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異世界転移の英雄譚 ~悩み多き英雄さま~  作者: 北山 歩
第3部 第3章 パンタレイ 編
133/147

133話 フィンレー空軍基地攻略戦(1)

※当作品の登場人物名称(対象はフルネームの完全一致および酷似した名称)、貨幣の名称と特徴、特有の魔法名称と特徴、理力眼といった特有の能力スキルにおける名称と特徴、国家・大陸名称、魔力導線の構造及び魔石と魔力導線を使用した発明品・兵器の構造等の内容ならびにテキスト等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

「レイチェル。ダーシャ・クリシュナが出産した女児がロラン様の御子という事は機密とします…宜しいですね…」


 アリーチェもレイチェルもダーシャがロランの髪か皮膚の細胞からiPS細胞を作り出し、そのiPS細胞から精子を生み出し体外受精を行った後に体内に受精卵を着床させたと推測した。


 同じ女性として禁忌の手法を用いたダーシャを同情するも激しい怒りの感情が勝るのだった。


 その頃、ロラン達はフィンレー空軍基地に保管されている『赤い薬と青い薬』を奪取するため攻略方法をロランの部屋で検討していた。

 

 ""…バークス、部屋が盗聴されていないか確認してくれないか…""


ロランは脳波通信インプランとを介し天耳通の能力を取得したバークスに尋ねた。


 ""…部屋に超音波を当てている気配も室内に盗聴器から発生する固有の周波数も感じませんので大丈夫です…""

 

 部屋の中で話を行うと建物がコンクリートであっても極微小に振動する。


 そこに超音波を照射し分析を行うことで部屋の中での会話を盗聴する手法や盗聴器を用いた手法は超音波まで感知出来るバークスの前では全く周到な手法ではなかった。


 ""…フィンレー空軍基地は静止軌道の偵察衛星やレーダーにより接近する対象物を24時間監視している…""


""…基地内のセキュリティシステムやPC・サーバーのネットワークは外部からのサイバー攻撃を受けないためにクローズされ、外部と交信を行うPC等は基地内機密情報を管理するネットワークとは別系統となっている…""


""…基地内の電源は独立5系統、加えてバックアップ電源装置も独立3系統…""


""…外壁は複合装甲並みで床面は地下からの攻撃を感知するために振動センサーを装備…""


""…極めつけは対空防御ミサイルと地対地攻撃用ミサイルを大量保有…""


ロランはスティオンが収集した情報を列挙し攻略の方向性を探っていた。


""…ここまでセキュリティが確立されるとハッキングなどでシステムを無効化することは難しそうですね…補給部隊に紛れ込みましょうか…""


ファビアンはSilentSpecter(サイレントスペクター)の副指令であり潜伏し諜報活動を行うことに長けているための意見であった。


 ""…何故、クレアスカイラーは空対地や地対地ミサイルによる長距離波状攻撃を仕掛けないのでしょう…""


""…そうできない理由があるのでしょうか…""


 アークの発言は皆も気になっていたことであった。


 物理的にミサイルの波状攻撃を完全に防御することは困難だからである。


""…アークの意見は僕も気になっていた…だがクレアスカイラーが基地を『赤い薬と青い薬』ごと破壊する方向性ではないことは、こちらにとっては好都合…""


""…だが、フィンレー空軍基地は難攻不落のうえ電磁パルス攻撃にも対応していると思われる…""


""…そこで今回は10万機の昆虫型スパイロボットを使用し基地を無効化する事にした…""


""…加えて基地内にある装甲車や飛行艇は植物に絡め取り、僕らは遊撃隊という名目でクレアスカイラーの本隊とは別行動し正面突破により『赤い薬と青い薬』を奪取する…""


ロランは無人島で植物の種子を大量に確保しており、その植物を冥王の生命を操る力で巨大化させ装甲車と飛行艇を無効化させる手法を考えていた。


""…昆虫型スパイロボットで基地を無効化するには3週間は必要だ…""


""…アークそれまでに『赤い薬と青い薬』を奪取する作戦行動と必要となる装備を計画しておいてほしい…""


 白兵戦部隊RedMaceの司令官であるアークはグリーンアイズ部隊を率いるスティオンとRedBulletを率いるバークスと共に作戦行動と必要な装備について脳波通信で打合せを始めるとロランは一人考え事をするため自室をあとにした。


 「ボス。一人でどこに行かれるのですか…」


 ファビアンはアークと同い年の28歳でロランとは一回り年齢が離れているのだが掴みどころがなく雲のように自由な性格であり、ロランは妙にファビアンと話があった。


 「休憩所に行ってコーヒーを飲みながら考えを整理しようと思ったのだけど…」


 「ほう、そうですか。では私も…」


 この拠点は休憩するスペースがあるなどレジスタンスの拠点としてはフランクな雰囲気が漂う異例な拠点であった。


 だが、ロランは緊張は持続するものでなく理にかなった施設であると考えながら、台に肘をつき立ちながらコーヒーを飲んでいるとファビアンが()()()()様に話しかけてきた。


 「しかし、レイラさんはアリーチェ様にそっくりですね…」


 「私はそのことが気になってレイラさんの話が全く頭に入ってきませんでしたよ…」


 ロランはファビアンの話でコーヒーを吹き出しそうになる。

  

 ファビアンはわざと軽い口調で話をはぐらかすが真の姿は違うのだと理解していた。


 何せ、あの几帳面で抜かりのないルディスが最も信頼する者だったからである。


 「怖いぐらい似ている。だからかな、僕は緊張してしまったよ…」


 ロランはファビアンの話に合わせるようにウィットな内容で話を返すとファビアンは満足げに軽い微笑みを返した。


 2人はそれぞれの想いを胸にしまいながら、来るべき時に向け精神を研ぎ澄ませるのだった。

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