ボッチ198 ボッチの届かない思い
ゴールデンウィーク投稿です。
……多分。
…………………え、【最高神】?
な、何が?
一体、何が起きた?
さいこうしんって、あの最高神?
いやいや、そんな馬鹿な!
《熟練度が条件を満たしました。
ステータスを更新します。》
待って! 更新しないでーーー!!
まだ覚悟が!!
何が起きたのか呑み込めてすらいないから!!
と言うかこんなの覚悟なんて決まらないから!!
またボッチに、人という枠組みからまた更にボッチになっちゃうからぁーーーー!!!
《称号【最高神】の獲得により神格が昇格しました。》
ないない!
そんな称号なんて無いからぁーーー!!
認めて無いからぁーーーー!!
そもそも神格なんて無い!!
俺人間!!
最下級神ですら無いからぁ!!
《器を確認中。
【最高神】の最低要件を満たしている事を確認。》
もっと確認しろぉーーー!!
ただの人間が要件満たしてる訳ねぇだろうがぁぁーーーー!!
そもそもこっちとら人類の中でもモブな陰キャ、それも陰キャの中でも上澄み中の上澄み、いや底濁り中の底濁りなボッチだぞ!!
カーストの頂点で光り輝く最高神の素質なんて欠片も持って無いからぁ!!
と言うか俺、何かした!?
何で急に【最高神】なんて称号が飛んで来た!?
全く心当たりが無いんですけど!?
被災者の救助とちょっとした手違いの後始末をしていただけなんだけど!?
一体、何がどうしたら【最高神】に!?
《器を確認中。
【最高神】として世界を管理可能な事を確認。》
いやぁ〜!!
何も受け容れられていないのに勝手に更新が進んでるぅーー!!
何!?
世界の管理って!?
世界を管理する能力なんて無いから!!
やった事も無ければ世界を管理しようと思った事すら無いから!!
そもそも管理とか、管理職みたいなリーダーシップ、有る訳ないでしょ!!
リーダーシップなんてボッチから最も遠いと言っても過言じゃないんだから!!
部下どころか友達の一人もこっちにはいないんだぞ!!
………………。
…………いや、友達を作れないんじゃなくて、選んでいるからいないだけだけども…………。
そもそも、ボッチではないけれども…………。
《器を確認中。
創世の力を確認。
【最高神】の要件を全て満たしている事を確認しました。
【最高神】の効果を全解放します。》
やめてぇーーー!!
満たして無いから!!
最高神の要件なんて一つも満たして無いからぁーー!!
人間から、人間からもボッチになっちゃうーーーーー!!
最高神になったら友達できなくなっちゃうーーーーー!!
ただでさえ友達いないのに!!
…………。
………………いや、友達選んでるからいないだけだけども………。
兎も角、最高神に友達なんかいない。
同等の存在がそもそも存在しないのだから。
これは拙い!
非常に、拙い!!
友達が徹底的に作れなくなってしまう!!
《【最高神】の名を以ってフィーデルクス世界に接続します。
接続中……。
接続中……。
接続中……。
この接続には時間がかかる場合があります。》
頼む、永遠に接続するなぁ!!
と言うか、時間がかかるって忠告、やる前に聞けぇ!!
接続キャンセル出来ないだろうがぁ!!
《世界への接続中に活動を停止しないでください。
消滅する可能性があります。》
怖っ!?
途中で電源切ったらデータが消える的なノリでとんでもない警告が来た!!
と言うか消滅って何が!?
俺!?
それともまさか世界!?
《接続中……。
接続中……。
接続中……。》
永遠に接続して欲しくないが、消滅リスクが長引くから何とも判断できない……。
《フィーデルクス世界に接続しました。》
いやぁぁーーーーーーー!!
全然時間がかからなかった!!
やっぱりこっちも最悪だ!!
《フィーデルクス世界に【最高神】の名を以って“権能”を請求します。
最高レベルで請求を開始。》
俺は、世界と一つとなった。
《請求中です……。
請求中です……。
請求中です……。
請求中です……。》
突如、空から幾多もの光が降りてくる。
それは神々しい光。
それは偉大なる光。
神々の降臨。
『その座は、渡さん!!』
『【神帝】ケペル様に捧げよ!!』
『古き神は、去るがいい!!』
……多分、【最高神】の座を奪いに来た神々の一団だ。
欲しいならさっさと持って行って欲しいんですけども?
利害は一致している筈なのに、降臨して早々に武器を俺に振り下ろして来た。
だが、それは届かない。
「“深淵滅槍”」
リオ爺さんから間髪入れずに放たれた天災を圧縮した暗黒の魔槍。
それは神の剣をなんの抵抗も無く滅消させ、神の鎧ごと容赦無く本体を穿く。
『あ゛ア゛ア゛ーーーーーーーー!!!!』
風穴から黒炎の様に闇が拡がり、名も死ね神は闇に呑まれ消滅した。
……え?
当たり前のように、まるで害虫を退治する様な感覚で滅ぼしちゃった?
……大丈夫これ?
せ、正当防衛と言う事で……。
他の攻撃が届く事も無い。
「“厄災王の暴虐”」
エリアスさんが放った邪悪な色合いの光線。
剣を振るうように放たれたそれは、神々をまとめて両断し、破壊し尽くした。
莫大なエネルギーの塊の様な神々が焼かれ、暗い炎に呑み込まれ、断末魔を上げる間もなく消し去られて逝く。
そして、俺の周囲は瞬く間に静かになった。
……正当防衛と言ったら正当防衛だ。
相手が神であろうと関係ない!
しかし、次々と降臨した神々がアルムスさんを襲撃している。
『ケペルベックの為!!』
『我らが王の為に!!』
『【最高神】は我らが王こそ相応しい!!』
『一度滅びた神が、分不相応な夢を見るでない!!』
何故か、降臨しているのは俺に襲いかかってきた神々よりも数段見劣りする様な力しか感じない神々だが、数は数倍多く増え続けていた。
一応、戦力的にはこの神々よりも格上の神々を一瞬で屠ったリオ爺さんとエリアスさんがいるから問題はないだろう。
しかし、相手は神。
正当防衛とはいえ、戦っていいものなのだろうか?
もう、数柱は滅ぼしてしまったが……。
《“権能”を請求中。》
うわっ、そんな事よりもステータスの更新、止まって無かった!!
《神々を討ち倒す神話が追加されました。
神話を以って請求を継続。
請求中です……。
請求中です……。》
なんて余計な事してくれるんだクソ神共がぁ!!
「滅するぞぉ!!」
「「「御意!!」」」
思わず吐いてしまった憤怒。
それに対して何故か諾と答える天使、じゃなくて自称魔族達。
それぞれ武器を顕現させ神敵へと特攻する。
翼を広げ、全速力で槍を構え神へと突撃する我が眷属。
『天使如きが!! 羽虫が神に逆らうなぁ!!』
はち切れそうな鎧を身に纏った肥えた豚、じゃなくて軍神のコスプレをした豚の様なおっさんが、黄金の剣を振り下ろす。
軍神の一撃に眷属は両断された。
が、その勢いは止まらない。
構えた槍を軍神の腹へと押し込む。
そして―――
「――我が身を以って 願い乞う――」
眷属が激しい光へと、解けて逝く。
同時にその肉体、そして命の全てが、魔力へと変換されて逝く。
『や、止めよ!!』
軍神は叫ぶが、もはや止まらない。
魔力に、術へと変換されてゆく眷属にまともに触れる事すら出来ずに、その時が来た。
「――天の裁きを以って 終焉を――“天の憤怒”」
天を穿く巨大な光の柱。
『―――――――!!』
呑み込まれた断末魔すらも天へと還す終焉の光。
神である筈の軍神(推定)も細かい光の粒子へと、天へと還されて逝く。
軍神は討ち滅ばされた。
眷属の犠牲と引き換えに……。
あっ、巻き戻すように光の粒子が集まり眷属の姿となった。
……ああ、そう言えばこの眷属達の肉体って虚像みたいなものなんだっけ?
確か、俺が持っている核が無事な限り不滅……。
俺が魔力を注げば何度でも復活する……、魔力の供給、自動だったんだ……。
不死身だから神をも滅ぼす捨て身の特攻も何度でも出来る……。
ウチの眷属、強過ぎない……?
と言うかまた、神様滅ぼしちゃったんですけど……?
《請求中です……。
請求中です……。
請求中です……。》
……前途多が……前途が多難過ぎる…………。




