第百三十二話 封印されし時の強者
加勢が入り、魔王ダギラスとの死闘が繰り広げられていた。
「なんだこいつは」
「先代魔王ダギラスの不死化だ」
「魔王?」「そ、そんな」
ウィードがいったあとに、エリューが声音をあげた。
ファイがその時、ヒョウの近くに来て語り掛けた。
「ヒョウ、お前を死なせはしない。力をすべて使うな」
「…しかし、食い止めるには」
その瞬間だった。また、魔王ダギラスが攻撃を仕掛けてきて、ものすごい、反発する圧力が封印呪にかかった。
ヒョウがせこそうな顔をする。
「ぐぐ、反発する力が凄い、魔闘気がもたない」
エリューがそのとき、キュラの方を向いて、何かを考察したようにいった。
「キュラ様、勝算があります。魔王が魔法陣から動けないのなら、私とテアフレナ様でありったけの魔法を叩き込み
ます。さっきした魔法攻撃が魔王の肢体にきいているようなので」
「なるほどな、骨を燃やして溶かすわけだな、いいだろう、我らは魔法攻撃をスムーズにできるように援護する」
キュラの声にウィードとファイも同意のジェスチャーをした。
「了解だ」「わかりました」
そして、ウィードが切り出した。
「奴の力を削げば、ヒョウの封印呪の効果で封じ込めれるかもしれないってことですね」
その瞬間だった!
「魔法力全開! やぁあああぁ」
「魔法力よ、燃えよ」
テアフレナと、エリューが魔法力を爆発させた。
いつにもまして、気迫が入っており、二人の力は限界を超えていた。
ファイがヒョウの方を振り向いた。
「ヒョウ、絶対に死ぬな、お前を俺は死なせない」
「ち、反発する力がすごいぜ、もつか」
ヒョウは不敵な笑みを見せた。
だが、相当の反発する力がかかっており、口から血が滴り落ちていた。
魔王は攻撃の手をやめなかった。
「く、ちょこまかと、これでもくらえぇ」
「トリプルフレアメテオ」
DWWOOONNNN!
すさまじい魔法の威力だったが、上手い具合にヒョウの氷封印呪壁である程度は防ぎこんだ。
魔王自身に魔法の影響が及ぼされる。
「ぐがはぁああ、呪縛障壁か。おのれい、魔法の貫通を妨げるのか」
魔王は力づくでも、相手の力を削ぎ、壁をぶち破る算段だった。
「く、ちぃ、何て力だ、魔闘気、もってくれ」
ヒョウが、心臓を抑え、口から血を出した。
みなの表情が厳しい。このままではヒョウが危ない。
「やっぱり、魔法が効いてる」
エリューが声音を上げた。
緊迫感がひしめく。
そのときだった。
「いくぞ、魔王ダギラス! 魔法剣の錆にしてくれようぞ」
キュラが打って出た!
「雷柱撃!」
電撃の波が、魔王を襲った。
魔王はそれをいとも簡単に相殺する。
「フハハ、かゆい、かゆい、その程度の攻撃、我の防御壁をもってさえすれば」
「それだけと思うな、ここだ、魔王」
「やぁあぁぁつ」
「なに!」
「ぐはあぁ、手が、我の腕が」
なんと、キュラは魔王の懐に飛び込み、魔王の左腕を肉もろとも切り落とした。
「やった、奴の手を切り落とした」
「骨再生」
「なに、落ちた腕が引っ付こうとしている」
魔王は、余裕ぶった面持ちで、不敵な笑みをみせ、体を再生させようとしていた。
「くっつけさせるな、だが、肉片は落ちているぞ」
キュラがそういった矢先だった。
「魔法の道を作る!」
ウィードだ。ウィードが剣を構えて投入しようとしていた。
「風魔弾!」
「なんの、これしきの衝撃、粉砕してくれようぞ」
風の弾丸をうちこみ、魔王の衝撃波を打ち消すのに成功した。
だが、ヒョウは相当なダメージを一刻ごとに食らっていた。
「ちぃ、まだか、魔闘気がもたない」
ウィードが道を作ったその瞬間!
魔法力が爆発した!
「骨よ、燃えてなくなって」
「フレアメテオ」
DWWOOONNNN!
「くはぁぁ、体が燃えるッ」
エリューだ。エリューの炎系最強魔法が魔王に飛来した。
テアフレナが同時に動いた。
「まだまだ、熱爆撃(アトミックメテオ!)」
「か、からだが」
熱と炎の力が融合し、溶ける頻度が凄くなっていた。
これを狙っていたのだ。
魔王は展開中の魔法の威力で体が燃えていた。
その勢いをファイは見逃さなかった。
「いけるぞ、これならどうだ!」
「炎殺剣! 連撃!」
ファイの攻撃で、見事に魔王の左足首を切った。
魔王はその場にずさりと、バランスを崩し倒れこんだ。
「足を、なるほどな、態勢を崩させたわけか」
だが、魔王はすぐに切られた部分と肉体の再生を始める。
「骨再生」
その瞬間をエリューたちは見逃さなかった。
攻勢に出た!
「再生させるな、今だ」
「フレアメテオ!」「フレアメテオ!」
DWWWWOOOOONNNNN!
「くはぁああ」
この一撃が、勝機を決した。
「今だぁ、アイスレヴィ、俺に力を!」
「氷封印呪壁」
封印呪が最大限の力で展開し、魔王を魔法陣の奥へ押しとどめていった。
「からだが、体が戻らぬ」
「おのれぃ、元の体さえあれば、お前らなど、生気がッ、瘴気がッ」
「封印呪!」
ヒョウは力をぐっと強める。
魔王はそれに反発するが、とどまらなかった。
「眠りにつけ魔王ダギラス!」
ヒョウは左手を前に出し、紋章を光らせ、魔闘気を出した。
「くはぁ、お前らなど……」
DOWWWWOOOONN!
「はぁ、はぁ、封じ込めたか」
これが、勝機を決した一瞬だった。
ヒョウはその場に倒れんだ。
魔闘気をほとんど使い、永劫に力を反映されるものの、反映されるまでのチャージの時間がかかる。
だが、魔王ダギラスを魔法陣の中に再び封じ込めることに成功した。
その場の誰の目にも笑みが浮かび上がった。
ファイがかけより、ヒョウの腕を肩にかけた。
「ヒョウ、俺の肩を使え、やったな」
「すまない、ファイ。それにみんな」
ウィードが近づいてきて、言葉を紡いだ。
「お見事です、ヒョウさん、魔法陣の中にまた封じ込めるなんて」
「ウィード様ありがとうございます。だが、俺が死ねば、氷封印呪の壁は消える。そうなると、残された魔法陣の効力だけになる」
キュラが旋毛を曲げた。
「魔王がまた復活する可能性があるということか」
「そうだ。骨にはなっていたが、死んではいない。奴はゾンビ化している。いわゆる不死だ。完全に消してしまわない限り、復活するだろう」
ヒョウは懸念し続けざまに言った。
「そうなると、バルトカムの民が窮地に陥れられる。魔法陣の効力が続いていれば、魔法陣からは出れないだろうが、何をするか、予測がつかない」
「なるほどな、テアフレナ、何か策はないか」
「誰がその魔法陣で封じ込めたかは知りませんが、その呪縛魔法陣を完全な状態で施すことができれば、再復活は防げるかと」
「私もそう思います」
エリューとテアフレナが頷きながら言った。
その言葉を聞くとみなに少しだけ笑みが浮かび上がった。
キュラが再び口を開いた。
「大分、傷を負ったな、陣営に帰って、治してもらえ、ファイ、ヒョウ」
「へへ、そうしてもらうぜ、血が止まらねーや」
「ファイさん凄いケガ」
ファイは腕と腰に鋭い傷を負っていた。
エリューは近寄って、ファイの傷に手を当てた。
「奴め、攻撃を仕掛けるとき、俺に波動をぶちあててきたみてーだ」
「ファイ様、私が完全に治します」
BABABA!
「ああ、すまねーな、奴の攻撃が当たったみたいだ」
エリューが回復魔法をかけだすと、ファイの傷は治っていく。
そのときだった。
「兄ちゃん、俺がリングでここに鍵をかけて封鎖するよ」
「ニスカ」
ニスカが入り口から引き返してきて、リングを差し出した。
再度鍵をかけに来たのだと思われる。
エリューがそれをみて、びっくりしたように言った。
「それは、魔法アイテムのマジックリングですね。鍵解き専用の」
「そうだよ、おねぇちゃんよく知ってるね。ここの扉の近くの石の下に置かれていたんだ」
「もしかすると、それは、魔導大戦時、ダギラスを封印したもののものかもしれない」
「ダギラスを封じた時か」
ウィードがいった。
ファイの傷が完全に完治した。
それをみてキュラはこくりと頷きながらしゃべった。
「よし、ファイは完全に治ったな」
「魔法が使えないものが開けるときにつかったんだな」
「なるほどな。よし帰るぞ、ここはまた扉を閉じて、ロック魔法をかける。前より強力なのをな」
そういい、重い扉をしめ、テアフレナが強力な魔法の鍵をかけて、その場を後にした。
魔王は生きている。魔法陣の中で。魔法陣の効力が切れれば再び出てるくる可能性もあることに違いはなかった。
誰の目にも懸念の色だけが残った。
☆☆
今日まだ更新します。
物語は更新していくのでよければブックマークなどお願いします。
貴重な時間有難うございます。
この物語は基本魔王アガスラーマを倒すまで続きます。
ですが、続編かくかもです。
しばらくしたら、閑話挿入が入るかもです。
読者様も肺炎にはここ二週間三週間の間は気を付けて下さいね。




