表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を救い、そして滅ぼした魔女ニティア  作者: 月白
第2章〜 ギルドと白い影
PR
26/78

26 ジャヌスさんはすごい人


 ローウェンに挨拶をして、店から出た2人。街の明かりにより、夜であるということすらもう忘れてしまいそうだった。

 ひとまずは王国図書館へ行き、図書館の人に色々聞いてみることに。

 お腹をさすりながら歩くフィニスと、ゆっくりと街並みを見ながら歩くニティア。


 図書館へ到着し、入り口で固まる2人。

 フィニスよりも身体が一回り以上も大きいであろう兵士が4名ほど、入り口から動かずに2人をじっと見ていた。


「これは……無理ですねニティアさん」

「で……でも、話を聞くくらいなら……」


ガシャン!


 そんな話をしていると、1人の兵士が2人の前まで歩いてきた。


「いや!何も悪いことしてないです!図書館に入る方法を教えてもらおうかと!」

「べ、別に侵入しようとかは思ってませんので!」


 慌てふためく2人を無視して、兵士は口を開けた。


「もしかして……先日ジャヌス様と一緒にいた……?」


 フィニスが大怪我をし、ニティアがなりふり構わず飛んできた時。ジャヌスが耳打ちした兵士が声をかける。

 当のニティアというと……その時は完全にパニック状態であったため、全く覚えていなかった。


「あ、はい。多分そうです」

「やはり!」


 興奮した兵士は声を大きくしていた。


「?」


 首を傾げるフィニス。


「して、今日はどのようなご用件で?あ、ジャヌス様はまだ来ておりませんよ?」


 嬉しそうに話す兵士。その言葉を聞いた2人は俯くことしかできなかった。

 その空気に何かを察した兵士は、3人の見張りに何かを指示し、声が聞こえなくなるであろう距離まで離れさせる。


「……一体、どうされたのですか?」



「そ……そんな!?あのジャヌス様が!?」


 事情を説明し、驚いた兵士。すぐに口元を押さえて、何かを考え始めた。


「まさか……あの大賢者ジャヌス様が……いや、でも何で?そんな場合じゃない……まずは……」


 ぶつぶつ独り言を言っている兵士。フィニスとニティアもただ立ち尽くすことしかできずに、そのまま待っていると、兵士が突然顔を上げた。


「お二方……今から城に来てください!」

「え…でも私たち図書館が……」

「今はそのことを王様に伝えることの方が大切です!」


 そう言い3人の兵士を呼び寄せた後、2人の兵士は再び図書館の入り口へ。


「どうぞ、こちらへ」


 先ほど呼ばれた兵士に案内されるような形で、図書館を後にする。


「ジャヌスさん……すごいとは思ってたけど、そんなにすごい人だったんだ……」


 涙目になりながらも、少しだけ誇らしげにボソッと言うニティア。


「昔、この王都を救った英雄。そして、黒い魔女と戦った生き残りの魔法使い……だからな」


 同じく小さな声で呟くフィニス。その言葉を聞いてニティアは大きく目を見開いていた。


「え?!英雄って……あんた知ってたの?!」

「俺も知ったのはついこの間なんだよ」

「教えてくれればよかったのに……」

「……俺から話す事でもないと思ってさ」

「……それもそうだけど……」


 少しだけ不貞腐れているニティアに、フィニスは優しく笑う。


「たとえどんな過去があったとしても、先生は先生だろ?」

「……そうだね」


 小声でそんなやりとりをしながら、兵士についていく形で城へと足を運んでいく2人であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ