第9話 メイダの気持ち
「他に聞きたいこととは何だ?」
どっちかというとこっちが本題だな。
「メイダは俺のことを護衛兼ペットがほしいから連れて来たと言ってたけど、それって本当にそうなのか? 護衛ならいくらでもいるだろうし、ペットなら犬や猫を飼えば良いじゃないか」
俺の質問にガロは少し困っていたが、
「あまりこのことは話したくないのだがな。 この際教えよう。メイダお嬢様はこの国の第7王女であり高い身分である一方、メイダお嬢様のお母様は平民でな。 お嬢様を産んだ時に亡くなってしまったんだ。 平民が母親のせいか家族からは疎まれ、家族以外からは王族である故に対等に接してもらえなく、 ずっと1人だったんだ」
………俺は前世でも今世でも両親はいるし友達もいたからメイダの気持ちを完全に理解することはできないが、メイダがどれだけ孤独だったかは感じれる。
「あの強気な性格は元々な部分もあるのだが、この寂しさを紛らわすためのものだろう。 そんな寂しさを埋めるためにレイをここに連れて来たんだと思う」
そうか……そういうことならペットだろうが遊び相手だろうがなんでもなってやろうじゃないか。 メイダに服とか買ってもらったし。
「教えてくれてありがとう、ガロ。 ガロには色々してもらったし、 何か助けになることはないか?」
何かしてもらってばかりじゃ俺が落ち着かない。
「ふーむ……それならレイの毛並みを堪能しても良いか? 昔から犬が好きなもんでね。 嫌なら断ってくれてもいいぞ」
俺は犬じゃなくて気高き狼であるがまあ良いだろう。 そんなことで助けになるならいくらでもモフらせてやろう。
「そんなことで良いなら存分にモフってくれて良いぞ」
「じゃあ遠慮なく」
…………………ハッ!
いつの間にかガロの膝枕で眠ってしまっていたようだ。ガロは今俺の腹毛をモフっているところだった。 あの腹が出てる寝巻きってこのためのものなのか?
「起きたようだな。 首元を触っていたら寝ていたぞ。 気持ちよかったなら何よりだ」
メイダもガロも手馴れてやがる。どこでそんな技術手に入れたんだ?
そんなことを考えていたら談話室の扉が開いて、お風呂上がりに可愛いパジャマを着ているメイダが入って来た。
「ちょっと! 探したんだから! 2人ともご主人を置いてどこをほっつき歩いt……ガロ! 何私のペットを許可なくモフってるの?!」
いきなりそんな大声出さないでくれ。
「お嬢様! レイの毛並みはだいぶ具合が良くて気持ちいですよ!」
「あぁもう! レイもレイでご主人様以外のやつに何で気安くモフらせてるのよ!」
「これはガロへの感謝の気持ちだよ。 ご主人様には後でいくらでもモフらせてあげるから許して下さーい」
そんな他愛もない会話をしてから俺達は談話室を後にし、夕食へと向かった。




