第2戦:さくら、ペアします!(76)
やっと更新です。
大変長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。
これにて第2戦完結となります。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(24)
およそ1時間ほどの移動を終え、着いたのは寂れた別荘地だった。
その中の2人の男性が立ち番をしているログハウスの前で車が止まった。
4人が車を降り、部屋に入ると、
「来たわね、あと10分くらいよ。」
愛好が声を掛けてきた。
そこにはエルドメット (頭に装着する事でフルダイブ出来る装置)を付けてベッドに寝ている姫野登音良が居た。
その隣には運び込まれたベッドに横たわる少女の姿が。
少女に目を向けた京姫が、
「やっと、なのですわ。」
小さく呟いた。
愛好はベッドの横で部下の女性、津君早華と機器に繋いだノートパソコンで作業している。
緊張感を感じとった京姫たち4人は静かにその作業を見守った。
カタカタと軽快なキーボードのタッチ音とやり取りの声が聞こえてくる。
そんな重苦しさのある時間が過ぎ、登音良がゲームから戻ってきた。
のと同時に屈強な男性2人が登音良からエルドメットを外し、
「ちょっと、何するんだよ!」
騒ぐのも気にせず、拘束して部屋の外へと連れ出していった。
すかさず愛好が外されたエルドメットを少女に装着し、準備していたプログラムを起動した。
しかし、
「主任、ダメです、目を覚ましません!」
少女の生体反応をモニタリングしていた早華から悲痛な叫びが届いた。
それから数分、様子を見ていたが変化がない。
「あれほどシミュレートしたのに、どうして、、。」
この状況と同じ状態にする事が出来ないので、可能な限りの想定で開発したプログラムではあったが、何かが不足していたようだ。
黙って状況を見守っていた京姫が、
「どういう事、なのですわ?
なんで、戻って、こない、なのですわ。。」
悲痛な言葉を漏らした。
「これ以上、どうすれば、、。」
愛好が絶望感を滲ませた声で呟きを漏らした時、
ピローン
スマホがメッセージの着信音を響かせた。
今はそれどころではない、と無視していたら、
ピローン
ピローン
ピローン
ピローン
ピローン
しつこく着信音が鳴り続けている。
「ああもう、この忙しい時になんなのよ。」
苛立ちながらメッセージを見ると、謹慎中の副主任の黒亜九魔からだった。
画面には”見ろ!”だけのメッセージが何度も送られていた。
すると、既読に気付いたのかメッセージが変わった。
「ポケットを確認しろ?」
メッセージの通りに服のポケットを探ると、メモに包まれたUSBメモリが出てきた。
メモには、
┌──────────────┐
│どう、うまくいってる? │
│もし上手くいってなかったら、 │
│それ使ってみな │
│じゃ、ひとつ貸しって事で │
│ │
│九魔 │
└──────────────┘
と書かれていた。
あの子が”貸し”と言っているくらいなのだから、今必要なものなのだろう。
そう考え、ノートパソコンに差し込んだ。
USBメモリの中にはプログラムがひとつ。
カチカチッ
そのプログラムを実行すると、
「主任、意識接続きました。」
モニタリングしていた早華の報告で、みんなの視線が一斉に少女に向けられた。
「脳波の変化を確認、覚醒します。」
言葉のあと、
「うぅ〜ん。」
少女からうめき声が漏れ、
がばっ!
と体を起こそうとして、
ビン!
「にゃわ〜!?」
エルドメットのコードに引っ張られて、
どさっ
ベッドに戻された。
「ぐぬぅ、メットしてたの忘れてた〜。」
なんて事を言いながら、エルドメットを外して少女が体を起こした。
※1年も寝てたのに〜体を動かせるんは〜筋肉を衰えさせへんように〜刺激を与えてたからなんやで〜。
by 超久しぶりの謎の解説さん
「で、ここはどこなんだろ〜?」
見知らぬ場所に居る事を不思議に思いながらきょろきょろしている少女に、
「瀬莉維、なのですわー!」
どーーーん!
「ぐは〜!?」
涙をこぼしながら勢い良く京姫が飛びついた。
そんな京姫に、
「えと、どなた、ですか〜?」
?目になった少女が問い掛けた。
「そ、そういえば、リアルで会うのは、初めてだった、なのですわ。
私は、京姫、なのですわ。」
鼻をぐすぐすさせながら京姫が答えた。
「え、師匠なの〜?
え、え、え、なんで爆泣いてるの〜?」
爆泣きしている京姫におろおろしながら問い掛けていたら、なんとなく状況を思い出してきた。
「そっか、わたしずっと寝てたんだ〜。
どれくらい寝てたの〜?」
「1年に、なる、なのですわ。」
「えええ、そんなに経ってたの〜!?」
それから、京姫がこれまでの事を話し、少女が驚きの声を上げながらも楽しそうに聞いていた。
こうして少女、武導瀬莉維は1年の眠りから目を覚ました。
そして、さくら と ひまわり、たんぽぽ を紹介し、場所を京姫の家に移して5人のガールズナイトが開幕するのだった。
「ついに瀬莉維さんが目覚めたんだよ。」
「一時は〜どうなる事かと〜思ったわ〜。」
「ほんとに良かったんだよ。そして、これで第2戦が完結したんだよ。」
「なんかめ〜っちゃ〜長かった気が〜するわ〜。」
「物理的に、だね。。」
「ほなら〜これからの事〜発表すんで〜。」
「どうなるんだよ?」
「6月から〜"Cランク編"が〜始まんで〜。」
「お楽しみに〜。」




