短命すぎる団欒
牢の格子を曲げる。まあ結局ここに入ったのは最初だけだけど。
「口封じたって、タオル詰めて物理的に?あいつらほんとにバカなんじゃない?」
「…私は戦闘系趣味がないからな。」
「最初の言葉はそれ?」
「すまない。…ありがとう。」
「私は、あなたを信用してない。それは本当。でも、お兄ちゃんを悪いようにはしない人だってわかってる。ごめんね、口がちょっと悪くなっちゃって。」
「才斗のことになったら、人が変わるんだな。」
そう、少し微笑みながら言った。
私たちの関係は、悪くはない。ただ、一定の距離がある。だがそれでいい。それが一番なのだろう。
でも、自然とタメ口になった関係性は、たいていいい関係になる。そんな気がする。
「才斗の状態についてだが、これはまずアリエボのせいではない。そして、私の意図的なものでもない。その2つは保証しよう。」
「まあそれは予想通りかな。これ、そもそもデバフかな?」
「いや、これは呪印の部類になる」
「呪印?」
「そうだ。呪印はデバフと違い、治す方法が趣味を用いるしかない。そのため、解呪系の趣味持ちにまず出会うのが前提になる。しかもこれは低級や中級なんてもんじゃない。簡単に解除できるとは考えにくい。
その呪印がいつ、どういう状況で現れたか、教えてくれないか?」
「それが、はっきりとはわからなくて。ただ、お兄ちゃんがお兄ちゃんじゃなくなったときがあって、それ以降いつの間にか…かな。」
「そうか。思い当たる節がないな。
「てか!さっきから色々知らない単語とか複雑な情報が多すぎるよーーー!」
「すまない。とりあえず簡単にまとめると、私が想定していた以上に厄介な状況かもしれんということだ。」
「や、やっぱり…」
「ひとまず、今まで隠していた情報全て話そう。そうじゃないと話が円滑に進められない。」




