第27話 その後
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『————え?」
カッコつけた姿のまま、成り行きを見ていた鉄壁のリシャールさんが間の抜けた声を出した。
ここは、体張って助けた自分に女の子たちが惚れる場面。
そう思っていたのに——―
「俺は一体、何を見せられているんだ?」
「うーむ。そうくるかー」
腕組みをしたクレールは、成り行きに感心しきりだった。
クレールのシナリオでは、優勝して勘違いをこじらせたリシャールがカロスタークを煽る予定だったのだ。
これはまぁ、途中までうまくいったわけだが――
。
リシャールに対抗したカロスタークが、セザールは自分のだと宣言。
そんなことはないと食い下がるリシャールに、セザールが「ごめんなさい」をする。
こんな想像をしていたのだ。
まさか、こんな結果が待っていようとは。
「ウ―ム。やっぱ。男女の愛とか。私にはわからん!」
キャハハッと、楽しげに笑うのだった。
「うん。収まるべきところに納まったね」
ニコニコ笑うギョーム。
「セザール様は柑橘系がお好きでしたよね」
買い出しの項目に若干の修正を加えるトマ。
「だめだ、これは」
セザールを諦める男子たち。
「あいつ、本当に金持ちなんだ」
目を輝かせる女子――ハイエナ――たち。
『婚約者なしのフリー』。
それは、カロスタークも同じこと。
しかも、金を持っていることがはっきりとした確証付きで知れ渡っている。
学院内の各所で、カロスターク争奪戦が始まろうとしていた。
ぶるっ――
「な、なんだ?」
突然寒気を感じたカロスタークが自分を抱きしめる。
セザールは、カロスタークの上着を着たまま、彼の隣に立っていた。
もう、誰にも奪わせない。
そんな顔で。
「負けないようにしないと・・・ね」
争奪戦の予感を察知して、自分に気合を入れるセザールだった。
争奪戦のカギを握るのは——【フランソワ】。
評価いただけると続編を書く意欲に直結します




