テンプレってやつですの?
鑑定師匠からの通知はとりあえず無視する事にしました。
だって、お兄様と二人だけの時間なんて取れないんですもの。
狭い馬車で内緒話しても筒抜けですわ。
さて、もうすぐ領地に入るという時でした。
コンコンコンと御者役のシラヌイ様から合図が有りました。
小窓を開けて、先生が確認します。
「どうしました?何かありましたか?」
「まだですが、何か、イヤな感じがします。気をつけてください」
シラヌイ様のイヤな感じは当たります。セリに緊張が走りました。
「一応、お二人は伏せていてください」
そう言って小窓を開けて外を確認し何かを外に投げました。
「今のは?」先生が聞くと「ワサビへの合図です」
30秒ぐらいたったでしょうか、先導していた伯爵様が大声で叫びます。
「魔物です!!馬車は駆け抜けてください!」
シラヌイ様が、小窓から「速度を上げます、お二人を守ってください!」
セリが私を抱き寄せ、先生がお兄様を抱え込みます。
「お二人とも、揺れますので、わしらにキチンと捕まってください!」
馬車にシートベルトってないんですのよ、改造するべきでしたわね!!
馬車は揺れましたが、さすが辺境出身、片手で私を支え、片手で馬車内の持ち手を掴み身体を支えています。
先生も体幹凄かったんですのね!
しばらくすると馬車が止まりました。
「どうなった?」
先生が小窓を開けてシラヌイ様に確認します。
「たぶん、こっからが本番ですよ」
シラヌイ様が鋭い言葉をかけた瞬間、
「ギャァ!!」っと悲鳴が聞こえました。
「人間の襲撃ですね。ワサビとサンショウが蹴散らしてます。
俺は馬車の右に出る。セリ、左に出ろ。5歩以上前に出るな!」
「1人は生け捕りにしてください!」
お兄様が叫びます。
「承った!!」
シラヌイ様は言うが早いか、飛び出してきた人間の武器を持った手に、馬車の鞭を巻き付け引っ張り、引き倒してあっという間に1人、縄でぐるぐる巻きにしてしまったのです。
え?カツオの一本釣りですか?
「確保!!よし!後は全力でいいぞ!!」
「「「ッシャァ!」」」
と言ったら10秒ほどで、制圧してしまいました。
「「センバ、すごっ」いですわ」
お兄様と二人で感心してしまいました。
「確保した人間をワサビ達にまかせて、先に宿へ向かいましょう。
あの伯爵がわしらを野放しにしたのです。勝手にやりましょうや」
ニヤっと笑った先生がそう言うので、宿を探しに町へ向かいました。
町に入り、宿を見つけ部屋を取ると、先生が
「エミリオ様とお嬢様は同じ部屋でくつろいでいてください。シラヌイ様、護衛お願いしますね。
わしとセリはワサビ達と連絡取ってきます。
もし、あの伯爵がきて、何か言われたら、襲撃、何それ?と言ってください。演技もお願いしますよ?
で、わしとセリは晩飯を探しに行ったと。
ちなみに、シラヌイ様、最悪の場合、あの伯爵に勝てますよね?「あぁ」
…さぁ、どうでますかねぇ」
先生が悪い顔で笑います。
もしかしなくても、けっこうイラついてます?




