第八話 銀河決戦・炎獄のマグナム戦線
宇宙は真紅に染まっていた。
アクス隊のマグナム部隊が、ついにヘンゼルとグレーテルのバイオ兵器“マグナム”へ総攻撃を開始する。
マーシャルの怒号が通信を貫いた。
「全隊、配置につけ! ギャラクシー5を仕掛けるぞ!」
「ギャラクシィー5 発動!」
イーグルとマーシャルの機体が合体して
特攻!ミサイル共にバーバラが相手を
切り裂く、最後にアクスがマグナム砲を
敵の頭上に飛び乗りマグナム砲連写!
「囮はオレだ!」
イーグルのマグナム《ブルーバード》が光の尾を引いて突撃した。
「人使いアライ熊めぇぇぇっ!」
叫びながら、ブルーバードはナパーム弾を連続投下!
ドカァァァァンッ!!
爆炎が赤い海のように渦巻き、グレーテルのマグナムを包み込む。
「熱っちぃぃぃ! この野郎ぉぉ! 細菌ミサイル、連続発射ぁ!」
グレーテル機の腹部が開き、無数の細菌ミサイルが唸りを上げた。
ボッン
「追尾ミサイル発射! 電磁ショック弾、投下ッ!」
イーグルは反転し、電磁ショック弾を敵陣に叩き込む!
バリバリバリ!
電気の奔流が敵マグナムの電装を焼き切り、システムを破壊!
「うっごごごごご……あ、あああっ!」
細菌封じ込めが切れたマグナム内部では、傭兵たちがサルモネラ菌に侵食されていく。
体温が上がり、皮膚が泡立ち、絶叫が通信を埋めた。
イーグルは顔をしかめながら、辛うじて生き残ったミサイル群の間をすり抜ける。
機体がきりもみ回転し、光と煙の中を突き抜けた。
「アクロバットだねぇぇ……えへへへへ。」
グレーテルのマグナムが、狂笑しながら追尾してくる!
マーシャルが指示を飛ばす。
「準備OKかい、アクス!」
「いざ、参る!」
その瞬間、マーシャルのマグナム《ゲイボルグ》がブルーバードの上に乗りかかった。
合体戦闘形態だ!
だが敵も動いた。
「お兄ちゃーん!」
グレーテルのマグナムが、ヘンゼル機の進路へ突進!
衝突!!
二機のマグナムがぶつかり、金属の悲鳴が宇宙に響く!
「ディック!全弾発射だ!」
「了解ッ!」
ミサイルアーミーの背中から、30本のミサイルが光の尾を引いて発射された!
「ゲイボルグの槍よ! 悪しき者達に正義の鉄槌を下せッ!」
「─ゲイボルグ・ジャスティス!!!」
マーシャルの槍が三十束の光と化し、グレーテルの装甲を貫く!
しかし
「そんな攻撃じゃ、回復できるさぁ!」
ヘンゼルのマグナムが自己再生を開始、装甲の裂け目が再び閉じていく。
その時、白銀の閃光が走った。
「死の舞……オリハルコンのナイフ!」
爆煙の中から、バーバラのマグナムが飛び出した。
数百の刃が一瞬にして走り、敵機を刻む。
「とどめだぁぁぁぁ!」
アクスのマグナム《レッドオーシャン》が、燃え上がる敵機の上に馬乗りになった!
「吹き飛べッ! マグナム砲、連射ッ!」
1発目!2発目!3発目! 4発目!
「まだ……回復できるはず……!」グレーテルがかすかに笑う。
アクスの瞳が光る。
「5発目! 6発目! 7発目! 8発目!──ギャラクシー5ッ!!!」
爆発は銀河の闇を貫き、宇宙が一瞬だけ昼のように輝いた!
どっどどどっどどどどどどぉぉっぉどどおおおおお!!
ボォォォーーーーーーーーーーーーーーン!!
グレーテルのマグナムは完全に消滅した。
しかしヘンゼルの機体は、まだその形を留めていた。
「まだ……戦える……あははは……」
だが、その背後に赤色の霧が忍び寄る。
「まさか……その色は……!」
マーシャルが息を呑んだ。
赤色の霧。細菌ガス、サルモネラ型ウイルス。
「うごごごごげげげげげぇぇぇぇぇっ!」
ヘンゼルのマグナムは真紅の霧に包まれ、機体ごと溶けていく。
「悪い奴には、それ相応の死が待ってるんだな……」
アクスの言葉が静かにこだました。
ヘンゼルの断末魔が消えた後、宇宙にはただ、燃え尽きた鉄と静寂だけが残っていた。
アクス隊は、ゆっくりと旋回し、宇宙戦艦へ帰還した。
爆炎の残光が彼らのマグナムを照らす。
戦いは終わった。
だが、銀河の闇はまだ沈黙していない。




