第百四十七話 六本の腕から放たれる魔法群!!
魔獣の一撃をうまくファイはかわし、魔獣デッドライガーとの死闘が続いていた。
「なんて力とスピードだ」
ファイがいうとヒョウが妙なことに気づいた。
さっきより、魔獣の手の数が増えていたのだ。
「おかしい、さっきは二本だったはず、この魔獣、手が六本あるぞ」
みな、厄介だと顔をしかめた。
レギンが啖呵を切った。
「一つの攻撃を躱しても、後の五本でやられるってわけか」
「躱すなら、全部躱せっていうわけか」
ファイが続けて剣を構えながらいった。
そのときだった。
ウィードが駆け寄ってきた。
「まだ、フォライーが復活に必要な玉石の場所を知らないのが救いです。もし、仮にもう一つの聖なる心
臓を手に入れていても、破壊神バルバトスの復活は不可能です」
「手に入れる前に、壊せってわけか」
ウィードの言葉にファイが答えた。
隣にいたレギンが戦斧を構え威嚇しながら言った。
「坊主、その前にこの厄介な敵を粉砕しねーといけねぇぞ」
「わかってら、おっさん」
「相手は攻撃する手の数が多い、姫様に近寄らせるな」
「はい、キュラ様」
緊迫感が犇めく。レイティスが構えながらいった。
ボンも後ろの方で頭を隠して、体を震わせ、隠れていた。
ニミュエも近くにいた。
ニミュエはファイのことが心配で仕方なかった。
テアフレナが姫様の前に立ちはだかり、エリューの方を向いた。
「エリュー、もしもの時に備えて、攻撃魔法の詠唱か」
「そういうテアフレナ様も防御系と攻撃系魔法両方詠唱してるじゃないですか」
「ふ、万が一だ」
テアフレナがいったその時だった。
「ウィード様、仕掛けるのは気を付けてください。私がサポートします」
「サリア」
サリアがウィードの前に立って守ろうとした。
だが、ウィードはサリアの前にまた立って、ありがとうの視線を送った。
家臣が主君を守るのは当たり前。しかし、ウィードからすると濁せなかった。
ファイが重い口を開いた。
「昔、ステンノって魔族が攻撃する手の数を増やす術を使っていたが、あれ以上だ」
「なんなら、切り落とすか」
「できればな」
ヒョウの言葉にファイが応える。
しかし、敵のポテンシャルは、ステンノと同等、それ以上だ。しかも、魔界の魔獣。
それに付け加えて、一体という数ではなかった。七体いた。
「ぐあぉおおぉ」
一体の魔獣が吠えると、そこに七体が集まりだした。
瞬間的にエネルギーが膨張し拡充していく。
「なんだ魔獣が集まりだした」
「いけない、みなさん、離れて下さい、あれは雷撃の魔法です」
「な、なに?」
「六本の腕から魔法力が収束している」
一瞬だった。
「しまった、やられる」
DWWOOOONNN!
「雷壁!」
なんと、この魔獣スピードとパワーが強いうえに、魔法が使える。
しかも、その魔法をアレンジして、収束までさせることが可能なようだ。
エリューが咄嗟にファイたちの前に入り込んで防御魔法を唱えていた。
しかし、防ぎきれなかったのか、エリューの耐熱ローブが少し燃えていた。アレンジはエリューの手によって強く施されているだろうが、それよりエネルギー量が上のようだ。 堪えしのいだのだ。莫大な雷のエネルギーを。
「畜生、なんて技だ」
「マジか、雷撃魔法六本の腕、七匹分なんて」
「はぁ、ふぅ、少し熱いですけど、耐えれました。みなさん大丈夫ですか」
エリューは額の汗をぬぐいながらいった。
テアフレナが話し出した。
「雷壁かエリューそなたも違う属性の防御魔法を用意していたようだな」
「万が一です」
「でも、あれより上を放たれたら、全部は防ぎきれません」
魔法を一回に六発撃てる輩が七体いる。
闘いは熾烈を極めた。
☆☆
昨日も遅い時間帯に読んでくださっている方々ありがとうございます。
なんとなくですが、作者もそれがわかるのでうれしいです。
一日一回になりますが、また明日更新します。
この物語をかいてるとバイタリティが出ます。
不思議な感覚です。
ステンノ戦も昔の作話にあるので興味があれば、戻って読んでみてください。
またあしたお会いしましょう。




