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道中のお話。

 時系列的には、第1章が終わって、セイグラッドを出発したすぐ後です。第2章との間に入る感じですね。順番的にも、時間的にも。

 あと、理由はないけど会話オンリーです。どういう状況かは勝手に想像しちゃって大丈夫です。

 それと、本日ももう1話投稿しています。そちらも忘れずに。

「この世界の種族について、ですか?」

「あぁ。この世界にはどんな種族がいるのかと思ってな。ほら、俺が人族だとしても、お前は吸血淫鬼ヴァンキュバスだし、リラはエルフだろ? だから、他の種族も気になってな」

「なるほど、そういうことですか。それでは、説明させていただきますね」

「おう、頼む」

「まずこの世界の種族は、大きく3つに分けられます。ご主人様の言ったように、人族がいて、リラさんのエルフのような亜人族と、私のような魔族ですね」

「へぇ。よくあるやつだな」

「よくあるやつ、ですか?」

「あー……いや、こっちの話。気にすんな」

「はぁ……では、続きを。まず人族ですが、これは悪く言えば最も特徴のないタイプです。基本的にはどの分野に対しても飛び抜けた才はありませんが、逆に言えばどんな分野でも卒なくこなせる感じですね。言ってしまえば、1番『普通』です」

「おぉ、すげぇ言われよう。人族かわいそ……って、俺もか。で、次は?」

「はい。次は亜人族――と行きたいところなのですが、それは魔族の後にします。そちらの方が説明しやすいので。そして、魔族ですが、これは基本的に、種族的に魔属性適正を持つ者達のことです。また、魔族は総じて魔力が多く、魔法の扱いに長けている傾向にあります。ですが、魔属性以外の魔法に関する適正はあまり持っていませんし、私で言えば吸血衝動や性衝動に悩まされることもあります。魔属性と優れた魔法の才がある代わりに、厄介な種族特性を持った人族、という感じですね」

「へぇ、なるほどな。ちなみに、地球の創作物だと人族と魔族が敵対してるってのが多かったんだが、この世界はどうなんだ?」

「そうなんですか? ここでは、そんなことはありません。だからといって友好的という訳でもありませんが……『厄介な種族特性』の対象に人族がなる場合もありますので。まぁ、良くも悪くも無関心、と言ったところですかね」

「ふぅん。あ、そうだ。だったら、魔王ってのはなんなんだ? まさか、魔族の王って訳じゃねぇんだろ?」

「それはもちろんです。魔王は、魔族ではなく魔物の王ですね」

「魔物か……もし戦うことになったら大変かもな。[模倣コピー]が出来ねぇ……あぁ、話を戻そう。で、残りの亜人族は?」

「あ、はい。亜人族は、それ以外、という感じですね。正直、種族が多すぎて把握出来ていないのですが……代表的なのは、獣人やエルフ、ドワーフなどですね。これらで言えば、獣人は獣の特性を取り入れた人族、エルフは風の扱いと狩りに長けた人族、ドワーフは鍛冶に長けた人族、といった感じでしょうか。見た目の特徴は抜きですが……」

「なるほど。あれだな、ケモミミ美少女は男子の憧れだよな」

「はい? ケモ……ミミ? 何ですか? それ」

「……いや、多分、獣人が大して珍しくもないこの世界の住人には伝わらねぇと思うからいい」

「むぅ……なんかさっきから、はぐらかされてばかりな気がします」

「……気のせいだろ」

「あっ! 間、間が開きました! 絶対分かってましたよね! 図星でしたよね!?」

「そんなことはないぞー」

「めんどくさくなってる!? ご主人様ヒドイですー!!」

「うおっ、ちょっ、やめっ、肩揺さぶるなっ!」

「……貴方達、少しは静かに出来ないの……?」

「そう思うなら、これ、止めて、くれよ、リラ……」

「……いやよ、面倒だもの。アルクにでも頼めば?」

「え、そこで僕に振るの?」

「もう、誰でも、いいから、止めて、つか、そろそろやめろぉっ!」

「はぐぅっ!? ごっ、ご主人様っ、それ、また、アイアンクひぎゃあぁぁっ!!」

「ご主人様に逆らった罰だこの野郎」

「……容赦ないわねー」

「……キリヤ君、顔が怖いよ?」

「うわあぁぁんっ! ごめんなさぁぁぁいっ!!」

 魔王は「魔族の王」ではなく「魔物の王」。一応、これだけ覚えておいて下さい。役に立つかは分かりませんが。

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