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当て馬悪役令息のツッコミ属性が強すぎて、物語の仕事を全くしないんですが?!  作者: 犬丸 大福
幼少期

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3/43

私のお兄さま

私の唯一にして、最愛のお兄様。


ああ、改めて思う、ブラコン炸裂してるなぁ。



実は、少し前まで、私はお兄様に嫌われていたし、私もお兄様に関わりがなかった。


それは、お兄様には、私がお母様を()()()()()()()()()()()()()()から。


自分は後継ぎの教育のため、雁字搦めになって、こんなに頑張っているのに

父親には褒めて貰えず、家にいるはずの母親にも満足に会えない。

なのに、双子の妹は母親と一緒に衣装を選び、食事の時間も共にして甘えている、

そんな風に思っていたそうだ。


実際の私は、お母様の玩具にすぎなかったのだけれど。


そんな風に私の事を思っていると知ったアンが、お兄様を叱ったのだという。


「なんて事をおっしゃるのです!!

ぼっちゃまは、ある意味、お嬢様に守られているんです!

何もお調べにならず、自分の思い込みで相手を嫌ってはいけません。

まずは、お嬢様をお知りになることです!!!」


そう言って、お母様の食事の時間、こっそりとその様子を見せたらしい。


しかもその日は、ちょうど間の悪い事に、お母様の機嫌があまりよろしくなく、その雰囲気に気づいた私も怯えていて、ちょっとカテーシーがふらついたのだ。

「お前はワタクシに恥をかかせるの?!完璧にできないカテーシーを披露するなんて、許してないわ!!」

案の定、お母様の癇癪が始まり、私は頭からスープをかぶる事になった。

「罰として、ワタクシの食事が終わるまで、その体勢でいなさい!!」

私はスープの滴る状態のまま、頭を上げることが許されなかった。

しかし、4歳児がカテーシーの状態のままでいられるはずもなく、べしゃっと、床のスープの上に倒れてしまった。

するとまたお母様が癇癪を起こして、私を蹴ろうと立ち上がったが、

そこにアンが

「奥様!!僭越ながら、お昼すぎには大旦那様がいらっしゃいます。お時間もあまりございません。

お嬢様もそこにお出になりませんと。

それまでに()()()仕上げて参りますので、奥様はどうぞ、お食事をお続け下さいますように」

「そうね、お父様がいらっしゃるのだったわ。

仕方ないわ、それまでに、()()()()()()()()しておいてちょうだい。

良いこと?お父様の前で失敗したら、許さないんだから!」

アンは、頭をさげ、私を抱き起こし、そのまま下がったのだった。


その様子を、お兄様は呆然と見つめていたらしい。


私がアンにお風呂に入れて貰って、支度をしていると、バーンと扉が開いて小さな塊が駆け込んで、私にタックルをかましてきた。

コロンと転がった私がその塊を見ると、お兄様が泣きながら抱きついていた。

「ごめんよ、僕は君が大嫌いだったけど、君があんなにひどい目に合っていたなんて、知らなかった。お母様と一緒にいる君が羨ましくて、それで、それで!!」

「おにいさ…ま?」

「そう、そう!僕は君の兄だよ、エミリオだよ。僕達は双子だもんね、つらかったの僕だけじゃない、一緒だった!しかも君は、実際にいじめられてた!

うわーーーん!」

そう言ってお兄様はぎゅうぎゅう抱き締めて泣いていた。

そのお兄様の暖かさを感じながら、気づけば、私もワァワァ泣いていた。


それから、お兄様は、勉強の合間に私に会いに来て、おやつを食べたりしてくれるようになった。

私からも行きたかったが、お兄様の勉強の邪魔をしてはいけないと、こちらから行くのは禁止されていた。

お兄様といる時、心から安心できた。

アンも味方だと分かっていたが、

お兄様とは、一心同体とでもいうのか、辛いこと、悲しいこと、嬉しいこと。

自分は一人じゃないというのが、とても心地良かったのだ。




……うむ。依存一直線だな、こりゃ。

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