ほにゃらら新喜劇
「ねぇ、お兄様。
イチイ嬢の鼻に栓詰めて、お兄様と二人で両隣に座ってお顔を眺めていたら、目覚めた時、どうなるかしら?」
「鼻に栓詰めるの?ご令嬢の鼻に?」
「だって、鼻血吹き出したら、私とお兄様の顔にかかりません?」
「かかるだろうねぇ。…なんでそんな事思いついたの?」
「え、だって、スパルタって言ってませんでした?」
「ねぇ、ディ?
鼻に栓とか、人に鼻血かけるとか、ご令嬢の尊厳丸つぶれみたいな作戦、やめようか?」
お兄様が真面目な顔で私に言います。
「イチイの鼻血を止める栓なんて、無いんじゃないか?
鼻血と一緒に栓がポーンと、飛ぶぞ?」
辺境伯様が鼻から投げキッスみたいな仕草をします。
「「ああぁ、飛びそう…」」
お兄様と二人、思わず辺境伯様の指した先を眺めてしまいました。
「ユーディリアちゃん、さすがにその作戦はやめてあげて?
一応、こんな野生児だけど、女の子だったりするのよ?
鼻血と一緒に栓が飛んで、その血が好きな男の子に浴びせかかるって、羞恥心で死ぬんじゃないかしら?」
夫人が苦笑いです。
「男の自分でも、確実に4~5日はベットで身悶えしますね」
「そうですね、鼻血で栓が飛んでいくって、考えてなかったですわ」
「ディ?そこじゃないからね?」
「っていうか、飛ばなかったら、鼻に栓詰めたご令嬢と対話しなきゃいけないんですものね?」
「「ブフォ」」
お兄様と辺境伯様が崩れ落ちた。
「今。
鼻に栓詰めたイチイが、真面目な顔したユーディリアちゃんと対話してる横で、お腹抱えて崩れ落ちてるエミリオくんの姿が見えちゃったわ。
どうしましょう、ちょっと見たいと思っちゃったわ」
頬に手を当てた夫人が優美にのたまいます。
「俺の女神、それは流石に俺でもわかる。絶対やっちゃダメなやつだ!」
イチイの尊厳のために!と、辺境伯様は力説します。
「ああぁ、確かに。お兄様、記憶力良いですからねぇ、
10年後とかでも思い出し笑いしそうですわ」
「くッ、ディが僕の腹筋を殺しにかかってるッ…」
「確かに!!エミリオくん、イチイのために10年後は忘れてあげて!!」
「夫人まで!!ものすごい勢いで悪ノリしてる!!」
「ウフフフフ。まぁ、悪ふざけはこの位にして。
実際問題として、慣れるしかないのよねぇ。イチイ、頑張って、起きなさい。
って、そうよ、倒れる度に、すぐ起こしたら良いんじゃない?」
「どこの拷問官ですか、それは」
「え、お兄様。私達の顔、拷問ですか?」
「有る意味?だって、倒れるんだもん。許容範囲越えた顔の良さって、拷問になるんだね?」
うーん?と私達は首をひねります。
「そう、それ。貴方達、要所要所で行動がシンクロするの。双子ならでは、なんでしょうけど、確かに、可愛さが溢れ出てるのよ。まぁ、それも含め、一週間あるのだし、会話成立するくらいには慣れて欲しいわね」
考えてみたら、
ほにゃらら新喜劇や座布団重ねる落語家は、何十年も愛されてるのに、
美人は3日で飽きるって、理不尽じゃありません?
評価やブックマーク、リアクションなど下さった方、ありがとうございます!身もだえて震えております。
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