第24話 初授業Part2
歴史やっと終わった〜〜。全くわからなかったし帰ったら復習しないとな。
疲れたけど次は体育だから頑張れる。
着替えは女子が教室で、男子は更衣室でするらしいので移動しようとしたら、
「どこ行こうとしてるのよ。 貴方はここでいいじゃない」
「残念なことに俺はオスなんだよね。 じゃっ」
屋敷の中ではさておき、ここは他の女子もいる。メイダが許しても世間が許してくれはしないだろう。
それでもメイダは俺のしっぽを掴んで止めてくる。ビクッてなるからしっぽ掴まないで……
「ここはご主人様だけじゃないからね。 さすがに駄目だよ?」
「はぁ、しょうがないわね。 着替えたらすぐ戻ってきなさい」
しっぽを掴む手を離してくれて俺は自由になったところで、アルベルト、ネスと更衣室に向かった。
「女子の着替えを見ようとするなんて……レイ、お前はやっぱりそういう奴なんだな」
「今のでお前らはそう見えるのかよ」
更衣室は鍵の付いているロッカーが並べられてる感じの普通の部屋だった。
俺が服を脱いで着替えていたら、アルベルトやネス、周りの生徒達にじろじろ見られていた。
「なんだよ、なんか言いたいことでもあるのか?」
俺にも最近は無くなってきたが、恥じらいはまだ残ってるので着替えをガン見されると恥ずかしいからやめてくれ。
「ごめんごめん。 僕はレイ君の体がどうなってるのか気になってさ。 それにしても綺麗な毛並みだね」
「ふんっ、毎日俺はご主人様にブラッシングされて可愛がってもらってるからな」
「俺もメイダ様と話したい!」
「仲良くしたい!」
「可愛がってもらいたい!」
口々に男子達は俺に要求してくるが、最後の以外は多分行けると思う。
生徒達はメイダを怖がってはいるが仲良くしたいらしいし、メイダが自分から話してれば友達なんてすぐにできたんじゃないか? あの性格なら無理か……
「まあ俺がご主人様との橋渡ししてみるから。 その後は自分で頑張れよ」
着替えも終わり校庭に集合らしいので向かったが、女子達は着替えが終わってないらしく1人もいなかった。
「体育って何すんの?」
「まあ体育は遊びだから色々だな。 外ならサッカーだったり持久走したりで、屋内ならバスケとか水泳とかか?」
おっ、知ってる単語が出てきたな。サッカーやバスケもあんのかこの世界。水泳やりたいな。
「レイ! 着替えたら私のとこに戻ってきてって言ったでしょ?」
どうやら女子達もグラウンドに着いたらしい。
「えー、どうせすぐ会えるんだからいいじゃん」
「ペットのくせに口答えしない」
「次から気をつけるから」
俺とメイダの関係もだいぶ分かってきたらしく、周囲の生徒達からは温かい視線を向けられる様になった。
体育の先生もグラウンドに来て、いよいよ体育が始まりそうだ。やっと動ける!
「よし! 全員集まってるな。 今日は久しぶりの体育だから持久走をするぞ! 体操した後はこのグラウンドを全速力で20周だ!」
「めんどくさー」
「持久走かよー」
「私走りたくなーい」
体育の先生にみんなはブーイングしているが、俺は動けるならなんでもいいし早く動きたい。
「獣人って運動神経が人間よりも遥かに高いんだろ? 俺と勝負しようぜ! 体力には自信があるんだ」
「ほーん、俺も結構自信あるけど良いかな?」
フレンダとの訓練でだいぶ体力が上がっているからな。アルベルトがどんなもんかは知らないが負けるつもりはないし、こんなとこで負けてたらメイダの名誉も落ちてしまう。
「僕はゆっくり走るから2人で楽しんでね」
「つれないなーネス」
体操もしていざ勝負となった時、メイダがこちらに寄ってきた。
「走るの面倒臭いから私を担いで走りなさい」
「先生は良いって?」
「聞く必要ある?」
「絶対ある」
ブーブー言いながらメイダは先生に聞きに行ったが、駄目だったらしくへこたれている。
「私は自分のペースで走るから、レイは先に走って良いわよ。 はぁめんどくさい」
担ぎながらは結構きついと思うし、メイダには悪いけど却下されてよかった。
そんなこんなで持久走はスタートした。
初めは俺とアルは並んでいたが、アルは最初から全力だったらしく、10周目ぐらいからペースが落ちてきた。
「アル君大丈夫かなぁ? きついなら負けを認めてくれても良いんだよ?」
「あぁ?! 諦めるわけねぇだろ! まだ俺は行ける!」
おぉすごい、ペース戻ってきた。じゃあ俺もそろそろ本気出しちゃおっかな?
俺は全力で地面を蹴って駆け出し、アルを置き去りにした。
「!!!!!」
アルが後ろでなんか言ってるが、今は顔と耳に当たる風が気持ちよくて何も考えられない。
あぁ〜〜すげぇ気持ちぃ〜〜。
前方にいる人は全部追い抜いていく。アルも途中で何回か追い越したから俺の勝利は確実だろう。
「レイ! もうみんな20周終わってるわよ! いつまで走ってんのよ!」
……………え? あっ、走るのに夢中で周りに人が居なくなってるのに気付かなかった。やだ恥ずかしい。
俺はすぐさまメイダに駆け寄った。
「早く言ってよ。 恥ずかしい思いしたじゃん」
「皆があなたに呼びかけてたわよ。 それでも反応しないから私が呼んだら止まったってわけ」
えぇ、そんな俺集中してたの?
「今回の勝負は俺の完敗だ。 でもいつかはレイに追いついてやるからな!」
「いや無理でしょ。 レイ君のあの走り見た後によく言えるね」
「なんだと?!」
そういえばアルと勝負してたな。どっちにしろ俺の勝ちだから良いけど。
体育も無事に終わり、着替えて教室に戻ったらメイダがブラシを持って俺を待ち構えていた。
「運動後はブラシをするものってミライが言ってたわ! さぁ上半身脱ぎなさい」
「りょ」
着替えたばっかで面倒臭いけどブラシしてもらいたいしええか。
「私も………ブラシして良い?」
「もちろん良いわよ!」
今日はミライも俺をブラッシングするらしい。ペット持ちのお手並み拝見といかせてもらおうかな?
…………う? 目を覚ますと机に頭を乗せていた。あぁ、俺また気持ち良すぎて寝たんだな。ミライの技術もすごいと思うが、俺が弱すぎる可能性が出てきた。
「すごい………こんなにすぐ寝る子初めて見た」
はい、俺が弱すぎただけでした。 こんな体たらくだといつか日常生活に支障が出そうである。
「これでブラシは終わり! お次はもふもふタイムよ!」
メイダがモフろうとしてきたが、丁度鐘が鳴って先生が入ってきた。
「ざんねーん、また次の機会まで我慢してください」
「良いとこだったのに!」
俺はすぐに服を着て、バッグから魔法基礎の教科書を出した。
さて、魔法基礎とはどんなもんであろうか。




