表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/661

第百十一話 結界寝具



バリラード森林地帯の中途まで来て、ファイたちは野宿をし、夕食の準備のために各自、食材を探しに出かけていた。


ファイたちが行っている間、キュラたちは寝床をどうするか、周りを見ては、安全な場所をずっと探していた。


キュラが、唐突に何か思いついたのか、ボンの方をみた。


「おい、ネコもん、このままでは姫様が危険だ。姫様が一夜あかすのによい寝床アイテムはないか?」


「ネコもんじゃないどん、ボンバルフェルガ二世だどん」


「じゃぁ、ボン、ないか?」


 キュラがさらっというと、ボンは自慢そうな顔と素振りをした。


「よくぞ聞いてくれたどんな、キュラ様。あるどんよ」


 いうと、提げていたアイテム袋にボンは手を突っ込み、何かを取り出した。


「じゃーん、秘伝ネコアイテム、『猫テージ』!」


「ねこてーじ?」


 ボンが高らかと手を上げだしたものは小さな猫の形をしたキャップだった。

 かなり、自慢そうな顔つきと態度だった。


 一同は面食らった。人が入れる大きさではなかったからだ。


「ふざけてるの、そんな小さなのにどうやって人が入るのですか」


 テアフレナが怒ったおももちでいった。確かに言い分は判る。


 ボンはフンと鼻を鳴らせておどけわらった。


「そういうのも今のうちドンよ。テアフレナ様、よくみておくだどんよ」



いうとボンは何歩か歩き、キュラたちから少し離れた地面に猫のキャップ、猫テージをおいた。


 一体どうしようというのだ。



 次の瞬間だった。



「猫テージ、展開!」



「えぇ~?」



 一同がまた面食らった。ネコのキャップが小さなコテージ並みのネコ型の家に変わったからだ。



「猫の帽子がネコ型の家になった。うそでしょう」



 テアフレナは驚きの色を隠せなかった。ある意味魔法より凄い作用だったからだ。



 レギンが手を叩きながら、称賛を寄せ、ボンに言い寄った。



「ネコもん、お前の一族のはすげーな。ぶったまげたぞ」


「えっへん、おいどんに掛かればこれくらい、序の口ドン、なははは」



 ボンは調子に乗り、首を上に向け高笑いをした。



 近くにいたアザレが目を手で押さえ、嘆息を吐いた。



「すぐ調子に乗る猫だ」



「まぁ、アザレ副将軍いいではないか。無礼講といこう」



 そして、言うとキュラは一呼吸おいて話し出した。



「姫様の安全が最優先だ。我らが外で待機し、一夜、守り通せばいい」


「それも大丈夫ドンよ。この猫テージはコテージ化すると、半径三歩分のところまでモンスターが入れない聖なる結界を張れることができるドンよ。今も見えない結界が三歩以内なら張られてるドンよ」



 ボンの言葉に一同が驚きの色を隠せなかった。みな、喜んでいるような感じだ。



 キュラはほっとしたように微笑みながら相槌を打った。



「ほう、猫にしては上出来だ」




「ボンという名前があるドンよ」



 ボンが不服そうな顔で言うと、キュラはすねたボンをいさめるように言った。



「そう怒るな。ボンのアイテムのお陰で我らは、姫様を守りながら眠ることもできるのだ。助かったぞ、礼をいうぞ」



「なはは、我が一族にかかればこれしきのこと。しかしどんよ、結界は魔族とか強力無比な敵の攻撃なら防げれない可能性もあるドンよ」



 安心した途端、ボンの口から唐突なことをいわれ、皆が顔色を一瞬でかえた。


「なに?」



 アザレ副将軍が不安そうな顔で重い口を開いた。



 そして、続けてアザレはいった。



「ということは、侵入可能ということか」



「よっぽどの敵の魔力を付した攻撃があった場合だけ、保障できないドン」



 自慢そうだったボンも、顔色を一瞬だけ変えた。



 だが、確かに魔族の攻撃までを完全には防げそうにないのは面子もわかっていた。



 しかし、防いでほしい。誰の目のも浮かんでいた。




 ボンは一呼吸おいてまた話し出した。



「おいどんにもわからないどんよ。強力な敵のときつかったことないからどん」



「はぁ、おまえは、頼りになるのかならないのか、わからんな」



「二割はだめということか」



 キュラが手で頭を抱えて俯き、アザレが言った時だった。


 どうしたのか、姫様の様子がおかしい。


「あ、」


「姫様、どうしたのですか」



 なんと、前のめりに姫様がテアフレナの方に倒れこんだ。



 急いでキュラが駆け寄った。他のみんなも心配そうに足を踏み出した。


「ご、ごめんなさい。ちょっとめまいがしただけ」



「少し休んでください。長旅で気を遣ったのでしょう」



「ありがと、キュラ」



 そういうと、テアフレナは抱き留めた姫様をゆっくりとハウスの壁にもたれかけさせた。


 ボンが心配そうな顔つきで言い寄ってきた。



「姫様、おいどんからも休んでもらいたいどん。ハウスのてっぺんから中に入れるどんよ」



 ボンの言葉にうれしかったのか、姫様がにこりと笑い、壁に手をつき立ち上がった。



 テアフレナが姫様の手を握り補助をした。心配のようだ。


 姫様は猫テージのてっぺんから入る入口につながる階段を登っていき、後ろを振り向いた。



「みんな、ごめんなさい。少し疲れたみたい、休まさせてね」



「いいどんよ。そのための物だドン」



 姫様の笑顔がにこやかだ。みな、この愛嬌のある笑顔にやられる。


 姫様は猫テージの家の中に入っていく。



 入っていきながら、キュラたちに手を差し伸べた。



「じゃぁね、ボン、キュラ、テアフレナ、後はお願いね。仮眠をとるわ」



「は、お任せください」「了解です」



 キュラとテアフレナは即座に応えた。


 テアフレナがキュラを一瞥いちべつしながらいった。


「姫様も疲れていたのでしょうね」


 そういった時だった。キュラが一歩前へ歩み寄った。


「さて、我らは結界の中で、みんなのご飯の準備でもするか」


「賛成どん」


 ボンがそういうとみな、手分けして焚火の木々を集めたり、鍋の用意をしたり、火をおこしたりして、

夕食の準備に取り掛かった。



 ファイたちはまだ食材を取りに行ったままだった。



 身の安否は大丈夫なのか。ここはあの魔王が張り巡らせたデッドラインのテリトリー内だった。



 誰の目にも不安が浮かんでいた。








☆☆



















こんばんは。

遅い時間帯でも早い時間帯でも読んでくださっている方ありがとうございます。

作者なんとなくわかるのでうれしいです。

今日はまだアップします。いつもの平日の更新時間です。

読み物として続けて更新していくのでブックマークや感想していただけるとうれしいです。

貴重な時間有難うございます。

肺炎には気を付けて下さいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ