく、食堂とつながった台所で、ローザおばさんがコンロでミルクを温めるのを座って見ていた。温かな香りがゆっくりと広がり、気持ちが落ち着く。
「ローザおばさん……私たち、大丈夫かな?」私はついに勇気を出して、心に引っかかっていることを口にした。
「どういう意味、エリ?」ローザおばさんは優しく返した。
「今日の午後のあの男の人たち……私たちを追い出そうとしてるんでしょ?」
ローザおばさんは少しだけ手を止めた。それから私のところへ来て、かがみ込み、温かい手で私の頬を包み込んだ。「あの男たちは私が追い返すから。心配しなくていいからね」彼女は自信に満ちた声でそう言った。
その言葉に、胸の重荷が少し軽くなった。私の知る限り、ローザおばさんはここでいちばん古い世話係だ。他の寮母さんたちが来るよりもずっと前から、最初の世話係だったのだと、前に教えてもらったことがある。
でも、法は法だ。縛りがある。ローザおばさんが逆らって、面倒なことになるのは嫌だ。この土地の問題について、何か手がかりだけでも掴めたら――。
「ローザおばさん……この孤児院、誰のものなの?」不意にその疑問が口をついて出た。今までずっと、考えたこともなかったと気づく。
「気になるの?」
私はうなずいた。
「そうね……マルセル様は、あの頃ほとんど孤児院に顔を出さなかったからね。見てみる? 私の部屋に肖像画があるの。でも、これが終わったらすぐに寝るって約束して!」
その提案はありがたかった。孤児院の持ち主を知ることができるだけでなく、あの部屋には、今日の午後にあの男たちが持ってきた手紙があるかもしれないのだから。
寮母さんたちの部屋は台所のすぐ隣だった。そこは私たち子どもにとっては、いつも近寄りがたい、ちょっと怖い、立ち入り禁止の場所だった。中に入るとすぐに、あの机の向こうで、どれだけたくさんの事務作業が行われていたかを思い知った。書類の束、羊皮紙の巻物、資料の詰まった棚が部屋の隅を埋めている。それから、大きな肖像画に目が留まった。心温まる笑顔の、若い男性の顔。
「この部屋はもうほとんど使われてなくてね。埃っぽいわ。気をつけて歩きなさい」ローザおばさんはろうそくに火を灯しながら注意した。温かな光で、マルセル様の肖像画がよりはっきり見える。長い髪が魅力的で、簡素ながら貴族らしい服装――華美すぎず、むしろ謙虚さを感じさせる雰囲気だ。
「思い出すね、いちばん忙しかった頃を。マルセル様がまだここを仕切ってらした時は……こういう書類の世話に追われて、お前たちのことをほとんど見てやれなかったよ」突然、ローザおばさんがしみじみと昔を懐かしみ、声が柔らかくなった。
私の目は机の上の書類の山を走査した。上のほうにあるのは、多くが「支給」と記されている。物資に関するものもあれば、現金の流れに関するものもある。一目見ただけで、さらに理解が深まった。ローザおばさんは実はここの責任者だったのだ。私たちには決してそう言わなかったけれど。マルセル様が彼女を机の後ろに置いた理由は、彼女が単に子どもたちの世話をするには厳しすぎたからかもしれない……。
「さあ、昔話はここまで! エリ、すぐにベッドに戻りなさい!」ローザおばさんは、いつもの厳しい調子に戻った。
「ちょ、ちょっと待って。これは何?」私は棚にある一枚の書類を指さした。上の部分に「権利書」と書かれている。
ローザおばさんは少し困惑した顔で私を見た。「お前にはわからないだろう。遅いから早く寝なさい」
「わ、わかると思う! これって、誰かが何かを所有してるって証明するやつじゃない?」私はためらいながら、その場しのぎの言い訳をした。六歳の子どもが権利書の意味を理解しているなんて、まったくありえないのに。
「そんなこと、どこで覚えたの?」ローザおばさんの困惑がさらに深まる。
「わ、私……前に本で読んだことがあって……」嘘だ。そんな本が、どうして子どもの孤児院にあるというのか。
「本? ここで? エリ、この孤児院にある本なんて、古い童話とマルセル様が置き去りにされた歴史書が数冊だけだよ。権利書の本なんてない」彼女は首をかしげた。「適当なこと言ってるのかい、それともただ役に立ちたいだけなのかい?」
「た、ただ、これが大事そうに見えたの! だって大事な紙はいつも上のほうに大きな字が書いてあるんだもん!」
私は好機とばかりに、すかさず続けた。「たとえば、この孤児院のこと! この孤児院はマルセル様のものだから、今日の午後のあの男の人たちは、孤児院をからっぽにするのに、直接マルセル様の許可をもらわなきゃいけないんじゃないかって!」
「どうしてそう思うんだい?」
「え、えっと……だって、もし私がパンを作ったら、ザックはそれを取る前にまず私に聞かなきゃいけないから……」私は子どもらしい説明を、できるだけ簡単な形で無理やりひねり出した。
ローザおばさんはしばらく黙り込んだ。彼女は好奇心と感心が入り混じった目で私を見た。
「そんなに賢いとは知らなかったよ、エリ。誰に教わったんだい……」それが褒め言葉なのか、それとも無意識のつぶやきなのかはわからなかったが、ローザおばさんは言葉を続けた。「でも、お前のおかげで、つい今しがた何かを思い出したよ」
それを聞いて嬉しくなった。もしかしたら、ローザおばさんは孤児院を守るために使える、法的な抜け道に気づいたのかもしれない。「じゃあ私――」
「だめ! 今すぐ、ベッドに戻るんだ!」




