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当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!  作者: 犬丸 大福
溺愛に振り回される、振り回す

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買うわ!

次の日、私とお兄様は、朝から沢山の商品の前で困惑していた。


「さぁさぁ、エミリオくんとユーディリアちゃんに似合う物をバンバン見せてちょうだいなっ!!」


夫人は最初っからテンションMAX。


「お義姉様、どっから見つけて来たの、この子達?!

センバが惚れ込むのもわかるわぁ、これは、美術品になる位の顔の良さよ?!」

「顔の良さだけじゃないのよ?!とっても素直で可愛いんだから!!!」

「それはディだけでしょう」

「何言ってるの?!エミリオくんのユーディリアちゃんを一途に守る姿は、国宝級よ?!

貴方達、少しは自分の価値を上方修正しなさい!!

さぁさぁ、気を取り直して、今日は買うわよ!」


「「夫人、落ち着いて?」」

お兄様と二人、コテンと首をかしげると、「「キャーーー!!」」と黄色い悲鳴が上がりました。


「お義姉様、なにあれ、可愛すぎるんですけど?!」

「そうでしょう、そうでしょう。初めて双子のシンクロを見た時は、身悶えるのを悟られないようにするのに苦労したのよ。淑女の猫と仮面、総動員したわ!!」


きゃいきゃいと楽しげに夫人と話しているのは、センバの商品を一手に取り扱ってるセンバ商会の会長夫人で、辺境伯様の妹さんとのこと。

「ヒサギ・センバよ。子爵家よ。センバ商会は一族でやってるって分かった方が良いでしょう。

だから、センバが持ってた子爵家を私がつ継いで、旦那に婿に入って貰って、商会してるのよ。

これもお義姉様の尽力のおかげよ!」


「それまでは、センバの人の良さにつけ込まれてた感じだったものね。

商人気質の貴女が居てくれたからこそ出来た事でもあったのよ。

うちの旦那みたいなのしか居なかったら、それこそすぐ倒産だもの」


「「ねぇ~」」

二人で仲良くうなずき有っている。


「イチイの祝賀パーティーで貴方達を紹介したかったけど出来なかったから、今日、顔合わせ出来て良かったわ。

沢山持ってきてくれてありがとう。

あ、そうそう、この子達だけじゃなくて、イチイも、アカシアもお揃いにしたいのよ。そこも踏まえて、

さ、ヒサギのセンスでは、どれがオススメ?」

「え?じゃぁ、イチイも連れて来て?」

「ダメよ!エミリオくんと一緒に居ると鼻血が出るのよ!商品ダメになっちゃうじゃないの!」

「ええぇ?そんなんでお揃いとか着たら、死ぬんじゃないの?」

「今、リハビリ中なの。双子に慣れる特訓中よ!出来たら、婚約して貰うんだから!!」

「まぁまぁ!それはおめでたいわ!!ってか、あの野生児とこの美術品が婚約して大丈夫なの?!」

「イチイの淑女教育の、のびしろに期待よ!エミリオくんという特大ご褒美の前に、敵前逃亡は許さないわ♪」

「…イチイ頑張れって、伝えておいてくれる?

で、ドレスだけど、正直にいうと、うちじゃドレスはそこまで扱ってないから、やっぱり、アスビル商会にはかなわないのよねぇ」

ふぅと、一つ、ため息をつくヒサギ様。


「あ、クソババァの実家。

そりゃそうだ。あのクソババァ、ディをモデルにドレス作ってるんだもの。良いもの出来て当然」

「エミリオくん!お言葉が乱れてるわ?」

夫人から苦笑いの叱責が来ますが


「ああ、デザイナーが夫人だって話だけど、貴方達のお母様だったの?」

ヒサギ様の言葉に私達はコクリとうなずくと


「じゃぁ、ドレスとか沢山持ってるんじゃないの?」

ヒサギ様が問いかけます。


私達はお互い苦笑いして「「いいえ」」と答えます。


「あのクソババァ、ディに試作品着せて最終調整してるんだ。

だから、ディが着てみて良かったヤツは、全部商会に持って行って、サイズ調整して売ってる。

微妙なヤツは、それこそ直すのに持っていって、良くなってから売ってる。

だから、我が家には最低限必要なドレスしかないよ」

「私、マネキンなんです」「ディ…」

「大丈夫ですよ、お兄様。だから、私、いろんなドレス着るだけは着てるので、目は肥えてるんです!」

私は、サムズアップを決めた。


「しゃべってる内容が悲しいのに、行動が陽気とか、脳の処理が追い付かない」

ヒサギ様が頭を抱えます。


「それもディの魅力です」

真面目な顔して答えるお兄様、恥ずかしいです、やめてくださいまし。

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