第7話 お風呂場での攻防
湯気のせいで体の部分は見えない。
え????? 流石にそれはまずいだろ。 後で行くってそういう意味かよと思っていたが、
(これはキャッキャウフフのチャンスなのではないか? メイダは美人だし……来い!)
とも考えていたら、次の瞬間そんな思いもすぐに消えた。
メイダはバスローブを着ており、肌の露出は一切なかった。
「ご主人様がペットを洗いに来たわよ! さあレイ、全身くまなく洗ってあげる」
そうなってくると恥ずかしくなってくる。 あっちは服を着ていてこっちはもふもふの体毛で見えにくいとはいえ全裸なのだから。 急いでしっぽで前は隠した。
「自分で洗えるから大丈夫です!」
「なに恥ずかしがってんのよペットのくせに、早く洗いやすいよう横になりなさい。 これは命令よ」
ズンズンこちらに向かってくるメイダ。どうにか隠しながら逃げる俺。
「逃げるんじゃないわよ! 私が直々に洗ってあげるっていうのよ! 大人しく従いなさい!」
そんなことを言われたが流石に恥ずかしい。
その後逃げてゴネ続けたら、背中側だけは洗ってもらうことで勘弁してもらった。
「いつか全身洗うから覚悟しなさい」
ひぇ……
そんなこんなで背中を風呂場に置いてある泡で洗われ始めた。メイダの手際はかなり良かった。
結構気持ちいいな。
「次は耳洗うわよ」
「はーい」
と油断してた瞬間
「んっ…」
思わず声が出ていた。 耳の中を人の手で洗われるのがこんなに気持ち良いとは思っていなかった。耳の内側をほぐすように触られると、ふぁああと情けない声も出てしまった。
「ふーん、耳が弱いのね。 じゃあしっぽの方はどうかしら」
「ちょっと待っ」
言い切らないうちにしっぽを引っ張られるように洗われた。
「んぎっ!」
叫び声のようなものが口から出た。 しっぽを引っ張られる方が耳をほぐされるよりやばかった。
「しっぽの方が感じるのね。 レイの弱点はわかったわ」
とニヤニヤしていた。 ぐっ……不覚。
背中を洗い終わる頃には、俺はもうぐでんぐでんになっていた。
「今日はこれくらいにしといてあげる」
「ふぁいぃ」
メイダは泡を流したら満足そうにスキップで風呂場から出て行った。
気持ちよかったが、メイダにこんな情けない体たらくにされて悔しい気持ちで溢れた。 我慢強くなることを固く誓った。




