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(そう言えば麗華って辛いの好きだったような…)
十刃はぼやけた記憶を頼りに、ハバネロシュークリームを購入すると、麗華の元へ戻っていった。
十刃が戻ってきた時に、麗華はまた空中に『PERFECT』の文字を表示させていた。そしてまた観衆から拍手が送られた。
「ふぅ…」
流石に疲れた麗華は、休憩するべく個室演習場から出た。観衆は出てきた麗華を褒めてから解散していく。麗華自身はいつもの事をしただけなのに、何故こんなにも賞賛されたのか疑問を抱きながらも、通路の休憩用の長椅子に腰掛けた。
「よ、麗華。」
その時に声をかけてきたのは十刃であった。
「緋雀十刃か。君も訓練してきたのか?」
麗華が綺麗な桃色の瞳で十刃を見詰める。
「いや、散歩がてら麗華に会いにきたんだ。」
「私に会いに?それに何の利点がある?」
麗華が真顔で首を傾げる。
「いや…利点とか言われると難しいんだけど…。ま、まぁ同じ隊の仲間なんだし、コミュニケーションをとりにきたって思ってくれ。」
「……確かに隊内の信頼関係を築いておくのは大事なことだ。」
麗華は納得してくれたようだ。十刃としては何か腑に落ちないが。
「それで、差し入れとしてこれを渡したくって。」
十刃は先程購入したハバネロシュークリームを麗華に差し出した。
「これは…!ハバネロシュークリーム…!」
普段は感情を表に出さないタイプの麗華だが、ハバネロシュークリームを前にした瞬間、確認が出来るくらいの喜びを顔に浮かべた。そして十刃からハバネロシュークリームを奪い取るように受け取ると、すぐに開封してパクッと一口食べた。
「……美味しい…!」
少し興奮気味の表情で十刃を見詰める麗華。
「はは…本当に辛いのが好きなんだな。まぁ喜んでもらったなら良かったよ。」
十刃は麗華が喜んでくれたことに安堵の笑みを浮かべると、麗華の隣に腰掛けた。
「麗華ってさ、自由時間の時ってずっと自主トレしてるのか?」
十刃が気になっていたことを訊いてみると、
「ずっとは体に悪い。しっかりとした休息も必要だ。」
麗華は真顔で返答した後、ハバネロシュークリームを一口食べる。
「いや、そうなんだけど…。じゃ、じゃあ質問を変えるな。その休息中には何をしているんだ?」
「そうだな……本を読んだりしている。」
麗華は返答した後に、ハバネロシュークリームの最後の一口を口に入れた。
「へぇ〜どんな本を読むの?」
「武術や剣術、銃術などの本だ。」
「……それって本というより…指南書じゃないか?」
十刃が苦笑いしながら訂正すると、「……そうとも言うかもな。」と、麗華が真顔で肯定した。
(ホント…麗華って狩人の鑑みたいな生活してるな…)
十刃が大きく溜め息をついた。
「そうだ。シュークリームの礼をしなければ……」
麗華が何かお礼をしようとすると、
「別にいいよ。ただの差し入れだし。」
十刃が笑顔で大丈夫だよと告げた。
「……そうか。ならばお言葉に甘えよう。だが改めて礼は言わせてほしい。ありがとう、緋雀十刃。」
麗華が少し微笑むと、その可愛さに十刃は顔を赤らめ、視線を少し逸らした。
二人の会話が終わった時、同時に腕時計型スキャン装置へメールが届いた。
「ん?誰からだろ?」
十刃がスキャン装置を操作し、メールを開ける。
「送信者は字史隊長。内容は…『ホープビルの会議室に集まれ。』のこと。」
麗華が送信者の名前と内容を読み上げる。
「受信者はナンバーズ全員…ということは任務か。」
十刃が告げると、麗華がコクッと頷いて賛同する。
「行くぞ緋雀十刃。」
「ああ。」
二人は支度を終えると、指示されたホープビルの会議室へと向かった。
【壱桜麗華:『好感度1UP』】
〔Cへ〕




