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ぼっちが転移で自由人。  作者: 浅野陽翔
とりあえず、異世界だから冒険者
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絡まれたら無視するよね。

 キリのいい所で終わらせようと思ったら短くなった。次は長め……だといいね。

「あっ、ご主人様、見えましたよ。あれが“冒険者の街”セイグラッドです」

 そのソニアの声に、霧也が顔を上げる。すると最初に見えたのは、街を囲む巨大な壁。そして、その壁に取り付けられたこれまた巨大な門と、そこから続く長蛇の列だった。

「でっけー……冒険者の街っつうからもっと薄汚い感じのとこ想像してたんだけど、結構綺麗なんだな」

 霧也の言葉に、ソニアがクスリと笑う。

「まぁ、冒険者の中にも貴族出身の方がいたりしますしね」

「へぇ、貴族ねぇ。俺、貴族ってあんま良いイメージねぇんだよな」

「そうですね、中には平民を見下すような方もいますし」

「だよなぁ」

 そんな話をしながら、2人も街に入るため列に並ぶ。が、その列はいっこうに進まない。

「……なぁ、これ、先に報告だけでも出来ねぇかな?」

「あぁ、早くしないと起きてしまいますよね……分かりました、報告に行ってきます」

 そう言ってソニアが列から離れようとするが、霧也がそれを引き止める。

「待て、ソニア。俺が行く。メイドに盗賊団捕獲したって言われても、説得力ねぇだろ」

 霧也の言葉にソニアは少し考えるようにしてから頷く。

「では、私はここで並んでいますね」

「おう。じゃ、行ってくる」


==========


 列から離れた霧也は、少し離れたところにたまたまいた騎士らしき人に話しかけていた。

「……盗賊団を捕獲した?」

「あぁ。ここの近くにある森の洞窟にアジトがあった。今はそこに縛って転がしてある」

 騎士は、こんな子供にそんな事が出来るのだろうかと訝しみつつも、念の為確認しない訳にはいかないと自分を納得させる。

「ここの近くとなると、コリンの森か。分かった、そこに兵を何人か派遣しよう。確認が取れるまでそこにある詰め所で待っていてもらえるかな?」

「……すまないが、冒険者ギルドに来てもらう事は出来るか? そこに用事があるんだ」

 随分と自己中心的な物言いだが、これが村崎霧也という人間だから仕方ない。例え心象が悪くたって、仕方ないのだ。

 騎士も霧也の言葉に一瞬眉をひそめたが、悪意は無いと分かると仕方ないか、とばかりにため息を吐く。

「……分かった。確認が取れ次第ギルドへ向かおう。その用事とやらが終わっても動かないでくれると助かる」

「あぁ、問題無い。わりぃな、手間をかけて」

「いや、気にしないでくれ。盗賊団にはこちらも手を焼いているからね」

「そうか。それじゃあ、また」

 霧也はそう言うと、手を振りながら列へと戻って行く。

「……何故だろうな。ただの子供にしか見えないのに、実力の底が知れないように感じる……他の子供達とは、何か違う感じが……」

 それを見ながら、騎士は――エルガド王国騎士団副団長、アルク=クレントは、そうひとりごちるのだった。


==========


 霧也が列に戻って来ると、なにやらソニアの周りを取り囲むように柄の悪そうな男が5人ほど立っているのが見えた。

(あれ、絡まれてる? こういうのって、ギルド入ってからのテンプレじゃなかったっけ? あぁ、でもまぁ、メイド服着た美少女……いや、年齢的に美女か? まぁいいや、そんなんがこんなところに1人でいたらそりゃ目立つよなぁ……)

 そんな事を考えながら、霧也は男達を完全に無視してソニアの隣に行く。男達がソニアにあまり近付いていなかったから、別に気にせずともいいだろうと判断したのだ。

 それを見た男の1人が、何やら怒ったように声を荒らげる。

「おいてめぇ、何急に割り込――」

「あ、お帰りなさいませ、ご主人様。報告は終わったのですか?」

 しかし、ソニアにも男は見えていないようだ。当然のように男の言葉を遮っている。

 霧也が少し不憫そうに男を見る。一瞬だけ。思えば、隣に行くまでソニアはずっと虚空を見つめていた気がする、と霧也は考える。

「あぁ、とりあえず報告はな。確認してから、ギルドの方に来てくれるらしい」

「おいてめぇら無視してんじゃ――」

「そうですか。それでは、早めに登録を済ませなければいけませんね」

「あの、ちょっ――」

「そうだな。来てもらって待たせるってのもわりぃしな」

「うっ、うっ……何で無視す――」

「えぇ。あ、ほら、もうすぐ私達の番ですよ」

「ん、ホントだ」

「もうやだ、僕もう帰るぅっ!」

 男が走り去っていく。これは霧也達の番が近付いているからであり、散々無視された後の泣き言まで遮られて、心が折れた訳では無い。決して、無い。例え口調が少し子供っぽくなっていたって、絶対に違うのだ。

「……少しやり過ぎたか?」

 男達が逃げて行った方を見ながら、霧也が少しバツが悪そうに言う。

「いえ、しつこかったので、清々しました」

「あ、そう……」

 ソニアは満足なようだ。

 そんな事を話している間に、霧也達の番だ。もちろん、通行料はソニア持ち。霧也は、今までの代金を倍にして返そうとひっそり誓うのだった。

 副団長なんて人が何故こんなところにっ!? あんまり考えてないです。多分、おそらく、何かが起きる。

 ……でも、そこまで大した理由でも無いと思う。

 ちなみに、副団長さんはイケメンだと思います。死ねばいいのに。

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