第十二話 魔王軍
村にワープしてきて最初に起こった出来事……それは、ゴブリンの襲撃だった。
「ギー! ギー!」
鳴きながら襲い掛かってくる。
「黙れ、こっち来んな! 見んな! 消えろ!」
俺は、渾身の力で銀の剣を振り下ろす。だが、死なない……えっ?
「涼一!」
勇が剣でもう一度斬りつける。ゴブリンが音を立てて消え去り、ピコンという音がする。経験値が入ったようだ。
「助かったよ」
「いいんだ。でも油断はしない方がいいぞ。こいつら……そこそこ強い」
周りを見渡すとこの村の駐屯部隊らしき兵士達と魔物が交戦しているようだ、一部には、村人たちで組織したらしい義勇軍らしき姿もある。だが状況はあまりよくないようだ。押されている。
「キャア!」
悲鳴に後ろを振り返るとアリエルがゴブリンに襲われていた。またかよお前、ゴブリン野郎!死にやがれ!
「おりゃあ! 喰らえ、銀の剣!」
叫びながら剣を振り下ろすと今度は一撃で倒せた。ふう。
「あ、ありがとうございした! リョウイチさん!」
「いやいや、全然だよ! でも油断しないでね!」
もう、翔や恵理たちは魔物たちと戦闘を開始しているようだ。
「涼一! 俺達もいかないと」
「ああ、アリエルもさあ行こうぜ!」
「はい!」
「うおりゃあああ!」
叫びながら突撃する俺。
「ギー! ギー!」
「黙りやがれ!」
最強の剣、銀の剣をまたもや振り下ろしたが……また、死なない。
ゴブリンがこちらに攻撃を仕掛けてこようとしている。ひやあ!
「ボルム!」
アリエルの放った炎がゴブリンに命中。消えさった。
「ありがとう、助かったよ」
「仲間ですから!」
微笑むアリエル。その微笑みはどこか凛々しかった。
「くっ! こっちに来るなあああ! 早く逃げろ!」
感傷に浸る暇もなくまたもや現実に引き戻される。どうやら、逃げ遅れたらしい家族の父親らしき男性が妻と娘を庇って剣を振り回している。だが、ゴブリンは一般人が戦うにしては強すぎる、早く助けなければ。
「おい、こっちだ!ゴブリン!」
走りながら斬りつけるとゴブリンは消え去った。ピコンという音がして……ドドンという音もする。
Lv4になった!
HPが16になった!
攻撃力が4になった!
防御力が4になった!
魔法防御力が4になった!
素早さが4になった!
この状況でレベルアップしてもゆっくりステータスを確認してる暇なんてねえよ!
「助けてもらってありがとうございます!」
「勇者なんだからそんなこと当り前さ!早く逃げろ!」
男性とその家族にそう言うと俺達は戦いを続けた。




