表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/40

第38話 お出かけ

ニィーテが来たので、やっと依頼を受注することになった。

「この潜入捜査依頼とかおもろそう!」

「何を言ってるんだお前は。魔獣狩りの予行練習だと言っただろう。受けたいなら、1人の時に勝手に受けろ」

「そんな言わんでも……」

ちょっと面白そうな依頼があったから言ってみただけなのに、めっちゃ怒られた。

「当日まで何と戦わされるか分からないから、小型と大型の2つの討伐依頼を受けようと思う。異議は?」

「ないっす」

貼ってあった依頼書を2つ取り、俺たちは受付に向かった。

「この2つを受注する」

慣れた手つきで、ニィーテが受付のお姉さんに依頼書を差し出した。

「ニィーテさんですね。お連れの方々も冒険者カードのご提示をお願いします」

冒険者カードってなに?

俺以外の4人は当然のようにカードを受付の人に見せていった。

「はい大丈夫です。獣人の方もご提示ください」

「その冒険者カードってやつ持ってないです」

「あっ、レイはそういえば持ってなかったわね。今登録しなさい」

「新規登録の方ですね。では名前と年齢と種族をこちらにお書きください」

羽ペンと羊皮紙らしきものを手渡された。結構簡単に登録できるんだな。

「狼獣人で年齢は15歳、お名前はレイ様でよろしいですか」

「合ってます」

「では最後に写真を撮らせてもらうので、奥の部屋までお願いします」

この世界写真あるんだ。魔法ってなんでもありだな。

俺は奥の部屋に、受付のお姉さんに続いて入った。

「白い壁を背にして立っていてください。ポーズはお好きなようにして大丈夫です」

どんなポーズにしようかな。

よし、この凛々しい口を強調するために、横顔でキメよう。

「申し訳ありませんが顔は正面でお願いします」

「あ、はい」

もう何も思いつかなかったので、ピースするだけで終わった。

「では写真ができ次第、冒険者カードを渡すので、少しお時間頂きます」

「はい」


それほど時間が経つこともなく、受付のお姉さんは俺のカードを持って戻ってきた。

「こちらレイ様のカードになってます。紛失した場合は再発行は可能ですが、料金をいただくことになります。また、依頼を一ヶ月受けてない状態が続いた場合、カードが失効してしまうのでお気をつけてください」

「了解っす」

無事に俺の冒険者カードを作ることが出来たので、依頼を受注することができた。

「なんでみんな当たり前のように冒険者カード持ってんの?」

「私とミライは冒険者志望だから当然持ってるわよ。ニィーテとヴィリアは分かんないけど」

「わ、私は家が貧乏で……だ、だからなんでも良いから稼がなきゃって」

ヴィリアって臆病そうな割には行動力あるな。

「へぇ、すごいね。ニィーテは?」

「言うつもりはない」

「えー、なんでよ」

「そんなことより早く向かうぞ」

まあ別に聞いて何かあるわけじゃないしな。


これから狩るという魔獣の生息地までは、結構距離があるらしいので、俺たちは馬車に乗って行くことにした。

「5人だ。ここから東の森林まで頼む」

王都から出たあと、近くに止まっている馬車の御者にニィーテが話しかけに行った。

「そこの4人はいいが、その獣人はだめだ」

おっと? もしかして久々の獣人差別ですか?

「獣人は気性が荒く凶暴だと教会から聞いているからな。商売道具に傷をつけられたらたまったもんじゃない」

「レイを馬鹿にしないでちょうだい。万が一があっても、私が飼い主としてしっかり手綱を握ってるから大丈夫よ。早く乗せなさい」

「はい、従順なペットです」

耳をぺたりと倒し、しっぽも丸めてかしこまる。こんな礼儀正しい獣人が凶暴なわけないでしょ。

「はぁ、妙な真似したらすぐに降ろすからな」

少しトラブルがあったが、無事に出発することができた。

王都から出て、周りの人がいなくなったので分かったことだが、ずっと俺たちに着いてきている人がいる。

敵意は感じないので、これが多分ガロの言っていた護衛だと思うのだが、馬車に置いてかれたりはしないのだろうか。馬車ぐらいなら乗せてあげた方が良かったんじゃないか? 

今のところついて来れてるらしいから気にしなくていっか。


着くまで暇なので、ニィーテに討伐対象について聞いてみた。

「これから狩るのってどんなやつ?」

「オークとゴブリンの群れだ」

「なんだ雑魚じゃーん」

「侮るな。お前達が戦ったゴブリンとは訳が違うぞ。今回はあいつらに地の利があるからな」

そうかなぁ? 昔森で狩ったゴブリンは弱かったけどな。

「ゴブリンもオークも……魔獣じゃないけどいいの……?」

「魔獣も魔物もあまり変わらないから問題ない」

そんな感じで色々話していたが、ヴィリアが静かすぎることが気になった。俺の予想ではゴブリンとオークの話を聞いた時に、「うにゅうぅ、私には無理ですぅ」とか言うと思ったんだけど。

そう思って俺のしっぽを抱き枕にしているはずのヴィリアを見たら、

「え、寝てる」

すんごい気持ちよさそうに寝ている。

「ヴィリア! しっぽを抱くことは許したけど、寝ることまでは許してないわよ!」

メイダが怒鳴ったが、ヴィリアが起きる気配はない。

「前みたいに緊張させるよりは良いじゃん。着くまでこのままにしとこうよ。ほら、この耳ふわふわだよぉ。触ってみたくならない?」

「そんなことで私の機嫌をどうにかできると思わないことね」

そう言いながらもメイダは俺の耳をモフりだしている。

その後ミライもモフりたそうだったので、声をかけたら間髪入れずに突っ込んできた。

「ほらほら、ニィーテもどうかな?」

どうせ断られると思ったのだが、

「それなら遠慮なくいかせてもらおう」

えっ、まじ? 絶対「結構だ」って言われると思ってたのに。

断られると思って誘ったものの、ニィーテも参加することにより問題が生じた。

もう俺のモフれる箇所はほとんどないという問題だ。

しっぽはヴィリア、上半身はメイダとミライがモフッてる。足もあるが、そんなにモフモフはしてないから推奨はしない。

ニィーテはどこを触る気なんだろうか。伸ばされた手がどんどんと俺に近づいてくる。果たしてその手の行先とは!

ズボンを超えてパンツの中に伸ばしてきた。

「ッ?! なにしてんの?!」

驚きのあまり飛び跳ねて後ろに下がった。馬車が少し揺れる。

「おい獣人! 暴れてんなら降ろすぞ!」

「俺今被害者です。セクハラされました」

「意味わかんなーこと言いやがって。次はねーぞ」

なんなんだこの子……。びっくりしすぎて飛び跳ねちゃったぞ。

「ニィーテくん? 君は何をしようとしたのかな?」

「モフって良いと言われたから触っただけだが?」

「いや、うーん、なんかさぁ、ズボンの中ならまだしも、パンツの中なら一言あっても良いと思うだよね。俺はペットだけど、一応区分としては人間なんだし」

「そういうものなのか。それはすまなかった」

何この子怖いんですけどぉ……。ちょっとだけ感覚がズレてる感じがする。

「ご主人様とミライごめん。怪我とかしてない?」

「私は大丈夫だけど、それよりヴィリアの心配した方がいいかもしれないわよ」

あっ………。ヴィリアがしっぽに抱きついてんの忘れてた。

あたりを見回したら、隅の方で俺に吹っ飛ばされたらしいヴィリアがうつ伏せになっている。

「あぁ〜……だ、大丈夫ですか〜?」

ゆすっても起きないので、仰向けにしてみる。

「うわ、寝てる」

変わらず気持ちよさそうに寝ている。

こいつすごいな。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ