第百八話 竜植物ドーム
ファイたちはプラントドラゴンと対峙し苦戦を強いられていた。
ウィードが足を植物に絡まれ立ち往生していたときだった。
ファイのフレアドラゴンが植物の強力な壁にぶち当たった。
「ちくしょう、燃やしたものの、厚い壁で俺の竜撃を防ぎやがった」
ファイは撃った態勢で、眉間にシワを寄せながらいった。
そのときだった。
「ぐああぁ」
「植物吸収」
「お、おッ、おっさん!」
なんと、植物がレギンに巻き付き、植物がプラントドラゴンの術で光輝いた。
レギンはあっという間に、ぐったりして、意識を失った。
プラントドラゴンは不敵な笑みを浮かべ、高らかとどす黒い#哄笑__こうしょう__#を響かせた。
「ほう、いいエネルギーだ。植生化が活発になったぞ」
「あいつ、レギンさんのエネルギーを吸収した」
ファイが苦言を呈したときだった。
ウィードに異変が起きた。
「ぐ、エネルギーを吸い取られる、この巻き付いた植物か!」
何とウィードの足に少しだけ巻き付いていた植物が、途端にウィードのエネルギーを吸収しだしたのだ。
ウィードはすぐさま対処し、魔剣を振りかざした。
「このぉ!」
同時に、ウィードは足に巻き付いた植物の太い弦を断ち切り、取れなかった弦を手で振り解いた。
そして、ウィードは急いでレギンの方に駆けた。
駆け、近寄ると、かがみこみ、レギンの脈をみた。
「大丈夫、息はある」
ウィードの言葉に、ファイがぞっとした顔で舌打った。
「冗談じゃねーぜ、吸い取られるのかよ」
「泣き言を言っても始まらないぞ、ファイ」
「おう、わかってら」
ヒョウの言葉にファイが気合いを入れなおし、剣を構え直した。
そのときだった。
「ん、なんだ?」
「街が植物で包まれていく」
ヒョウが驚愕した。とんでもないでかさの植物だったからだ。目を疑うほどだ。
「ま、街が植物で埋まっていくなんて。くそ、このまま包まれ殺されるのか」
ウィードが弱音を吐いた時だった。
「みんな、諦めるな、諦めたら負けだ」
ファイは戦う意志を鮮明に顕した。
弱きものを助ける、困っているものを助けるファイはそのために騎士になったのだ。
助けようとする信念は強かった。
「俺は戦う」
「わかっているさ」
ヒョウが剣を握り直し、重厚な声でいったときだった。
「一瞬ならどうにかできる。僕に任せて、街ごと助ける」
いうと同時に、ウィードは宙へ飛翔した。
一体、何をしようというのだ。ファイのフレアドラゴンでも燃やし尽くせれない壁なのに。
状況は一刻を争っていた。このままではまさに袋の中のネズミだ。
「光がなくなっていく、このままではあの植物のドームに閉じ込められる!」
ヒョウがそういった矢先だった。
空に飛んだウィードが宙で止まり、辺りを見回した。
すると、ウィードの目には、自身のところだけでなく、複数のドーム状の植物がいくつも成り立っているのを垣間見た。
「幾重にも植物ドームを作って、民や僕たちを閉じ込めようとしているのか!」
苦渋に満ちた表情をウィードは見せた。
そのときだった。
「きゃー」
大勢の#阿鼻叫喚__あびきょうかん__#が植物に包まれたドームの中から聞こえた。
地獄絵図だった。
「向こうの包まれたドームで悲鳴が」
ウィードは目を疑った。
「一体なにがおきてるんだ」
そういった時だった。
プラントドラゴンが光り輝いていく。
何かがプラントドラゴンに起きている。
「おお、植生化エネルギーが満ちていく」
植物ドームの中では、民が混乱していた。
バタリばたりと、その場に倒れていく民も大勢いた。
「ぐあぁ、力がなくなっていく」
「くるしい」
「助けて、お母さん」
「助けてくれる神はきっといるのです」
そういい、子供と母親はその場に倒れ伏した。
ウィードはプラントドラゴンを一瞥し、状況を察知した。
「ま、まさか、あの光る植物ドーム、プラントスティールのような作用があるのか?」
ウィードの直感は的中していた。
プラントドラゴンのオーラは拡充していた。
「ぐはは、おお、なんてエネルギーだ、愚弄者のエナジーで力が満ちていくぞ」
プラントドラゴンは両手を天にかざし、高らかと雄叫びを上げ、吼え讃えた。
ウィードにはこの言葉が許せなかった。
「奴に植物ドームのエネルギーが渡ってるんだ。奴のオーラが上昇している」
ヒョウもそれに気づいた。
声音を上げた瞬間、状況は一変した。
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