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幻想怪物討伐組織  作者: 眼鏡 純
1話:『初陣』
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 (色々と回れたし、これくらいにしておくか。)

充分に基地を散策した十刃は寮へと戻った。


 その日の夜。十刃は部屋の窓の縁に腰掛け、夜空で輝く三日月を眺めていた。すると頭の中に、弟の十峰と暮らしていた何気ない生活が思い浮かんできた。すると無意識に涙が流れ、頬を伝う。ハッと我に返った十刃はグシグシと就寝用のジャージの袖で涙を拭くと、再度三日月を眺めた。

(十峰…もしかしたらお前は望んでいないかも知れない。でも俺は決めたんだ。絶対に酒呑童子に復讐をするって。だからこんな馬鹿な兄をさ、天国から見守っていてくれ。)

十刃は三日月に手を伸ばし、グッと拳を握り、改めて己の覚悟を胸に宿した。



 次の日から厳しい訓練が開始した。筋力トレーニングは勿論、射撃訓練やファンタジーマタールの使用訓練など、様々な訓練を受けた十刃は、狩人(カサドール)としての知力、体力、技術力などを身につけた。


──そして十刃が入隊して一週間が過ぎた頃、遂に十刃の初陣の日が訪れた。


 円卓が置かれた会議室に、ナンバーズ全員が集結していた。

「一週間ぶりだな、諸君。」

巨大モニターの前に座るのは、ナンバーズの隊長を務める数希晴字史である。

「早速本題に入ろう。今回の任務は、目標(ターゲット)の幻想怪物の討伐だ。どうやらナンバーズの能力がどのようなものかの調査を兼ねているようだ。加えて緋雀十刃の初陣でもある。ま、だからと言って何か身構える必要はない。普段通りに任務を遂行しろ。」

「で、討伐する目標は何なん?」

天星が字史にターゲットが何か尋ねる。

「こいつだ。」

字史がリモコンで背後の巨大モニターに電源をつける。すると映ったのは、緑色の髪をもつ小柄の美女であった。服は葉や根、茎などを編んで作ったものを着用している。

「『ドライアド』ですね。」

霧宗が映し出された幻想怪物の名前を告げると、字史が頷いて肯定した。

「ここ数日、ドライアドが住み着いている森が急激に繁栄しているようだ。このままではアズマキョウの周囲が森で覆い尽くされてしまう。そうなる前にドライアドを討伐せよという任務だ。」

字史が討伐する理由を報告する。

「ドライアドって、樹と運命を共にする幻想怪物だよね?」

四葉がう〜ん…と過去の記憶を思い出す。

「鳴子部の言う通り、ドライアドの命と樹はかなり密接に関係している。ドライアドが宿る樹が枯れたり、切り倒されたり、燃やされたりすると、ドライアドの命も絶たれる。」

字史がドライアドの討伐方法を告げる。

「なんか聞く限りあんま強そうな相手じゃねぇな。」

凛之介が率直な感想を告げる。

「確かにドライアドだけならナンバーズ総出で動く必要はない。問題はそのドライアドが住む森に『グリフォン』が住み着いてしまったということだ。」

字史が新たな情報を提示する。

「グリフォンか…そりゃあ確かに手強いな。」

八龍が口を開く。

「故に今回は『グリフォン討伐班』と『ドライアド討伐班』に分かれて行動する。グリフォン討伐班は十中八九ドライアドが参戦してくると思うが、グリフォンの討伐を最優先にしろ。そしてドライアドがグリフォン討伐班に気を取られている時に、ドライアド討伐班が一気にターゲットを討伐。それで任務完了。異論は?」

字史のざっくり作戦に対して誰も異論がなかったので、この作戦でいくことに決定した。

「よし。ならば次は班分けについてだが、いちいち戦力等で割り振るのが面倒だったから、こちらで適当にくじ引きで決めさせてもらった。」

字史がリモコンを操作し、モニターの画面を変える。画面の真ん中に一本の線が引かれ、右の枠の上に『グリフォン』、左の枠の上に『ドライアド』と書かれており、その下にナンバーズのメンバーと字史の名前が書かれていた。


『グリフォン討伐班…字史、二牙、四葉、六夢、八龍』


『ドライアド討伐班…麗華、綾、凛之介、霧宗、天星』


「やったー!六夢っちと一緒だー!」

四葉が笑顔満点で六夢に抱き付く。

「ちょっと苦しいよ四葉〜…」

六夢は四葉を離そうとするが、一緒の班ということは嬉しいのか、顔はまんざらでもない感じであった。

「本当にこんな方法で決めて大丈夫なのであろうか…」

まるで遠足のグループ分けをしている感じにしか思えない綾が、ハァと溜め息をつく。

「……同感です。」

綾の隣に座る霧宗が綾の意見に賛同する。

「あの…字史隊長。」

そろ〜っと手を挙げるのは、十刃であった。

「どうした緋雀?」

字史が十刃に問う。

「俺の名前…書いてないんですけど。」

「ん?」

字史は振り向いてモニターを確認する。そこには確かに十刃の名前は記入されていなかった。

「……本当だな。恐らく昨日の俺が入れ忘れたのだろう。すまない。詫びとしてお前はどちらの班に加入するか自由に選べ。」

ただ決めるのが面倒なだけなんだろうな、そんな事を思っても口に出さない十刃は、『グリフォン討伐班』か『ドライアド討伐班』、どちらに加入するか考え始めた。



〔グリフォン討伐班に入る→Gへ〕


〔ドライアド討伐班に入る→Lへ〕

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