その⑥
「オレは養子で育てられたんだ。王族の血は引いていない。力すら受け継いでいないんだ。だから亡き王はオレに彼、魔術師ランディを友にと与えて下さった。」
・・・・・・この人、何かやたらと気配読む人だなと思ってたけど・・・・そんな人だったんだ・・・・・・・
ちょっと感心するわたし。
「しかし・・・・私としてあなた方みたいな力を持つ者を、この力を使え無い世界に置くわけにはいかないんですよ。」
「別に良いじゃないの?
以前にも一名こちらの世界に別の世界から来ちゃってるからさ。今は科学者のおじさんにこき使われてるみたいだけどね。あははっ!」
歳の頃は二十歳前半かスーツの様な姿の男性である。
突然現れて驚く皆。
「マスター!
良いんですか?」
「良いの良いの。この人達はよく知ってるからさ。悪い事に力は使わないよ。むしろ平和を守って見せるかもよ?
それより・・・・・僕は君が何故、僕の代理と名乗っている事が知りたいね。
僕は君を代理にした覚えもないよ。これは帰ってからカルロスにも聞かなきゃね。」
ペラペラ話し終え、マスターと呼ばれる人はランハードの服を引っ張って何処かへと消えて行った。
呆然とそれを見守る三人。
「あれがカミルだ。オレ達に協力してくれた人だ。」
・・・・・へぇ~・・・・・彼が・・・・・・
わたしは彼等が歩いて行った方を唖然としながら見ていた。
「何ボケっとしてんだ。家に戻るぞ。」
沈黙するわたし。
「え・・・?」
「え・・・?じゃねぇよ。お前はオレを泊まらせてくれるんだろ?
って言うか今日からオレ達の家だ。」
「愚鈍な人間と一緒と言うのは気が引けるが、行くあても無いし仕方が無いから泊まってやる。」
・・・・・・勝手に話し進んでるし。って言うか強制!?・・・・・
シルビスはわたしの腕を取り、耳に口を近づけ・・・・。
「今日は全てが解決し気分も絶好調だ。
だから今夜も一緒のベッドで寝ても良いぞ。」
その言葉に赤面するわたし。
「馬鹿ぁぁぁっ!!!」
わたしはシルビスの背中を叩いた。
「貴様!人間の分際で。シルビス様に手を挙げるとは!!!!許さん!!!」
シルビスの周りをクルクル走り回るわたしとランディ。
それを見て笑うシルビス。
「八雲?
学校休んでたと思ったらこんな所でこんな訳の分からない人達と何してるの?
わたし八雲の家まで行ったんだから・・・・・。」
そこには泣きそうにしている千草の姿があった。
「この人達・・・・・昨日のぬいぐるみだよ。人間になっちゃったんだよ。」
わたしが言うと目を丸くしてシルビスの上から下までチェックした。
「うそぉっ!!!とうとう化けたわけ??
ちょっと!まさかこの人達家に上がらせる訳じゃないでしょうね?」
彼等に指差しまくる千草。
「何だ?この糞生意気な愚鈍物は?シルビス様に指を差すな!」
ランディは不機嫌な顔をして突っかかる。
「はぁ?じゃあんたに指差しまくってあげるわよ!」
言ってランディにピシピシと指を差しまわす千草。
・・・・・・あぁ・・・・この先どうなっちゃうんだろ。
でも、わたしは一人じゃないんだ。これからもきっと彼等がいれば寂しく無いと思う・・・・・。
二人の子供染みた喧嘩を見てわたしは色々な気持ちを含ませながら笑みを浮かべた。
【銀色の世界 終】




