第百四十八話 三属性魔法剣!
そのころ、フォライーはエトワル城の裏山、聖魔像のある神殿にきていた。
聖魔像の目の前でなにやら古文書らしきものをもち、片手に丸い異物を持っていた。
「レビ記によれば、聖なる心臓は魔と聖の二つに別れておる」
そういい、興味深そうに手に持っていた異物をみた。
「だとすれば、わしがエトワル城聖魔殿から入手したこの神玉がその一つ。しかし、もう一つはどこに行ったのだ? ウィードも持っているようではなかった」
いうと、空を仰ぎ見た。空は曇っていた。
「一体どこに?」
いうと、持っていた異物を像の心臓の部分にある丸い象りをしたところへ挿入した。
しかし、像には何も起こらなかった。
ピクリともしない。
フォライーは首を傾げた。
「どれ、魔力を入れてみるか」
「そおれ、破壊神バルバトス様、魔の心臓により魔力を注ぎましょうぞ」
いうと、フォライーは、力を入れ、かなりの魔力を注ぎだした。
空間にずれを感じる。
「くはぁ」
「はぁ、はぁ、」
「この魔の神玉は神か? 魔力の底がない」
かなりの魔力を要したのか、いつにもまして、フォライーはせこそうだった。
「おかしい、なにも起こらん。レビ記よ、どれ」
そういい、手に持っていたレビ記を読みだした。
レビ記のあるページでフォライーは目を止めた。
「なに、聖の神玉は、虹色?」
「待てよ、ウィードの魔剣の柄には丸い虹色の玉があったような」
「まさか、魔剣に隠していたのか」
「どうりで無理矢理レビ記を奪わないはずだ。そうなると、ウィードはこっちに向かっておる」
フォライーは杖を握り、不敵な笑みを浮かべた。
「くはは、神は私を見捨ててはいなかった。一石二鳥だ。魔神復活の時だ」
「魔獣に倒されたあと、止めをさしてやるぞ」
そういい、フォライーはその場を後にした。
☆☆
フォライーが魔力を注入している頃、ファイたちは激戦を繰り広げていた。
「ち、なんて数の魔法だ!」
「はぁ、躱すので精いっぱいだ。埒が明かねー」
デッドライガーは全ての手、六本から攻撃魔法を繰り出していた。
その数は無数に近い。
かなりアレンジが施されており、普通の術者が唱えるものよりも、格段に強力だった。
あたりは、魔法の山になっていた。
六本の腕全てから攻撃魔法と、近づいてきて、凄まじいくらいのパワーによる攻撃をお見舞いしてきていた。
「ぐぁあぁぉ」
デッドライガーは咆哮をあげると手に魔法のエネルギーを収束しだした。
この量からして、魔法力はほぼ無限に近いものと思われる。
誰の目にもそれは映った。
「炎と雷、氷、二発ずつだと」
「ファイさん、気を付けて下さい、どれもレベル3にあたる魔法です」
エリューが後ろから匙を投げた。
「レベルが高かろうが、全部躱してやる、こい」
ファイは言うと剣を構え横手に飛んだ。
デッドライガーの攻撃魔法の山がファイを追う。
「真正面」
「なら、炎殺剣!」
ファイは対空で攻撃魔法に対し、技を打ち込んだ。
魔法と技がぶつかり、伯仲し、その場で弾けた。
「おら、もういっちょッ! とっときな!」
「相殺した?」
キュラが声音を上げると同時に、他のデッドライガーが魔法を山のように放ってきた。
「ち、なんてスピードの魔法だ」
それをファイたちは瞬速移動でうまくかわしていく。
「くそ、反撃する余地がねー、なんてスピードと数だ」
あたりは攻撃魔法の威力で、地下といえど、粉々に地盤が吹っ飛ぶくらいまで岩石が四散していた。
魑魅魍魎、まさに地獄の絵巻だった。
そのときだった。
キュラが動いた。
「魔法なら魔法!」
「私に任しておけ」
「炎、雷、氷の魔法よ、私にこい!」
なにを想ったかキュラは自身の動きを止め、敵の攻撃魔法を全て受けようとしていた。
囮になったのか。誰の目にも攻撃を引き付けるようにみえた。
しかし、このままクリーンヒットすると、キュラでも生死が危うい。
エリューが止めようと走り出した。
「キュラ様―」
「いけない、あのままじゃ」
ファイが魔法を躱しながら、一瞥し、いったその時だった。
「炎、雷、氷!」
「キュラ様ーやめてー」
エリューが泣き叫ぶと同時に、キュラは何かを発動させた。
「何十こようと! 三属性魔法剣!」
七体のありったけの攻撃魔法が、キュラ目掛けて、襲い掛かった。
その数、無数だ。
「ぐぎゃおおお」
デッドライガーはすさまじいくらい、キュラに打ち込んでいく。
魔法のエネルギーが弾け、バックボーンができている。
「そんな」
エリューは涙目になった。
そのときだった。
なにやら、キュラの様子がおかしい。
エネルギーが爆発することなく、キュラを包み、魔法剣レイジングライアを視点として拡充していた。
一体これは?
「敵の攻撃魔法を全て吸収した?」
テアフレナが妙なこといった。
「キュラ様は、同じ属性の攻撃魔法を同時に唱え、その攻撃魔法の力に加算したのだと思います」
エリューが魔法を使うもの考察を素直に述べた。
ファイがニコリと笑った。
「なるほど、力には力ってわけか」
「さすがどん」「やっぱり、やるぅ」
後ろの方でボンとニミュエたちも感心しきり、歓声を上げていた。
キュラには自信が生まれていた。
「どうした、魔獣、かかってこないのか、獣でも怖気づいたのか」
「ぐがぁぁ」
「フン、なんのぉ」
土壇場でデッドライガーの強力な一撃をうまくキュラはかわした。
そして、反撃にでた。
俊足に地を蹴り、キュラはエネルギーが収束した剣で切りにかかった。
「しねぇ、トリプル魔法剣!」
「がはぁ」
見事にデッドライガーの懐に入り、一体見事に魔法剣で薙いだ。
「やったわ、やった、一体倒したよー」
「ぐぎゃはぁ」
デッドライガーはその場に倒れ伏した。
「さすが、ソレイユ最強の魔法騎士だ」
ヒョウがいうと同時に次の攻勢にキュラは出た。
「まだまだ!」
「はぁ、しねぇ!」
DOWOOONNNN!
「危ない!」
なんと、キュラが次の一体を薙いだ瞬間、後ろから別のデッドライガーがキュラに向かってパンチを繰り
出していた。
そのパンチをファイが剣で受け止めた。
ファイの足が威力で地面に減り込んだ。
「ファイ、ぐ、ぐぐ、何て力だ、受けるので精いっぱいだ」
「ぐ、ぐぐ、キュラ様、俺たちが援護する」
「おらぁ」
「レギン殿!」
レギンがファイに殴りかかっていた、デッドライガーをパンチで吹っ飛ばした。
「どうした、本場の獣よ、立てよ、パンチ一つでお陀仏か」
「ぐぎゃぁ」
デッドライガーが怒り、レギンに向かっていったその時だった。
「やぁ!」
DOSHUUU!
「三体目!」
キュラの三属性魔法剣が精彩を放ち、華麗にデッドライガーを仕留めた。
その矢先だった。ヒョウが動いた。
「自動小刀!」
「凍れ!」
なんと、仲間がやられたことに、衝撃を受け、一瞬動きが止まった瞬間、ヒョウは残りのデッドライガ
ーの足元にナイフを打ち込んで、瞬時に術を放った。
キュラの近くにいた魔獣の足元を凍らせて動けなくした。
しかし、魔獣の力を考えるとほんの一瞬だ。
「キュラ様、いまだ!」
「もらったぁ!」
「ぐぎゃぁ」
「やったか」
近くにいたデッドライガーの喉首をキュラは三属性魔法剣で斬って仕留めた。
しかし、後ろの方にいた魔獣だけが仕留めれず、魔獣はそれをみると逃げた。
「ち、一体、逃がしたか」
「まぁよい、一難は去った」
ヒョウが逃げている一体を追おうとした。
しかし、それをキュラが手を水平にし、いくなととめた。
「ヒョウのおかげだ。ヒョウが魔獣の足を凍らせてくれなかったら、私の攻撃で始末できなかったからな」
キュラの疾風迅雷の捌きで窮地を切り抜けた。
キュラは魔法剣を解いた。
そして、神殿のある方を見やった。
「よし、みんな、神殿に向かおう」
「後少しです、皆さん僕についてきてください」
ウィードに続き、秘密の地下通路を進行していった。
☆☆
おつかれさまです。こんな遅い時間帯でも読んでくださってる方ありがとうございます。
なるべく、この時間帯くらいに更新したいと思います。
朝と目安にしていてもらえると。
読者様の声援が書くもののバイタリティです。
読み物としてみていただけるとうれしいです。
バルバトス編、後半。ファイたちどうなる。
応援よろしくお願いします。
またあしたお会いしましょう。




