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【SF5位達成】『哀しみのマグナム』リバイバル  作者: 虫松
第三部 アジア大陸戦線

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第二話 ハーン将軍 蜀の部隊

中国大陸・南西部 蜀軍司令部。


雨季の湿った空気の中、旗が重たげに揺れていた。

室内には、赤い絨毯と歴史的な武具が並ぶ、古風な装飾の司令室。そこに響く声は軽やかで、しかし場違いな猫語混じりだった。


「火星軍は新型アーマドマグナムを開発したそうですにゃー」


将軍席で、奇妙な仕草をしながら首を傾げるのは――ハーン将軍。

軍服を着てはいるが、どこか子どもじみた雰囲気がにじみ出ている。


側近の参謀が資料を手に答えた。


「確認されているだけでも三機。従来型とは段違いの性能のようです」


ハーン将軍は「うにゃ〜」と声を漏らし、椅子から立ち上がると部屋を落ち着きなく歩きまわった。


「困ったですにゃー、どうしましょうかにゃー!中国のピンチですにゃー!!」


それを見ていたマーシャルは、眉ひとつ動かさず、背筋を伸ばして静かに言った。


「将軍、落ち着いてください。状況は深刻ですが、慌てるべきではありません」


「マーシャル殿、あなた冷たいのですにゃ〜。この国の未来がかかっているのに!」


その時、格調高い声が部屋に入ってきた。


「ご安心を。すでに対応は進めております」


入室してきたのは、白い長衣に軍扇を持った若き軍師の諸葛孔明であった。

冷静沈着な瞳で資料を確認しながら、ゆっくりと説明を続ける。


「すでに、劉備、関羽、張飛、馬超――“四霊獣部隊”が出撃しております。火星軍の新型に対抗できるのは、彼らしかいません」


「そうですにゃ! 朱雀!青龍!玄武!白虎! 最強の4機ですにゃー!」


(……指揮はこの孔明が実質的に握っている。将軍は……飾りか)


マーシャルは口には出さずとも、落ち着いた視線で全体を観察していた。


「私はその現場の様子を確認しに行きます。本部への報告も兼ねて」


孔明は軍扇を軽く下げ、一礼した。


「ご同行をお願いします、マーシャル殿。バーバラ殿もご一緒に」


バーバラは軽く頷く。


「中国の機体、見せてもらおうかしら」


「くれぐれも油断なきよう」


その数日後――


霧雨に煙る山岳地帯。列を成して進む兵士たちの中で、ひときわ異彩を放つ巨体が4機。

それが、中国伝統の霊獣に名を冠した、蜀のアーマドマグナム部隊だった。


【朱雀】

挿絵(By みてみん)

劉備専用:空を切り裂く鳥型マグナム。火焔に包まれ、空中突撃を得意とする。


【青龍】

挿絵(By みてみん)

関羽専用:長大な青龍刀を備えた中距離型。破壊力は圧倒的。


【玄武】

挿絵(By みてみん)

張飛専用:鉄の甲羅で重装防御、巨大な鎖釜を振り回し広範囲をなぎ払う。


【白虎】

挿絵(By みてみん)

馬超専用:四足歩行型。爪と牙による接近戦に特化した突撃マグナム。


兵士たちは静かに整然と進軍する。歩調の乱れは一つもない。


バーバラがそっとつぶやく。


「すごい……機体も兵も、完全に訓練されてる」


マーシャルは無言で歩きながら、低い声で続けた。


「精神面の練度も高い。アクスたちにとっては、今までにない難敵となる」


彼の目は前方の戦線を捉えていた。その先に、火星軍の気配が漂っている。


その頃、火星軍・アクスたちはパキスタンからインド国境へと進軍を開始していた。


「これから……俺たちは本当の地獄を見ることになるかもしれないな」


アクスは、空を仰ぎながら小さくつぶやいた。

インド戦線、そして四霊獣との激突が、刻一刻と近づいていた。


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