第36話 メンバー
お互いを知るため、俺たち5人は自己紹介することにした。
5人でグラウンドの芝生に円を描くように座り、まず俺が先陣をきらせてもらう。
「レイです。メイダのペットやらせてもらっておりまする。ポジションは前衛」
「メイダよ。魔力量はあるわ。言っとくけど様付けはいらないから」
「私は……ミライ。回復が得意…」
俺の知ってる2人の自己紹介は終わったので、次は初対面の2人に自己紹介してもらった。
「ニィーテだ。その獣人と同じく前衛をする」
俺に傷を負わせた、小さくて可愛い感じの少年はニィーテというらしい。
これで残りはメイダが選んだ女子だけなんだが……。
すごい縮こまりながら、何かぶつぶつと言っている。大丈夫か?
「えっと、そこのお嬢さん? 自己紹介してもらったりとかはー、できる?」
「ひゃ、ひゃい! できまひゅ! 迷惑かけてご、ごめんなはい!」
「おう、落ち着け」
すっごい口下手な子だな。とりあえず落ち着かせてから話させよう。
「はぁ、魔法はすごいんだから、もっと堂々としなさいよ。あなたはそれだけの実力があるわ」
「そ、そんな私なんか! たまたま今日は運が良かっただけでしゅ……です! メイダさんに比べたら、わ、私なんか道端に転がったこれから見向きもされないようティッシュです!」
自分を貶す時だけ流暢だな。あのメイダが褒めてるんだから、もうちょっと自信持てばいいのに。
「わ、私はヴィ、ヴィリアです。こ、こんな私が選ばれてすいましぇ……せん! あぅ、やっぱりダメです! 今すぐ辞退してきます」
「待て待て待てや。 一旦落ち着いt……行くなぁ!」
ヴィリアが立ち上がって校舎の方に駆け出して行ったので、追いかけて止めた。
「なんで辞退すんのには躊躇ないんだよ。そんなに不安なら俺のしっぽ抱く? 落ち着くよ?」
涙目になっていたヴィリアは、無言で俺のしっぽに抱きついてきた。やはりモフモフは全て解決してくれる。
ヴィリアをしっぽに引っ付かせたまま、元のみんながいる所に戻ってきた。
「ちょっとヴィリア! それは私の枕よ!」
「す、すいません!」
「ヴィリアを止めるためだから今は許して? 夜は好きにしていいから」
「言ったわね。覚悟しときなさいよ」
なんの覚悟?
何かの覚悟をさせられたが、今は気にせず体育祭について話すことにした。
「今回は魔獣狩り……だよな? うん合ってる。その魔獣狩りのために、何か練習した方がいいと思うけど、案ある人挙手!」
ニィーテが挙手せず話し始めた。
「魔獣狩りの練習は魔獣狩りしかないだろう。明日と明後日の休みにギルドで依頼を受けるぞ。良い依頼を見つけるには早くが良いだろうから、朝にギルドで集合だ」
「はいそれ決定〜。ほな解散」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
ヴィリアが俺のしっぽに抱きつきながら声をあげた。何かあるのか? ニィーテの案で良さそうだけど。
「わ、私依頼とか受けたことないし、あ、足手纏いになります! だ、だから他のに……」
「君ならできる! あと俺も受けたことないからダイジョブ! 解散!」
「う、うぅ〜」
ヴィリアは臆病すぎるだけで本当はできる奴ってメイダから聞いてるし、ヴィリアの意見は聞きません。
決まったメンバーを会長に報告した後、今日は帰ることにした。
メンバーを報告した時、ジャズがニヤニヤしながら「欲に忠実なのは良いことだな」って言ってきたが、なんだったんだ? テカーリアにもちょっと睨まれたし。うーん、わからん。




