待ちわびた朝
「まず、一つ謝らなければならないことがある。とある理由で、言えない内容が1つある。そのために話せない内容や伏せる部分がいくつかある。今後、絶対に話すので、許してくれ。」
私はうなずく。冬華さんは嘘をつかないと確信している。そんな目をしている。
「では最初にアリエボを才斗に用いた理由について。
これは、才斗が遅咲きだったことが大きな理由なんだ。遅咲きについては知っているだろう?」
「うん。教場で教わってる。遅咲きは趣味の発現が遅かった人に使われる言葉で、たいてい他の趣味使用者とは一線を画すような能力を得ることが多いんだよね。」
「そう。そして、才斗が実際その例に漏れず、かなりの能力を得るということを信じてた…って言っても説得力がないか。ここは話せないんだが、そこら辺が理由だ。」
「分かった。それで納得しておくよ。」
「次に、ここに連行した目的だが、君たち二人の趣味拡張が主だ。
少し話がずれるのだが、はっきり1つ大きなことを言おう。もうこの研究所に留まる理由がないんだ。
だから今手持ちにあるアリエボ3機を持ってひっそりとここを出る予定だ。
研究員の一部がこのタイミングで寝返ってしまったからかなり計画は崩れたが、対して問題といえる問題もないだろうと思う。
ただ、アリエボの技術が外に持ち出されたことは大誤算だ。今後はアリエボの機能について、外部に漏れたとして行動するべきだろうな。
それはいいとして、才斗と櫻良がある程度の戦闘力を得た時点で私の目的への道は十分。
そして私の目的は、"とある神を破壊すること"だ。」
「ふーん。で、私たちが協力する意味は?」
「今は言えないのだが、意味がある。才斗と、櫻良と、星名と、私がやらなくちゃいけないんだ。」
「星名?なんで星名を知ってるの?」
「それも…伏せさせてくれ。」
そう、星名はにーにが最初に切り取ってしまった人。
にーにの幼馴染で、私も大好きな人だ。
やっぱり冬華さん、本気だ。本気の目をしてる。
「お兄ちゃんがどう言うか、わかんないけど、私は協力するつもりだよ。」
「…ここまで隠してることがあるのにか?」
「なんとなく、冬華さんと行動することに意味がありそうだなって。直感かな。」
「直感で危ないことに足を踏み入れるなんてクレイジーだな。ほんと。」
「はいはい。褒め言葉として受け取っておくよ」
にーにと、冬華さんと、私の三人で、この研究所を登っていく。
「全く、アリエボの研究はほんとに時間がかかったなぁ。」
「地上階に近い方は、ほんとに開発初期段階でしか使ってなかったんだね。」
「あぁ。地上階側はそもそも指令とかに使うつもりもさらさらなかったからな。」
「意外と冬華さんって"いい人"なんだね。」
「それはどうかな。」
「きっとそうだよ。私が保証する。」
「あはは」「ふふふ」
他愛もない話は弾む。
久しく見ていなかった日の目を浴びるまでに。
第一章 完。
第一章を読んでいただきましてありがとうございました!
ここわかりにくいかもなぁって思う部分もしばしばありつつ、
みなさんの読解力にお任せ!丸投げ!みたいになってたら、独自の解釈で呼んでもらって構いません
まだまだ回収されてない伏線、いっぱい張ってます!!!
それをお楽しみに、第二章も読み進めていってくれたらわたくしTenia、喜びます
それでは、今後ともよろしくお願いいたします




