まさかのエンドコンテンツ
さて、何がエンドコンテンツなのか。
それから少し経って。
「……天国」
霧也は何故か、ケモミミ奴隷達に囲まれていた。
フカフカモフモフの毛並みに包まれて、霧也もご満悦の様子だ。
一体、この短時間に何があったのか。
まず、ケモミミ美少女達を認識した霧也は、それまでの態度を一転、恐らく霧也自身も引くような勢いで、彼女達に耳を触らせてくれ、と頼み込んだ。
一応獣人の耳を触ることには色々と大事な意味があるのだが、彼女達は奴隷という身分だということもあり、また、霧也の勢いに押されたのだろう、1人がそれを了承し、霧也がケモミミを堪能して奴隷への嫌悪感やその他諸々を忘れかけていた頃には、その少女も、なんかもう人には絶対に見せられないような表情になっていた。ウサミミっ娘だった。
その後は、そんな彼女の様子に体が疼いた(変な意味ではない。断じて、ない)のか、次から次へとケモミミ少女達が殺到した。
その全てを霧也は受け入れ、嬉しそうに、楽しそうに撫で回し、満足しきった頃には、少女達は全員落ちていた。熱に浮かされたような目で霧也を見つめ、「ご主人さまぁ……」などと呟く者まで現れる始末だ。あえて商人視点で言うなら、もう彼女達は「売り物にならない」だろう。霧也の奴隷所持が、ある意味決まった瞬間だ。やったね霧也君、一気にケモミミ奴隷美少女を10人以上ゲットしたよ。
まぁ、そんなことはどうでもいい。
奴隷達の「ご主人様」呼びにポジション争いの可能性を察知したのかソニアが警戒しているが、それもどうでもいい。
ふと冷静になった霧也が自分のあまりにもハメを外しすぎた行動を思い出して身悶え、周囲に侍るケモミミ少女達を見て頬を引き攣らせているが、それもどうでもいい。
問題は、その後しばらくして、冷静になった奴隷達が霧也から離れて顔を赤らめている頃に起きた。
霧也が、ふと気になって、自分の持つ紅煉と蒼天を[鑑定]したのだ。
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紅煉 武装ランクⅤ
炎を司る、ヒヒイロカネ製の紅き刀。史上最高クラスの強度・切れ味を誇る。蒼天と共に使うことにより、真価を発揮する。
武装スキル
[炎操作Ⅴ][番]
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蒼天 武装ランクⅤ
水と氷を司る、オリハルコン製の蒼き小刀。史上最高クラスの強度・切れ味を誇る。紅煉と共に使うことにより、真価を発揮する。
武装スキル
[水操作Ⅴ][氷操作Ⅴ][番]
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「……」
思わず絶句した霧也を見て、ケモミミ少女達が首をひねる。
しかしそれを意に介さず、霧也は小さく呟く。
「……エンドコンテンツですか?」
ヒヒイロカネ。オリハルコン。どちらも、ゲームなどでは終盤近くになって、下手をすればクリア後になってやっと出て来るような金属だ。
[番]というのは、説明文の「一緒に使えば強くなるよ!」(意訳)に関係するスキルだろう。操作系のスキルはなんとなく効果を察することが出来る。
(……そういえば。[完全模倣])
「武装スキル」というのは模倣出来るのかと使ってみた霧也だが、どうやらそれは出来ないようだ。
と、その時、霧也はふと嫌な予感がして、紫電を[鑑定]する。
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紫電 武装ランクⅤ
雷を司る、ミスリル製の紫の軽鎧。史上最高クラスの強度・軽さを誇る。能力により、装着者の速度が飛躍的に向上する。
武装スキル
[雷操作Ⅴ][電光石火]
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「うわぁ……」
今度は先程よりも少し大きな声で呟く霧也。今度の声は聞こえたのか、ケモミミ少女の1人、最初に撫で(愛で)られに来たウサミミっ娘が首を傾げながら霧也の顔を覗き込む。
それに反応した霧也は顔を上げる。
「ん? 何だ?」
「……え、えっと、急にどうしたのかなって、うぅ……」
まだ少し緊張しているのか尻すぼみになる声に、霧也は思わず微笑を浮かべる。
「いや、別になんでもねぇよ。気にすんな」
「そ、そう、ですか……」
そう言って霧也から離れるウサミミっ娘。霧也は、その自分よりも少し下にある頭を軽く撫でる。すると、ウサミミっ娘の体がピクッ、と震え、次いでその長い耳が動き、霧也の腕にチョンチョン、と触れてくる。
(おぉ、何だこのフレキシブルウサミミ。すげぇ)
多少は近くにあったとはいえ動いて自分の腕に触れるウサミミに霧也がそんなどうでもいい感想を抱く。どうやら、エンドコンテンツに対する驚きは薄れたようだ。
と、その時、いつの間にか止まっていた馬車の幌が開き、デリフが顔を覗かせる。
「皆様、ベルメルタに到着しました――おや」
彼は、ケモミミ少女達を侍らせる霧也を見て、面白いものを見た、というように眉を上げた。
やっぱ、異世界で金属っていえば、ミスリル、オリハルコン、ヒヒイロカネは外せませんよね。それらをいきなり手に入れちゃう霧也君、さすがです。




